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温泉ゲットです
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鳥居の向こうに和服姿の女性、貴船さんの
お母さん、桜子さんが佇んでいる。
家の中に入ってじっくりと色々な話を
聞かせて貰いたいと思っていたんだけど、
無理そうだなって感じた。
なんとなくそこに壁があって、
入れない感じがしたから。
「あー、貴船さんのお母さん。
多分なんですけど、
そこの鳥居を越えて入れないと
思います。ごめんなさい。
ゆっくりと手を伸ばしてもらえると
見えない壁に当たると思います。」
俺がそういうと、桜子さんはゆっくりと
左手を伸ばしてきた。
指先が何かに当たると、掌らを広げて、
透明な壁を押すような動作をしていた。
「本当だわ。すごいわね、
これが結界というものかしら。
でも、残念だわ、出来れば早いうちに
お話ししておきたかったのだけれど。
さつき、先言っていた大丈夫な時に
また連絡くれるかしら。
鞍馬さん、また日を改めて
伺わせて頂きますね。
そうそう、もし、向こうの世界で
楓に出会うことがあったら、
年に一度くらいは連絡ちょうだいって
伝えてもらえると嬉しいわ。
では、これで失礼しますわ。」
ゆっくりとした動作でお辞儀をして
桜子さんは車に戻って、
静かなモーター音を残して
山道を下って行った。
「あー、貴船さん、何かごめんなさい。
って言うか、お母さんは
結界とか感じても、何か反応が
思っていたよりも大きくなかったですね。」
「そうねぇ、今にして思えば、
昔ここに遊びに来る度に
楓叔母さんのおとぎ話みたいな
冒険譚をよく聞かされていたけれど、
本当の話だったみたいね。
それにしても、守護者かぁ。
ずっと前にお母さんがうちの家系には、
昔秘密の役割があったけど、
今では形だけで重要じゃなくなったって
言っていたことがあるわ。
楓叔母さんは外国で静養しているって
聞いていたけど、異世界に行ってたのね。」
「その楓叔母さんの話だけど、
俺にも聞かせてもらっていいですか?」
「いいわよ、でも今日は女神様達のお話を
いっぱい聞かせてもらいましょ。
戻りましょうか。」
俺とさつきさんは家に戻ると、
奥の広間でヘスティア様、シロミズチ様と
談笑しているココと合流した。
シルバは安心したのか、
いつも通りのウトウトモードだ。
程よい温かさがあってシルバを抱っこしていると
俺も癒される感じがする。
「さつきのお母さんだったのね。
ここにいてもカケル君を通して、
私とシロミズチには見聞きできていたわ。
運命って奇遇だけれど、
必然的なところもあるのよね。
一つ教えてあげると、
カケル君達の叔母の楓は元気でいるわ。
きっとそのうち会えるわよ。
そうそう、私温泉が好きなのよね。
ここのお湯なんだけど、
温泉にしていいかしら?」
「えっ!?
それは是非お願いしたいですけど、
温水タンクに普通の湧き水を
引き込んでるから、分けないとダメですね。
お風呂だけ別のタンクいるなぁ。」
「鞍馬君、それはお勧めしないわね。
温泉のタンクはメンテが大変なのよ。
源泉からの引き込みでも
配管が詰まったりするから、
何にしても温泉はノーメンテって
訳にいかないの。」
「ふむ、それは我の力で何とかなろう。
この地の奥深くから湧き出る湯を
直接湯船に溜められるように
繋ぐことができるのだ。
我もヘスティア様と
同じく温泉が好きなのだ。
それくらいの助力はさせてもらおう。
良いかな?」
「あっ、それなら厚かましいんですけど、
もう一ついいですか?
温泉を少し溜められるような手洗い場にも
繋げられますか?
温泉卵とか作れると思うので。」
「おお、あれは美味であるな。
お安い御用だ、早速繋ごう。」
みんなも温泉好きなのか、全員でいそいそと
風呂場に移動して、見学することになった。
シロミズチ様が腕が入るくらいの
黒い空間を作り出すと、
そこから湯気を濛々と上げて温泉が
溢れ出してきた。
「うわっ!すごい!
