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赤い目と黒い瞳
第7話 名前
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なんか、久しぶりにものすごく目覚めがいい気がする。
慣れない部屋、慣れない布団、慣れない枕。
そのはずなのに、何故か今までで一番いい眠りに入れたような気がする。
体を起こす時も、雲の上にいるように軽い。
頭もすっきりしている。
「んーー!!」
伸びをして、立ちあがり布団を畳む。
服を着替え、机に向かって座った。
いつもならここでお食事の時間まで本を読むのだが、ここには壁を追いつく程の本棚はない。
もちろん、持ってきていない。
持ってこようと思ったのだけれど、父に置いて行きなさいと言われてしまったのだ。
だから、こういう時どのように時間を過ごせばいいのかわからない。
天井を見上げぼ~っとしていると、襖から声が聞こえた。
『おはようございます、美月様。起きていらっしゃるでしょうか』
「起きています、おはようございます」
返事をすると、襖が開かれた。
そこには、一人の女中が笑みを浮かべ頭を下げた。
「これからお食事のお時間です。お部屋で雅様がお待ちですよ」
「わかりました、わざわざありがとうございます」
立ち上がり、部屋を後にする。
女中について行き、雅様の部屋まで移動した。
声をかけると、中から昨日と変わらない、凛々しい声が聞こえた。
襖を開けると、お美しい姿の雅様が出迎えてくれる。
中に入り、準備されているお食事の前に座る。
雅様は、何故か私をジィ~と見る。
な、なんでしょうか。
襖を閉めようとしている女中がクスクス笑っているような気がするのは、気のせいでしょうか。
「早く行け」
「申し訳ありません」
笑いながら女中は襖を閉めた。
なぜ、笑っていたのでしょうか。
そう言えば、昨日も女中が笑っていた。
な、なんだろう。私だけがわからない。
「……おい」
「はい」
「…………なんでもない」
「は、はい」
? なんだろう。
雅様、何か言いたげにしていたけれど、結局何も言わなかった。
ここで追及しても失礼だし、雅様が言いたくなった時に御聞かせ願えればかと。
それまで、私は待ちますよ。
そこからは、静かにお食事を堪能する。
「御馳走様でした」
「あぁ」
廊下で待っていたのかという程、絶妙なタイミングで女中が襖を開けた。
食事のお盆を下げ、また二人だけの空間となる。
ど、どうすればいいのかな。
何か話す? でも、何を?
私から口を開くのも失礼ではないのか。
色々と考えていると、雅様がまた声をかけてくれた。
「おい」
「はい」
「…………ぐうぅ……」
「え、だ、大丈夫ですか雅様!!」
「問題ない。…………み、みつ……」
みつ? え、はちみつとかが欲しいのでしょうか。
でも、先ほどお食事をとったばかり、まだお腹が空いているのでしょうか。
え、えぇ、どうしよう。
どうすればいいの!?
何故か項垂れている雅様に触れてもいいのか、背中をさすってもいいのか。
く、苦しそう、苦しそうなので……失礼をお許しください!
「っ、貴様……」
「し、失礼をお許しください。あの、苦しそうでしたので、お背中を撫でた方が少しは楽になるかなと思いまして……」
背中を撫でると、雅様は顔を上げ私を見る。
怒ってしまったでしょうか。勝手に触るななどと、思っているでしょうか。
でも、心配で……。
「――――もう大丈夫だ、礼を言う」
「い、いえ。本当に大丈夫ですか? ご無理だけはなさらないでください」
手を離すと、雅様は体勢を整えた。
「体調は特に問題ない。ただ、思っていた以上に難しいと思ってな」
「何がでしょうか?」
「…………名前」
「え? な、名前?」
あっ、雅様が気まずそうに顔を逸らしてしまった。
なんとなく、頬が赤い気がする。
「名前を、呼ぼうとしたのだが、難しかった……」
「え、お名前を、ですか? 私の?」
「それ以外に誰がいる。お前以外の奴など、名前で呼ぶ価値はない」
それはいかがなものでしょうか。
しかも、そんな凛々しい顔で言わないでください。なんとなく、否定しにくいです。
「貴様は嫁になるのだ。名前くらい呼べなければ夫婦とは言えん。だが、いざ呼ぼうとすると緊張してな。ここまで心臓が暴れた事はない」
肩を落とし、しょぼんと落ち込んでいる雅様。
――――か、可愛い!!
