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番外編 王女様は癒されたい
03 姫様だって癒されたい
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ごくりと喉が鳴る。
ヒルデガルドが夜にお忍びでやってきたこんな状況で、本気でこのまま眠れるなんて思っていない。
というか彼がなにをどう思おうが、結局は姫様の仰せのとおりになるのである。
そんな彼女の押しの強さすら可愛く思えてしまうのだから、惚れた弱みとは恐ろしい。
「ん……さっきのよかった。よしよしして」
「へぁ?」
「よしよし! なさいよ!!」
気位の高い猫のような言動に苦笑して、ぐりぐりと頬を押し付けてくるヒルデガルドの頭をそっと撫でる。
人一倍能力の高いヒルデガルドのことだ。他方から完璧を求められ、常に気を張らねばならない王族の暮らしは、ベイルが思うよりも精神的な消耗が激しいのだろう。
「はいはい。酔ったらそんな感じになるんですねあなたは。俺以外に甘えられるなんてたまったもんじゃないんで、普段は酔うほど飲んじゃダメですよ」
「だから酔ってないってぇ……」
「はいはい、そーでした」
小さな身体を抱き寄せ、髪を梳き地肌を撫でる。
それだけのことで、うっとりと目を閉じるヒルデガルドが愛おしい。
「ちょっとね、ここ数日考えることが多くて……あなたも会いに来てくれないし。少し、いっぱいいっぱいになって」
「ひめさ……」
「だから、わたくしを癒して?」
「ん?」
そう言って、ヒルデガルドはベイルの胸を下から掴み、遠慮なく揉み始めた。
「ちょいちょい! なに……お、男の乳なんて揉んでも面白くないでしょうが!」
「ベイルの雄っぱいはふかふかよ♡」
「やめなさいってば!」
無理やり引き剥がそうとすれば、ベイルの姫様は瞳にたっぷりの涙をためる。
そして、哀れみを誘うように彼を見上げるのだ。
「ベイルに癒されたいだけなのに……」
「ぐぅっ」
繰り返すが、ベイルも相当に姫様に惚れ込んでいるわけである。
だから舌なめずりをしているとわかっていながら、結局全てを許してしまうのだが。
「ちょっとだけだから、ね?」
「そう言ってちょっとだった試しってないんですけど……っ!」
ベイルの反論を無視して、ヒルデガルドは彼の合わせになっている寝衣の胸元を大きく開く。そしてその勢いのまま、慎ましく鎮座するベイルの乳嘴にぱくりと食いついた。
「へぁっ?! な、なにを」
「じっとしてて」
ヒルデガルドはその小さな突起へ舌を押し付けた。
ぬるぬるとたっぷりの唾液を塗りつけてから、固く尖らせた舌先で押し込んでは弾く。そして口のなかへ引き入れて、ちゅぱちゅぱと音をたてて吸い付いた。
その間、右手はもう片方の雄っぱいへ、左手は当然のごとく臀部に添えられている。もちろん、両手ともそれは卑猥にさわさわと動いていて。
「はぁ……いやし……」
「????」
「んッ……ねぇ、きもちいい?」
されるがまま状態のベイルである。
そこへの刺激は、気持ちいいかと聞かれればそうでもない。むしろ擽ったさが勝ってしまう。
けれども普段は他の者をかしずかせているヒルデガルドが、今は顔を赤らめながらベイルの身体を愛撫しているというこの状況に、彼の劣情は存分に刺激されていく。
「っ、俺は、こっちの方がいいですけど」
腹に押し付けられ、潰れてしまっている彼女の胸を大きな手で撫でた。
身体を隠すには頼りない布切れの隙間から指を差し込んで、見つけだした乳嘴を二本の指でつまむ。
「あんっ! っは……だめよ、今日はわたくしが」
「姫さんのトロ顔好きなんで、俺も触ってていいですよね……?」
「ンっ、ちょっとだけ、よ?」
小さく喘ぎながら、ヒルデガルドはベイルの大胸筋を思う存分味わっている。片手で揉みしだき、見せつけるようにもう片方を赤い舌でチロチロと弾くさまは、いっそ煽情的だ。
だがいつもなら自身がヒルデガルドの豊満な身体を可愛がっているはずなのに。もっと彼女の善がり乱れる姿を目にしたくて、ヒルデガルドの胸の先を、少々力を込めて引っ張った。
「んぁ……っ! やぁんっ、だめ、ベイル……もうお触りは、禁止よ」
「っすみません、でもこれくらいなら……許してくれます?」
「ぁっ……! んっ、やめ……」
「ほら、どうぞお好きに」
人差し指で乳嘴を捏ねれば、ヒルデガルドはますます蕩けた表情を見せ、ベイルの身体をまさぐっていく。