お湯もやや熱めだけどいい温度ですね。
この勢いだともう入れそうですね。」
そう言って、後ろを振り返ると服を脱ぎ始めた
二人の女神がいた。
メイドさん達に笑顔でお風呂から追い出されて、
女性陣は温泉に浸かるようだ。
と思ったら、シフォンさんはすぐに出てきて、
お風呂上がりの飲み物と軽食を用意するそうだ。
指一本で出来るパンケーキをお勧めしたら、
その上にトッピングをしたいと言ってきた。
貴船さんが買い込んできたものの中に
調味料が色々あったので、
一つ一つ説明していくことにした。
ホットミルクにバニラ香料を入れたものとか
蜂蜜と黒糖を混ぜてパンケーキにかけるとか
いろいろなレシピをタブレットのアプリで
見せてあげると、食い入るように
チェックを始めていた。
味がイメージできないものがあるようで、
途中何度かあれこれ聞かれたけど、
一生懸命美味しいものを作ろうと
考えてくれている熱意が伝わってきて、
何かすごいなと思ってしまった。
シフォンさんは何か俺に聞く時に
腕のあたりに手を触れながら聞いてくるので
ちょっとドキドキしたのは内緒。
シルバは途中で完全におねむになったので、
キッチン横の俺達の部屋で布団をひいてやって
スースーと寝息と立てている。
俺はシフォンさんと一緒に、パンケーキの
フルーツトッピングの手伝いをした。
大きめの鍋で牛乳を温めて香料を
散らしたらいい匂いがしてきた。
たまには料理するのも
悪くないなと思ってしまった。
ちょうどシフォンさんが
カップはどこにあるのでしょうかと
腕に触れながら聞いてきた時だった。
(ピロン
調理の心得のスキルを獲得しました。
共有獲得が可能です。
共有しますか?
新たなジョブを獲得しました。
調理士のジョブを共有獲得できます。
追加選択しますか?)
えっ?調理の心得?
いや、俺は指一本でいいんだけど、
いらないかな。
と思ったら、
超興奮しているシフォンさんから
ス、スキル!ジョ、ジョブ!!って
腕をしっかり掴まれながら迫られたので
勢いで共有獲得、追加選択してしまった。
興奮したシフォンさんの顔が
すっごい近くまで迫ってきていたので、
ものすごくドキドキしたのは内緒。
お母さん、桜子さんが佇んでいる。
家の中に入ってじっくりと色々な話を
聞かせて貰いたいと思っていたんだけど、
無理そうだなって感じた。
なんとなくそこに壁があって、
入れない感じがしたから。
「あー、貴船さんのお母さん。
多分なんですけど、
そこの鳥居を越えて入れないと
思います。ごめんなさい。
ゆっくりと手を伸ばしてもらえると
見えない壁に当たると思います。」
俺がそういうと、桜子さんはゆっくりと
左手を伸ばしてきた。
指先が何かに当たると、掌らを広げて、
透明な壁を押すような動作をしていた。
「本当だわ。すごいわね、
これが結界というものかしら。
でも、残念だわ、出来れば早いうちに
お話ししておきたかったのだけれど。
さつき、先言っていた大丈夫な時に
また連絡くれるかしら。
鞍馬さん、また日を改めて
伺わせて頂きますね。
そうそう、もし、向こうの世界で
楓に出会うことがあったら、
年に一度くらいは連絡ちょうだいって
伝えてもらえると嬉しいわ。
では、これで失礼しますわ。」
ゆっくりとした動作でお辞儀をして
桜子さんは車に戻って、
静かなモーター音を残して
山道を下って行った。
「あー、貴船さん、何かごめんなさい。
って言うか、お母さんは
結界とか感じても、何か反応が
思っていたよりも大きくなかったですね。」
「そうねぇ、今にして思えば、
昔ここに遊びに来る度に
楓叔母さんのおとぎ話みたいな
冒険譚をよく聞かされていたけれど、
本当の話だったみたいね。
それにしても、守護者かぁ。
ずっと前にお母さんがうちの家系には、
昔秘密の役割があったけど、
今では形だけで重要じゃなくなったって
言っていたことがあるわ。
楓叔母さんは外国で静養しているって
聞いていたけど、異世界に行ってたのね。」
「その楓叔母さんの話だけど、
俺にも聞かせてもらっていいですか?」
「いいわよ、でも今日は女神様達のお話を
いっぱい聞かせてもらいましょ。
戻りましょうか。」
俺とさつきさんは家に戻ると、
奥の広間でヘスティア様、シロミズチ様と
談笑しているココと合流した。
シルバは安心したのか、
いつも通りのウトウトモードだ。
程よい温かさがあってシルバを抱っこしていると
俺も癒される感じがする。
「さつきのお母さんだったのね。
ここにいてもカケル君を通して、
私とシロミズチには見聞きできていたわ。
運命って奇遇だけれど、
必然的なところもあるのよね。
一つ教えてあげると、
カケル君達の叔母の楓は元気でいるわ。
きっとそのうち会えるわよ。
そうそう、私温泉が好きなのよね。
ここのお湯なんだけど、
温泉にしていいかしら?」
「えっ!?
