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第二章
愛と復讐⑥+
しおりを挟む月城 ギンside
俺は、今朝ルビーが何を聞こうとしていたのかを知っている。
何故なら、ルビーが気を失うように眠った直後にポシェットの中にあった物を回収したのは、この俺だからだ。
どうやらルビーは手帳の冒頭を読んだだけらしく、分かりやすく折り目が付いていた。
だが、今朝手帳の行方を聞こうとしたルビーの話を遮ったのはわざとではない。
それだけは言える。
ルビーの可愛さと愛しさに負けたのは事実だがな…。
「ルビー、そんなに急がなくてもアップルパイはある。ゆっくり行かないか?」
「…早く食べたい」
「ほら、腰も痛いだろう?無理して歩くと転ぶかもしれないからもう少しゆっくり…」
「作りたてが美味しいの」
そんなルビーは今、アップルパイが楽しみでルンルンとしながら目の前を歩いている。
ルビーが着ている黒の水玉の模様の白いワンピースの腰部分には黒いリボンがあり、彼女が歩く度にヒラヒラと後ろで揺れている。
推定158cmのルビーに合わせて購入した洋服は一つのクローゼットに収まりきらず、いくつか奥に収納している。
今朝着せたシャツは大きすぎて、腰まで隠れていたな。
それに比べて俺は…、今年も身長が伸び、195cm。
ルビーから見たら巨人だろうな。
だが、俺から見たらルビーは愛らしい兎のようだ。
「…ギンさん、遅いよ」
「…可愛い」
「何してるの?」
「お前の後ろ姿を動画に撮ってる」
「…え?」
振り向き際に見えるパッチリ二重のくりくりとした目とルビーが少し尖らせた桃色の唇。いっその事、この子を頭から喰ってしまいたい。
まあそれは獣人ジョークだが、俺はそう思うくらいにルビーが愛しいのだ。
それに、もう他の獣に取られる心配をする事はない。
彼女は俺と番になった為、ヒートのフェロモンを他の獣に嗅がれる事は無いし、身体を交える事もないだろう。
説によれば、番を持っているΩは他の獣に抱かれると拒絶反応を起こすらしい…。
マーキングをしっかり施した彼女の身体に触れる者はまず居ないだろうからな…。
ただ、いくら番同士とはいえルビーはまだ15歳。本当は毎日抱き潰したいが、それはもう少し彼女が成長するまで待たなければならない。
「何で私を撮るの?」
「…可愛いからだ。」
「撮られるの嫌だ、」
「…じゃあ、隠し撮りはどうだ?」
「変わらないじゃん」
カメラを嫌がるルビーの表情も俺は愛せる。
否、俺はどんなルビーでも愛せる。
右手はあと一度診察を受けるだけでいいからな、両手で彼女を抱き締められるのもあと少しだろう。
嗚呼、胸の中に幸福感が溢れている。
あと残すのは英家のとある問題だけだが、それは向こうが仕掛けてきたら対処する。
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