何度もリップ音を立てて胸へ腹へと吸い付いて、身体中に所有の証を刻んでいった。
ヒルデガルドが夜にお忍びでやってきたこんな状況で、本気でこのまま眠れるなんて思っていない。
というか彼がなにをどう思おうが、結局は姫様の仰せのとおりになるのである。
そんな彼女の押しの強さすら可愛く思えてしまうのだから、惚れた弱みとは恐ろしい。
「ん……さっきのよかった。よしよしして」
「へぁ?」
「よしよし! なさいよ!!」
気位の高い猫のような言動に苦笑して、ぐりぐりと頬を押し付けてくるヒルデガルドの頭をそっと撫でる。
人一倍能力の高いヒルデガルドのことだ。他方から完璧を求められ、常に気を張らねばならない王族の暮らしは、ベイルが思うよりも精神的な消耗が激しいのだろう。
「はいはい。酔ったらそんな感じになるんですねあなたは。俺以外に甘えられるなんてたまったもんじゃないんで、普段は酔うほど飲んじゃダメですよ」
「だから酔ってないってぇ……」
「はいはい、そーでした」
小さな身体を抱き寄せ、髪を梳き地肌を撫でる。
それだけのことで、うっとりと目を閉じるヒルデガルドが愛おしい。
「ちょっとね、ここ数日考えることが多くて……あなたも会いに来てくれないし。少し、いっぱいいっぱいになって」
「ひめさ……」
「だから、わたくしを癒して?」
「ん?」
そう言って、ヒルデガルドはベイルの胸を下から掴み、遠慮なく揉み始めた。
「ちょいちょい! なに……お、男の乳なんて揉んでも面白くないでしょうが!」
「ベイルの雄っぱいはふかふかよ♡」
「やめなさいってば!」
無理やり引き剥がそうとすれば、ベイルの姫様は瞳にたっぷりの涙をためる。
そして、哀れみを誘うように彼を見上げるのだ。
「ベイルに癒されたいだけなのに……」
「ぐぅっ」
繰り返すが、ベイルも相当に姫様に惚れ込んでいるわけである。
だから舌なめずりをしているとわかっていながら、結局全てを許してしまうのだが。
「ちょっとだけだから、ね?」
「そう言ってちょっとだった試しってないんですけど……っ!」
ベイルの反論を無視して、ヒルデガルドは彼の合わせになっている寝衣の胸元を大きく開く。そしてその勢いのまま、慎ましく鎮座するベイルの乳嘴にぱくりと食いついた。
「へぁっ?! な、なにを」
「じっとしてて」
ヒルデガルドはその小さな突起へ舌を押し付けた。
ぬるぬるとたっぷりの唾液を塗りつけてから、固く尖らせた舌先で押し込んでは弾く。そして口のなかへ引き入れて、ちゅぱちゅぱと音をたてて吸い付いた。
その間、右手はもう片方の雄っぱいへ、左手は当然のごとく臀部に添えられている。もちろん、両手ともそれは卑猥にさわさわと動いていて。
「はぁ……いやし……」
「????」
「んッ……ねぇ、きもちいい?」
されるがまま状態のベイルである。
そこへの刺激は、気持ちいいかと聞かれればそうでもない。むしろ擽ったさが勝ってしまう。
けれども普段は他の者をかしずかせているヒルデガルドが、今は顔を赤らめながらベイルの身体を愛撫しているというこの状況に、彼の劣情は存分に刺激されていく。
「っ、俺は、こっちの方がいいですけど」
腹に押し付けられ、潰れてしまっている彼女の胸を大きな手で撫でた。
身体を隠すには頼りない布切れの隙間から指を差し込んで、見つけだした乳嘴を二本の指でつまむ。
「あんっ! っは……だめよ、今日はわたくしが」
「姫さんのトロ顔好きなんで、俺も触ってていいですよね……?」
「ンっ、ちょっとだけ、よ?」
小さく喘ぎながら、ヒルデガルドはベイルの大胸筋を思う存分味わっている。片手で揉みしだき、見せつけるようにもう片方を赤い舌でチロチロと弾くさまは、いっそ煽情的だ。
だがいつもなら自身がヒルデガルドの豊満な身体を可愛がっているはずなのに。もっと彼女の善がり乱れる姿を目にしたくて、ヒルデガルドの胸の先を、少々力を込めて引っ張った。
「んぁ……っ! やぁんっ、だめ、ベイル……もうお触りは、禁止よ」
「っすみません、でもこれくらいなら……許してくれます?」
「ぁっ……! んっ、やめ……」
「ほら、どうぞお好きに」
人差し指で乳嘴を捏ねれば、ヒルデガルドはますます蕩けた表情を見せ、ベイルの身体をまさぐっていく。
何度もリップ音を立てて胸へ腹へと吸い付いて、身体中に所有の証を刻んでいった。
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