か、顔が赤いのって、照れていたという事でしょうか!
…………え、照れてる? 私なんかに?
家族に追い出され、虐げられていた私に、雅様はそのような感情を持ってくださるのですか?
「もっとかっこよく決めたかったのだが、悪い……。逆に、かっこ悪い姿を見せてしまった」
「い、いえ。あの、う、嬉しいです! そのように考えてくださっただけでも、私は、ものすごく嬉しいです雅様!」
気持ちをそのまま伝えると、何故かわからないけれど雅様が頬を膨らませてしまった。
ま、まさか、私はまた無礼を!?
「貴様は、そんな簡単に名前が呼べるのだな」
「へ? はっ!!」
し、しまった。
なんて私、ご無礼な事を……。
嬉しすぎて、そのまま口にしてしまいました。
「俺様ももっと精進せねば――何をしている」
咄嗟に頭を深々と下げて土下座してしまった。
「い、いえ、嬉しかったとはいえ、わ、私のような女に名前を呼ばれて不快に感じましたよね。申しわけありません。申し訳、ありません。あ、あの、貴方様のお好きなようにお申し付けください」
私の馬鹿私の馬鹿私の馬鹿。
なんて言われても受け止めないと……。
「い、いや。名前を呼び合う仲になりたいと言っているのだが……」
「そ、そうですよね。私なんぞに名前など呼ばれたくなんか……へ?」
思わず顔を上げると、雅様は口元を抑え、肩を震わせている。
な、なんでしょうか。
「――――クククッ。どこまで緊張しているのだ、美月よ。面白い女だな」
笑った、あの、冷酷無情と言われた雅様が、私の前で、笑った。
しかも、名前を呼んだ。私の、名前を――……
「? どうした」
「今、雅様、お名前を……」
「ん? 名前?」
「名前を、呼んでください、ました」
私が言うと、雅様はまたしても口元を右手で押さえた。
頬を染め、「誠か?」と、聞いて来る。
頷くと、笑顔と共に安堵の息を吐いた。
「それなら、良かった」
無邪気に笑う、雅様。
か、可愛いです……。私が、打ち抜かれました……。
慣れない部屋、慣れない布団、慣れない枕。
そのはずなのに、何故か今までで一番いい眠りに入れたような気がする。
体を起こす時も、雲の上にいるように軽い。
頭もすっきりしている。
「んーー!!」
伸びをして、立ちあがり布団を畳む。
服を着替え、机に向かって座った。
いつもならここでお食事の時間まで本を読むのだが、ここには壁を追いつく程の本棚はない。
もちろん、持ってきていない。
持ってこようと思ったのだけれど、父に置いて行きなさいと言われてしまったのだ。
だから、こういう時どのように時間を過ごせばいいのかわからない。
天井を見上げぼ~っとしていると、襖から声が聞こえた。
『おはようございます、美月様。起きていらっしゃるでしょうか』
「起きています、おはようございます」
返事をすると、襖が開かれた。
そこには、一人の女中が笑みを浮かべ頭を下げた。
「これからお食事のお時間です。お部屋で雅様がお待ちですよ」
「わかりました、わざわざありがとうございます」
立ち上がり、部屋を後にする。
女中について行き、雅様の部屋まで移動した。
声をかけると、中から昨日と変わらない、凛々しい声が聞こえた。
襖を開けると、お美しい姿の雅様が出迎えてくれる。
中に入り、準備されているお食事の前に座る。
雅様は、何故か私をジィ~と見る。
な、なんでしょうか。
襖を閉めようとしている女中がクスクス笑っているような気がするのは、気のせいでしょうか。
「早く行け」
「申し訳ありません」
笑いながら女中は襖を閉めた。
なぜ、笑っていたのでしょうか。
そう言えば、昨日も女中が笑っていた。
な、なんだろう。私だけがわからない。
「……おい」
「はい」
「…………なんでもない」
「は、はい」
? なんだろう。
雅様、何か言いたげにしていたけれど、結局何も言わなかった。
ここで追及しても失礼だし、雅様が言いたくなった時に御聞かせ願えればかと。
それまで、私は待ちますよ。
そこからは、静かにお食事を堪能する。
「御馳走様でした」
「あぁ」
廊下で待っていたのかという程、絶妙なタイミングで女中が襖を開けた。
食事のお盆を下げ、また二人だけの空間となる。
ど、どうすればいいのかな。
何か話す? でも、何を?
