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暴走と涙
単純な力
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「紅音ちゃん、何をそんなに落ち込んでいるの? 俺の大きな胸が空いているよ?」
「貴様の胸など必要ない、今はほっといてくれ」
「確かに、おにいちゃんの胸は必要はないか。紅音には俺の弟の胸の方が――ん?」
紅音の後ろで横になっている琴平を見れたのか、言葉を途中で止めた。
今まで阿保をさらしていたのは、まさか本当に、弟の死に気づいていなかったからとかか? どこまで阿保なの?
普通、入ってきてすぐに分かると思うんだけど、あいつは本当に琴平の兄なのか? 絶対にありえない、血の繋がりなんてあるわけがない。
「……………………」
琴平の隣で片膝で座り、顔に手を伸ばす。乗っけていた白い布を取り、琴平の顔を覗き込んだ。
「…………変わらず、綺麗な顔で寝てんのな」
それだけを零すと、また白い布をかぶせ直し立ち上がった。何を考えているんだ?
「…………煌命の息子よ」
『その呼び方やめてほしんだけど、ひとまず何』
「琴平は、最後の最後まで、お前を守るように動いたか? お前を守る為、最後まで全力を尽くしていたか?」
なんだ、その質問。何でそんな質問を、僕に聞いて来るんだ。
「どうだったんだ? 煌命の息子よ」
『…………最初から最後まで、琴平には助けられてばかりだよ。最後も、僕の暴走した力を吸収させる式神を使った。それが無かったら、今の僕の身体は危なかったかもしれない。その代り、琴平の命がなくなったけどね』
素直に答えると、何故か琴葉は安心したように柔和な笑みをこぼした。
何なんだよ、その顔。何か言う事があるだろ。
僕達が琴平を巻き込まなければ、お前の大事な弟が死ぬことはなかったんだよ。僕達と関わらなければこうなっていなかった。いや、そもそも…………。
僕と出会わなければ、琴平は死ぬ事がなかった。
「…………あの、闇命様。大丈夫ですか?」
『何が?』
夏楓が声をかけてきた。もしかして、読まれた? いや、そんなことはしないはず。僕の思考は読まないように言いつけているし、夏楓ならしないだろ。
「気持ち的な物です。ご自身を責めているのではありませんか?」
『…………もしかして、読心術使ったの?』
「使っておりません。今の闇命様は、表情だけでわかります』
………ちっ、表情か。出てしまっていたのか。
頬を触り、何とか表情を引き締める。顔に出るなんて、ありえない。人に思考を読まれるなんて駄目だ。
しっかりしないと、ここで落ち込んでいても意味はない。琴平が生き返ることもないし、事態がいい方向に傾くわけでもない。しっかりしろ、僕。
『……――っ。ごめん、夏楓。もう大丈夫だよ、ありがとう』
「ですが…………」
『琴葉、なんでここに居るかひとまず聞いてもいい? もしかして、水分に用事があったとか? それならこんなことに巻き込んでしまって済まないね。僕達ももう、ここに長居はしないつもり。用事を済ませてもいいよ』
「……………………これは、確かに琴平が過保護になるのも仕方がないな」
はぁ? 何それ。なんで今の会話で過保護に繋がるわけ、意味が分かんない。
頭を掻いて、呆れ気味な様子なのも腹が立つ。
「特に水分に重要な話があるわけじゃねぇよ。こいつに重要な話があるとしたら、酒の誘いだ」
『よそでどうぞ』
「つれないなぁ、お子様には酒はまだ早かったか――スイマセンデシタ」
流石紅音。視線だけでこのうざい男を黙らせた。
髪の隙間から覗き見える赤い瞳というのもまた怖かったのかもしれないな、殺気が込められていたし。
『なら、なんでこんな所にいるの? まさか、本当に酒の誘い?』
「それもあるが…………。んー…………よし。なぁ、琴平の代わりに、これからは俺を仲間にしてみねぇか?」
…………………………………………はぁ?????????
紅音と夏楓もきょとんとした顔を浮かべて琴葉を見ている。そりゃ、そうなるよ。なんの脈略もなく言ってきたのだから。
『…………理由は』
「楽しそうだから~」
『却下』
「酷いなぁ。でも、本当に却下してもいいの?」
…………含みのある言い方をするなよ。むかつく、本当にむかつく。琴平と似ているのは見た目だけなのか。性格も少しくらい似ててもいいと思うんだけど。こんな適当な琴平、今までずっと一緒に行動してきていたけど、一度も見た事がないよ。
『どういうこと』
「今君達は、一人仲間を失った。しかも、主軸となる息子の本体は、これからどのような動きを見せるかわからない。今までと同じ動きが出来ると思っていないよな? そう思っているのなら、さすがに短絡的過ぎるぞ?」
『…………それで?』
「少しでも力が欲しいんじゃねぇの? ここで言うにもはばかられるが、単純な力だけなら琴平より強い自信はあるぞ」
目を細め、琴葉が言い放つ。よほど自信があるらしいな、余裕な笑みだ。
琴平も力が弱かったわけではない。式神は一体しかもっていなかったけど、その一体を使いこなし、僕達を導き動いてくれていた。
頭も切れるし、僕が関わらなければ冷静にその場を対処してくれていた。
「まっ! 性格や真面目度はあいつに勝てる気はしないがな!!」
……………………胸を張るな。
「貴様の胸など必要ない、今はほっといてくれ」
「確かに、おにいちゃんの胸は必要はないか。紅音には俺の弟の胸の方が――ん?」
紅音の後ろで横になっている琴平を見れたのか、言葉を途中で止めた。
今まで阿保をさらしていたのは、まさか本当に、弟の死に気づいていなかったからとかか? どこまで阿保なの?
