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「さぁ、次が最後よ。
簡単だと言えば簡単で、最も難しいと言えば難しい、
そんな世界で起こっている事の解決よ。
今の貴方には厳しいと思うわ。
でも、やり遂げてほしいと思うの。
どんな世界にも過去からの積み重ねで
今が存在出来ていて、今努力をすることで
さらに未来へ繋がってゆくものなの。
その世界を見ていた神は・・・
見てきた方が早いわね。
行ってらっしゃい。」
白い靄の中から少し憂いた響きを籠らせた声がした。
虹色に輝く魔法陣すら少し悲しげに映るほどだ。
「何かキツそうだな。
ベルザンディに笑顔が戻るように
頑張ってみますか。
オーダー アクセプト
ノルンズ マーセナリー
セブン出撃する。」
虹色の靄を纏った電脳兵のセブンが
魔法陣に吸い込まれていった。
その世界は滅びの歌が響き渡っていた。
巨大大陸のほとんどは古の巨人スルトの放った
炎の剣の一撃で焼け落ちていた。
神狼フェンリルは主神オーディンを噛み殺したが、
彼の子らに討たれていた。
世界蛇ヨルムンガンドは大地を津波で洗った後、
上陸して暴れ神々と相討ちになっていた。
世界樹もスルトの炎の剣の一撃を受けて、
今やもうもうと燃え上がり、
焼け落ちるのをただ見ているほかに
手立てがない状況になっていた。
東の海からは古の巨人たちが大挙して押し寄せ、
上陸を始めていた。
そこへスクルド率いるバルキュリヤの軍団が、
ヴァルハラの門を開き、鍛え上げた戦士達を
地上へ解き放ち迎え打とうとしていた。
絶望に染まるそんな世界の片隅に
虹色の靄を纏って地上付近に降り立ったものがいた。
(いきなり激闘の状況下ですか。
どこから手を出していいのやら。
選択することになるっていってたけど、
その余地がどこにもないんだけど。)
少し先の方に巨大な火柱をあげるものが確認できた。
その巨大な木はデータによると世界樹と出た。
スラスターを吹かせて一気に接近して行ったが、
既視感のある森はすでに炭化しているものが多く、
大きな木がまだ燃えているような悲惨な状況だった。
(周辺に生命反応がない。
魔獣すらいないのか?
着いた!世界樹の根元はまだ緑がある!
間に合え!)
見覚えのある種族、森人族が必死に結界を張って
世界樹を守っているようだ。
黒い靄の巨人のようなものを相手に
激闘しているようだ。
遠目に見てもかなりの被害が出ているようだ。
「好きにさせるか!
セブン、介入するっ!」
『待ちなさいっ!
冷静になって!
どちらに加担するというの?
この状況で選択するのはまだ早いわ。
この戦いの始まるきっかけを
貴方はしっかりと理解した上で
介入する選択をするべきよ。
一旦情報を精査してみて。
それから貴方が下した選択なら
もう止めないわ。』
くっ。確かにベルザンディの言う通りかもしれない。
バグドローンを放ち、情報収集を始めつつ、
ステルスモードのままで世界樹の根元まで接近したのだった。
(そ、そんなっ!そんなことってあるのかよっ!
この世界を古の巨人達から今の神々が奪い取ったなんて。
そんなバカな話が・・・。
これは復讐だというのか。
これじゃあ、どっちにも加担できないな。
違うのか、選ばなくてはいけないのか。
いや、何を悩んでいるんだ俺は。)
スッと表情を消したセブンは、ステルスモードを解いて
世界樹の根元で倒れている見覚えのある2人の女性に
近づくと声をかけた。
「あーこんにちはって感じじゃないけど、
こんにちは かな。
俺は、傭兵「「武人っ!!」」のって、
分かるの?俺が?」
「どうして武人がここにいるのです?
ここは貴方のいていい世界ではありません。
すぐに立ち去りなさい。
この世界はもうすぐ滅びます。
急ぎなさい。
貴方の力はここではない世界で
助けを待つ人たちに使うべきだわ。
もうこの世界には人が生き残っていないの。」
「そうね、武人には相応しくないわね。
おそらく次元航行で渡ってきたのでしょうけど、
ここは貴方が来なかった場合のもう一つの世界だわ。
見捨ててちょうだい。
私達はここで滅ぶ運命なのだわ。」
「その運命に抗いたいから、
そんな悲しい顔をされているんじゃないですか?
運命の女神様が2人して悲しむ姿は
人には見せられないですよ。
さて、俺は仕事に来ました。
どこかで助けを求めるものがいれば、
傭兵として全力で頑張らせてもらいますが、
どこかにいらっしゃいませんかね?
っと、お二人の女神様から救いを求める思いが
その綺麗なお顔からしっかりと伝わってきました。
確かに承りましたよ。
選択の余地なんて俺には最初からないのと同じですね。
お任せください。貴女方の笑顔を取り戻すと約束します。
オーダー アクセプト
ノルンズ マーセナリー
セブン出撃するっ!!」
「武人!だめよ!
貴方はここで間違った選択をしたら、
最悪の場合、戻れなくなるのよ!
落ち着いて!
戻りなさい、武人!