私から口を開くのも失礼ではないのか。
色々と考えていると、雅様がまた声をかけてくれた。
「おい」
「はい」
「…………ぐうぅ……」
「え、だ、大丈夫ですか雅様!!」
「問題ない。…………み、みつ……」
みつ? え、はちみつとかが欲しいのでしょうか。
でも、先ほどお食事をとったばかり、まだお腹が空いているのでしょうか。
え、えぇ、どうしよう。
どうすればいいの!?
何故か項垂れている雅様に触れてもいいのか、背中をさすってもいいのか。
く、苦しそう、苦しそうなので……失礼をお許しください!
「っ、貴様……」
「し、失礼をお許しください。あの、苦しそうでしたので、お背中を撫でた方が少しは楽になるかなと思いまして……」
背中を撫でると、雅様は顔を上げ私を見る。
怒ってしまったでしょうか。勝手に触るななどと、思っているでしょうか。
でも、心配で……。
「――――もう大丈夫だ、礼を言う」
「い、いえ。本当に大丈夫ですか? ご無理だけはなさらないでください」
手を離すと、雅様は体勢を整えた。
「体調は特に問題ない。ただ、思っていた以上に難しいと思ってな」
「何がでしょうか?」
「…………名前」
「え? な、名前?」
あっ、雅様が気まずそうに顔を逸らしてしまった。
なんとなく、頬が赤い気がする。
「名前を、呼ぼうとしたのだが、難しかった……」
「え、お名前を、ですか? 私の?」
「それ以外に誰がいる。お前以外の奴など、名前で呼ぶ価値はない」
それはいかがなものでしょうか。
しかも、そんな凛々しい顔で言わないでください。なんとなく、否定しにくいです。
「貴様は嫁になるのだ。名前くらい呼べなければ夫婦とは言えん。だが、いざ呼ぼうとすると緊張してな。ここまで心臓が暴れた事はない」
肩を落とし、しょぼんと落ち込んでいる雅様。
――――か、可愛い!!
か、顔が赤いのって、照れていたという事でしょうか!
…………え、照れてる? 私なんかに?
家族に追い出され、虐げられていた私に、雅様はそのような感情を持ってくださるのですか?
「もっとかっこよく決めたかったのだが、悪い……。逆に、かっこ悪い姿を見せてしまった」
「い、いえ。あの、う、嬉しいです! そのように考えてくださっただけでも、私は、ものすごく嬉しいです雅様!」
気持ちをそのまま伝えると、何故かわからないけれど雅様が頬を膨らませてしまった。
ま、まさか、私はまた無礼を!?
「貴様は、そんな簡単に名前が呼べるのだな」
「へ? はっ!!」
し、しまった。
なんて私、ご無礼な事を……。
嬉しすぎて、そのまま口にしてしまいました。
「俺様ももっと精進せねば――何をしている」
咄嗟に頭を深々と下げて土下座してしまった。
「い、いえ、嬉しかったとはいえ、わ、私のような女に名前を呼ばれて不快に感じましたよね。申しわけありません。申し訳、ありません。あ、あの、貴方様のお好きなようにお申し付けください」
私の馬鹿私の馬鹿私の馬鹿。
なんて言われても受け止めないと……。
「い、いや。名前を呼び合う仲になりたいと言っているのだが……」
「そ、そうですよね。私なんぞに名前など呼ばれたくなんか……へ?」
思わず顔を上げると、雅様は口元を抑え、肩を震わせている。
な、なんでしょうか。
「――――クククッ。どこまで緊張しているのだ、美月よ。面白い女だな」
笑った、あの、冷酷無情と言われた雅様が、私の前で、笑った。
しかも、名前を呼んだ。私の、名前を――……
「? どうした」
「今、雅様、お名前を……」
「ん? 名前?」
「名前を、呼んでください、ました」
私が言うと、雅様はまたしても口元を右手で押さえた。
頬を染め、「誠か?」と、聞いて来る。
頷くと、笑顔と共に安堵の息を吐いた。
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無邪気に笑う、雅様。
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