普通、入ってきてすぐに分かると思うんだけど、あいつは本当に琴平の兄なのか? 絶対にありえない、血の繋がりなんてあるわけがない。
「……………………」
琴平の隣で片膝で座り、顔に手を伸ばす。乗っけていた白い布を取り、琴平の顔を覗き込んだ。
「…………変わらず、綺麗な顔で寝てんのな」
それだけを零すと、また白い布をかぶせ直し立ち上がった。何を考えているんだ?
「…………煌命の息子よ」
『その呼び方やめてほしんだけど、ひとまず何』
「琴平は、最後の最後まで、お前を守るように動いたか? お前を守る為、最後まで全力を尽くしていたか?」
なんだ、その質問。何でそんな質問を、僕に聞いて来るんだ。
「どうだったんだ? 煌命の息子よ」
『…………最初から最後まで、琴平には助けられてばかりだよ。最後も、僕の暴走した力を吸収させる式神を使った。それが無かったら、今の僕の身体は危なかったかもしれない。その代り、琴平の命がなくなったけどね』
素直に答えると、何故か琴葉は安心したように柔和な笑みをこぼした。
何なんだよ、その顔。何か言う事があるだろ。
僕達が琴平を巻き込まなければ、お前の大事な弟が死ぬことはなかったんだよ。僕達と関わらなければこうなっていなかった。いや、そもそも…………。
僕と出会わなければ、琴平は死ぬ事がなかった。
「…………あの、闇命様。大丈夫ですか?」
『何が?』
夏楓が声をかけてきた。もしかして、読まれた? いや、そんなことはしないはず。僕の思考は読まないように言いつけているし、夏楓ならしないだろ。
「気持ち的な物です。ご自身を責めているのではありませんか?」
『…………もしかして、読心術使ったの?』
「使っておりません。今の闇命様は、表情だけでわかります』
………ちっ、表情か。出てしまっていたのか。
頬を触り、何とか表情を引き締める。顔に出るなんて、ありえない。人に思考を読まれるなんて駄目だ。
しっかりしないと、ここで落ち込んでいても意味はない。琴平が生き返ることもないし、事態がいい方向に傾くわけでもない。しっかりしろ、僕。
『……――っ。ごめん、夏楓。もう大丈夫だよ、ありがとう』
「ですが…………」
『琴葉、なんでここに居るかひとまず聞いてもいい? もしかして、水分に用事があったとか? それならこんなことに巻き込んでしまって済まないね。僕達ももう、ここに長居はしないつもり。用事を済ませてもいいよ』
「……………………これは、確かに琴平が過保護になるのも仕方がないな」
はぁ? 何それ。なんで今の会話で過保護に繋がるわけ、意味が分かんない。
頭を掻いて、呆れ気味な様子なのも腹が立つ。
「特に水分に重要な話があるわけじゃねぇよ。こいつに重要な話があるとしたら、酒の誘いだ」
『よそでどうぞ』
「つれないなぁ、お子様には酒はまだ早かったか――スイマセンデシタ」
流石紅音。視線だけでこのうざい男を黙らせた。
髪の隙間から覗き見える赤い瞳というのもまた怖かったのかもしれないな、殺気が込められていたし。
『なら、なんでこんな所にいるの? まさか、本当に酒の誘い?』
「それもあるが…………。んー…………よし。なぁ、琴平の代わりに、これからは俺を仲間にしてみねぇか?」
…………………………………………はぁ?????????
紅音と夏楓もきょとんとした顔を浮かべて琴葉を見ている。そりゃ、そうなるよ。なんの脈略もなく言ってきたのだから。
『…………理由は』
「楽しそうだから~」
『却下』
「酷いなぁ。でも、本当に却下してもいいの?」
…………含みのある言い方をするなよ。むかつく、本当にむかつく。琴平と似ているのは見た目だけなのか。性格も少しくらい似ててもいいと思うんだけど。こんな適当な琴平、今までずっと一緒に行動してきていたけど、一度も見た事がないよ。
『どういうこと』
「今君達は、一人仲間を失った。しかも、主軸となる息子の本体は、これからどのような動きを見せるかわからない。今までと同じ動きが出来ると思っていないよな? そう思っているのなら、さすがに短絡的過ぎるぞ?」
『…………それで?』
「少しでも力が欲しいんじゃねぇの? ここで言うにもはばかられるが、単純な力だけなら琴平より強い自信はあるぞ」
目を細め、琴葉が言い放つ。よほど自信があるらしいな、余裕な笑みだ。
琴平も力が弱かったわけではない。式神は一体しかもっていなかったけど、その一体を使いこなし、僕達を導き動いてくれていた。
頭も切れるし、僕が関わらなければ冷静にその場を対処してくれていた。
「まっ! 性格や真面目度はあいつに勝てる気はしないがな!!」
……………………胸を張るな。
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