それは是非お願いしたいですけど、
温水タンクに普通の湧き水を
引き込んでるから、分けないとダメですね。
お風呂だけ別のタンクいるなぁ。」
「鞍馬君、それはお勧めしないわね。
温泉のタンクはメンテが大変なのよ。
源泉からの引き込みでも
配管が詰まったりするから、
何にしても温泉はノーメンテって
訳にいかないの。」
「ふむ、それは我の力で何とかなろう。
この地の奥深くから湧き出る湯を
直接湯船に溜められるように
繋ぐことができるのだ。
我もヘスティア様と
同じく温泉が好きなのだ。
それくらいの助力はさせてもらおう。
良いかな?」
「あっ、それなら厚かましいんですけど、
もう一ついいですか?
温泉を少し溜められるような手洗い場にも
繋げられますか?
温泉卵とか作れると思うので。」
「おお、あれは美味であるな。
お安い御用だ、早速繋ごう。」
みんなも温泉好きなのか、全員でいそいそと
風呂場に移動して、見学することになった。
シロミズチ様が腕が入るくらいの
黒い空間を作り出すと、
そこから湯気を濛々と上げて温泉が
溢れ出してきた。
「うわっ!すごい!
お湯もやや熱めだけどいい温度ですね。
この勢いだともう入れそうですね。」
そう言って、後ろを振り返ると服を脱ぎ始めた
二人の女神がいた。
メイドさん達に笑顔でお風呂から追い出されて、
女性陣は温泉に浸かるようだ。
と思ったら、シフォンさんはすぐに出てきて、
お風呂上がりの飲み物と軽食を用意するそうだ。
指一本で出来るパンケーキをお勧めしたら、
その上にトッピングをしたいと言ってきた。
貴船さんが買い込んできたものの中に
調味料が色々あったので、
一つ一つ説明していくことにした。
ホットミルクにバニラ香料を入れたものとか
蜂蜜と黒糖を混ぜてパンケーキにかけるとか
いろいろなレシピをタブレットのアプリで
見せてあげると、食い入るように
チェックを始めていた。
味がイメージできないものがあるようで、
途中何度かあれこれ聞かれたけど、
一生懸命美味しいものを作ろうと
考えてくれている熱意が伝わってきて、
何かすごいなと思ってしまった。
シフォンさんは何か俺に聞く時に
腕のあたりに手を触れながら聞いてくるので
ちょっとドキドキしたのは内緒。
シルバは途中で完全におねむになったので、
キッチン横の俺達の部屋で布団をひいてやって
スースーと寝息と立てている。
俺はシフォンさんと一緒に、パンケーキの
フルーツトッピングの手伝いをした。
大きめの鍋で牛乳を温めて香料を
散らしたらいい匂いがしてきた。
たまには料理するのも
悪くないなと思ってしまった。
ちょうどシフォンさんが
カップはどこにあるのでしょうかと
腕に触れながら聞いてきた時だった。
(ピロン
調理の心得のスキルを獲得しました。
共有獲得が可能です。
共有しますか?
新たなジョブを獲得しました。
調理士のジョブを共有獲得できます。
追加選択しますか?)
えっ?調理の心得?
いや、俺は指一本でいいんだけど、
いらないかな。
と思ったら、
超興奮しているシフォンさんから
ス、スキル!ジョ、ジョブ!!って
腕をしっかり掴まれながら迫られたので
勢いで共有獲得、追加選択してしまった。
興奮したシフォンさんの顔が
すっごい近くまで迫ってきていたので、
ものすごくドキドキしたのは内緒。
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