無情の電脳傭兵 異世界で再起動する

graypersona

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勇者

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ネコ獣人族の村の拠点内で話し合うセブン、サラ、カイであったが、
不意にカイが声を上げた。

 「はっ!思い違いがあります!
  迂闊でした、勇者はまだいます。
  アトランティス帝国には、
  あの空母を錬成した別の勇者がいると想定されます。

  これは推測に過ぎませんが、よろしいでしょうか?
  その勇者は私達のいた時代とは異なる、もしくは
  別の並行世界から異界召喚された勇者だとすれば、
  あの艦しか錬成出来なかったことが頷けます。

  この推測が正しければ、あの空母の艦載機が
  ヒト族の王都を空爆したとの考えに結びつきます。」

 
 「そうね、バグドローンには明らかにミサイル様のもので
  爆撃を受けている様子が最後に届いていたから
  私もその想定はあっていると思うのだわ。」

サラが少し嫌そうな表情でそう肯定した。

 「そうか、人族の召喚した勇者は俺が手に掛けたけど
  あの空母はアトランティス帝国から来たんだったな。
  それに確かに空母なのに艦載機が0だった。

  ・・・これヤバくないか?
  カーラ、対空監視用のバグドローン多めに出してくれ!
  海の時と同じで認識阻害魔法かけて高高度から来る可能性もある。

  くそっ!」

 「落ち着きなさいセブン。まだ攻撃を受けたわけではないのだわ。
  間に合うわ、あなたの錬成でね。」

 「そうか、そうだった。こっちも増やせばいいんだ。
  アタッカータイプのドローンを錬成して対空監視に充てよう。
  
  やっぱ、アトランティス帝国には観光に行く必要あると思うんだけど?」

 「それには及ばないと思いますが、セブン様。
  向こうも沈められたことを理解してここに攻め込んでくるというのなら、
  件の勇者も直接乗り込んでくるかと。確実に仕留める為に。」

 「そうだな、となると王都にも乗り込んできてたのか。
  とにかく、対空戦の準備だけは進めておくよ。」

 「それも必要なのだけれど、おそらく上陸して侵攻してくると
  考えると、時間がかかっていることが辻褄が合うのだわ。
  戦車軍団との地対地戦の準備をすることもお勧めするわ。」

 「すべてオートプログラムでAIリンクをお願いします。
  地上戦は私にお任せください。」


 「フライングユニットの錬成は出来なかったのよね?
  となると、空中戦はセブンにお任せするとして
  対空砲は私が担当するわ。」


 「じゃあ、ボクはこの村に防御結界を張るよ。」

 「クロ?起きてたのか?っていうか魔法使えるのか?」

 「うん、秘密だけど女神様の加護の力なんだ。
  攻撃は参加できないけど守る方頑張るね。」

 「うん、お願いしようか、手は多い方が安全だしな。
  ただ、村の人達には連中が来たらこの拠点に避難してもらおう。
  あの金剛陣も使えるだろうし。」

 「あ、その神鋼の金剛陣なんだけど、闇魔法は通過するよって
  女神様が気をつけてねって言ってたよ。」

 「最初に教えといてくれよな、そういう大事なことは、
  全くあの女神さん大丈夫かな。」

 「セブン、女神様に失礼よ。過分な力も授けて下さっているだけでも
  感謝するべきなのだわ。」

 
クロは起きてくるまでの間、神界に意識を飛ばして
女神ノルンの前でセブン達の行動の話をしていた。

それを聞き終えたノルンはクロにこう言っていた。
  
 「今度は厄介な相手だわ。
  大地の神ガイアの加護を持っているわ。
  どんな魔法を使ってくるか分からないから
  私でも先が確定して視えないわ。
  かなり厳しい戦いになりそうだわ。

  クロ、あなたには絶対防御の魔法の行使を許可します。
  守り切りなさい。
  彼らもあなたと同じ私の神徒なのだから、協力して
  この運命を塗り替えて。
  決まり切った運命なんてないのよ。
  どんなに絶望的な状況になったとしても、
  諦めたらそこでお終いよ。
  必ず切り開けるから、持てる力を全部使って戦い抜いて。」

クロはその内容をセブン達に話して聞かせるのだった。

 「そうか、ヤバそうなんだな。
  サラ、聞きたいことがあるんだ。
   超加速 モードって何で禁則事項の上、
  御丁寧にロックかかってるんだ?」

 「それだけは使わないで欲しいの。
  ロックは私がかけたの。

  そのシステムを組み込んだのは私なの、ううん、
  組みこまされたの。
  電脳の制御チップなのだけれど、使うとあなたは死ぬわ。

  電脳はオーバークロックで処理速度が1.5倍に跳ね上がって、
  反応炉はリミッターを外してオーバーパワーで
  稼働出来るようになって一時的に強くなるだけなの。

  すぐに全身オーバーヒートで回路も脳も焼けてしまうの。
  だから、ロックを掛けたの。
  
  あなた以外の電脳兵が廃棄になった原因は
  この超加速の影響もあるの。
  お願い、使わないで。」

 「そっか、使う時は死ぬ時か。
  まだ、やることいっぱい残ってるし使うわけにはいかないな。」

 「その必要のないように備えましょう。」

 「地上戦の布陣ですが、提案がございます。」

作戦会議は小一時間かけて行い、
その後各自持ち場について用意を始めていた。



人族の王都では、陸戦部隊が投入され、魚人戦士達が
マシンガンを撃ちまくりながら、殲滅戦を行なっていた。
街並みは、空爆と戦車の砲撃で無残な姿に変貌していた。

 「手応えねぇなぁ、こっちの世界の連中って
  魔法なかったら中世レベルだし無理もないか。」

セブンに似た服装のこの男、元フランス外人部隊の
戦士だ。入隊時に名を変えており、この世界でも
偽名で通している。

 「潜水艇と空母をやった奴はいそうにないな。
  空爆でやれたとも思えんしな。
  この先の水場を探して潰すうちに当たるかな。
  こいつを使うレベルの奴と早く戦ってみたいもんだ。
  まぁ、瞬殺だろうけどな、はっはっは。」

その男は巨大なハンマーのようなものを
右肩に乗せて不敵な笑みを浮かべていた。
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