いくら何でも貴方一人で勝てる相手ではないわ!」
(結果は勝利すると決まっていますので、ご安心を。
なに、勝つまで戦うだけのことですよ。)
飛び立ちながら念話でそう返事をして黒い靄に迷うことなく
立ち向かってゆく一人の電脳傭兵の後ろ姿を女神達は
ただ見送ることしか出来なかった。
いや、二人の女神は座り直し、両手を組んで願いを込めて、
一心に祈り始めたのだった。
『武人、どうか無事に。
そしてどうかこの世界を救ってください。』
簡単だと言えば簡単で、最も難しいと言えば難しい、
そんな世界で起こっている事の解決よ。
今の貴方には厳しいと思うわ。
でも、やり遂げてほしいと思うの。
どんな世界にも過去からの積み重ねで
今が存在出来ていて、今努力をすることで
さらに未来へ繋がってゆくものなの。
その世界を見ていた神は・・・
見てきた方が早いわね。
行ってらっしゃい。」
白い靄の中から少し憂いた響きを籠らせた声がした。
虹色に輝く魔法陣すら少し悲しげに映るほどだ。
「何かキツそうだな。
ベルザンディに笑顔が戻るように
頑張ってみますか。
オーダー アクセプト
ノルンズ マーセナリー
セブン出撃する。」
虹色の靄を纏った電脳兵のセブンが
魔法陣に吸い込まれていった。
その世界は滅びの歌が響き渡っていた。
巨大大陸のほとんどは古の巨人スルトの放った
炎の剣の一撃で焼け落ちていた。
神狼フェンリルは主神オーディンを噛み殺したが、
彼の子らに討たれていた。
世界蛇ヨルムンガンドは大地を津波で洗った後、
上陸して暴れ神々と相討ちになっていた。
世界樹もスルトの炎の剣の一撃を受けて、
今やもうもうと燃え上がり、
焼け落ちるのをただ見ているほかに
手立てがない状況になっていた。
東の海からは古の巨人たちが大挙して押し寄せ、
上陸を始めていた。
そこへスクルド率いるバルキュリヤの軍団が、
ヴァルハラの門を開き、鍛え上げた戦士達を
地上へ解き放ち迎え打とうとしていた。
絶望に染まるそんな世界の片隅に
虹色の靄を纏って地上付近に降り立ったものがいた。
(いきなり激闘の状況下ですか。
どこから手を出していいのやら。
選択することになるっていってたけど、
その余地がどこにもないんだけど。)
少し先の方に巨大な火柱をあげるものが確認できた。
その巨大な木はデータによると世界樹と出た。
スラスターを吹かせて一気に接近して行ったが、
既視感のある森はすでに炭化しているものが多く、
大きな木がまだ燃えているような悲惨な状況だった。
(周辺に生命反応がない。
魔獣すらいないのか?
着いた!世界樹の根元はまだ緑がある!
間に合え!)
見覚えのある種族、森人族が必死に結界を張って
世界樹を守っているようだ。
黒い靄の巨人のようなものを相手に
激闘しているようだ。
遠目に見てもかなりの被害が出ているようだ。
「好きにさせるか!
セブン、介入するっ!」
『待ちなさいっ!
冷静になって!
どちらに加担するというの?
この状況で選択するのはまだ早いわ。
この戦いの始まるきっかけを
貴方はしっかりと理解した上で
介入する選択をするべきよ。
一旦情報を精査してみて。
それから貴方が下した選択なら
もう止めないわ。』
くっ。確かにベルザンディの言う通りかもしれない。
バグドローンを放ち、情報収集を始めつつ、
ステルスモードのままで世界樹の根元まで接近したのだった。
(そ、そんなっ!そんなことってあるのかよっ!
この世界を古の巨人達から今の神々が奪い取ったなんて。
そんなバカな話が・・・。
これは復讐だというのか。
これじゃあ、どっちにも加担できないな。
違うのか、選ばなくてはいけないのか。
いや、何を悩んでいるんだ俺は。)
スッと表情を消したセブンは、ステルスモードを解いて
世界樹の根元で倒れている見覚えのある2人の女性に
近づくと声をかけた。
「あーこんにちはって感じじゃないけど、
こんにちは かな。
俺は、傭兵「「武人っ!!」」のって、
分かるの?俺が?」
「どうして武人がここにいるのです?
ここは貴方のいていい世界ではありません。
すぐに立ち去りなさい。
この世界はもうすぐ滅びます。
急ぎなさい。
貴方の力はここではない世界で
助けを待つ人たちに使うべきだわ。
もうこの世界には人が生き残っていないの。」
「そうね、武人には相応しくないわね。
おそらく次元航行で渡ってきたのでしょうけど、
ここは貴方が来なかった場合のもう一つの世界だわ。
見捨ててちょうだい。
私達はここで滅ぶ運命なのだわ。」
「その運命に抗いたいから、
そんな悲しい顔をされているんじゃないですか?
運命の女神様が2人して悲しむ姿は
人には見せられないですよ。
さて、俺は仕事に来ました。
どこかで助けを求めるものがいれば、
傭兵として全力で頑張らせてもらいますが、
どこかにいらっしゃいませんかね?
っと、お二人の女神様から救いを求める思いが
その綺麗なお顔からしっかりと伝わってきました。
確かに承りましたよ。
選択の余地なんて俺には最初からないのと同じですね。
お任せください。貴女方の笑顔を取り戻すと約束します。
オーダー アクセプト
ノルンズ マーセナリー
セブン出撃するっ!!」
「武人!だめよ!
貴方はここで間違った選択をしたら、
最悪の場合、戻れなくなるのよ!
落ち着いて!
戻りなさい、武人!
いくら何でも貴方一人で勝てる相手ではないわ!」
(結果は勝利すると決まっていますので、ご安心を。
なに、勝つまで戦うだけのことですよ。)
飛び立ちながら念話でそう返事をして黒い靄に迷うことなく
立ち向かってゆく一人の電脳傭兵の後ろ姿を女神達は
ただ見送ることしか出来なかった。
いや、二人の女神は座り直し、両手を組んで願いを込めて、
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