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修行
雨
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修行を始めて数週間、ずっと同じことの繰り返し。
俺は湖の水を浮かび上がらせ制御できるように。靖弥は肉弾戦強化のために、琴葉さんと手合わせ。
いつも部屋に戻ってくると、どこかには必ず怪我をして帰ってきていた。その度、夏楓が小さな傷を治し、打撲とかは時間を空けて何とか治してあげていた。
靖弥は何度も「大丈夫」と断っていたけど、夏楓が笑顔で脅し、今では素直に聞くようになっている。
女性陣を怒らせてはならないのは、どこの世界でも同じだからな。こればっかりは仕方がない。男性陣は、恐怖の中生きていかなければならないのだ。
『ふざけた事ばかり言ってないで、早く法力を扱えるようにして。最初と比べるとだいぶ扱えるようになったみたいだけど、まだまだ水を浮かび上がらせることが出来ていないんだから』
「はい……」
闇命君の厳しい言葉で現実へと戻ってきました。
目の前に広がる湖。今日は暗雲が立ち込め、いつ雨が降ってきてもおかしくない。早く始めよう。
「すぅ~、はぁ~」
いつものように右手を胸元に、人差し指と中指を立て目を閉じる。指先に法力を集中して、頭の中でホースをイメージ。それと同時に、空中に水を浮かべる光景を思い描く。
今では火花が弾ける事はない。水も波紋を広がらせ、波を立てるところまでは出来るようになった。そこから、水を空中に浮かばせるのがまだ出来ていない。
成長速度が遅いのはわかる、それでも確実に前には進んでいる事は自覚できていた。それだけで、これは無駄ではないという事はわかるから、頑張れる。
集中し始めて数秒後、波が立ち始める。地震が起きたように横に揺れ、そのまま空中に――……
――――ポチャッ
「ぽちゃっ??」
あ、集中が切れてしまった。でも、俺の頬に水滴が。もしかして、浮かび上がらせることが出来たのか?
目を開けてみると、湖は左右に揺れているだけで、特に変化はない。
さっきの頬に当たる感覚は? 水が弾けて触れたというより、上から降ってきたような気が…………。
「今日はここまでだな」
「え、まだ始めたばかり――……」
水分さんが暗雲を見上げながらぽつりと呟くのと同時に、またしても頬に雫が当たる。
空を見上げると、雫が降り注ぎ始めていた。
「あ、雨…………」
「そういう事だ。もしかしたら湖が増水する可能性がある。ここに居るのは危険だ」
「え、増水!? それは大丈夫なんですか?」
「水神が何とかしてくれる」
「あはは…………」
そういうなら、心配しなくてもいいじゃんとか思うけど、今は黙っておこう。
よしっ、琴葉さんと靖弥の所に行こう。もしかしたら、雨が降っていても続けている可能性がある。琴葉さんだし、雨なんかに負けるな的な感じで。
森の中を雨に打たれながら急ぎ足で歩いていると、視界が急に一瞬だけ明るくなった。
「っ、これって」
「ちょっと、まずいな。雨に隠れて何かが近づいて来てるかもしれねぇ」
「えっ。それって」
「あぁ、敵襲の可能性がある。すぐに琴葉達と合流するぞ」
「あ、待ってくださいよ!!」
いきなり走り出した水分さん。俺も後ろを走るけど、子供と大人の違いなのか、引き離される。
もっと早く走りたいのに、地面がぬかるんでいるのもあり、うまく走れない。
息を切らしながらもなんとか走っていると、何かがぶつかる音が聞こえ始めた。
「この音って…………」
『まだ続けているみたいだね』
やっぱりか!! 靖弥は大丈夫なのだろうか、怪我とか。
森を抜けると、予想通りの光景が広がっていた。
「わぁ…………すご」
数週間の成果が表れているのが一目でわかった。
靖弥に畳みかける琴葉さんの竹刀を全て受け止め、靖弥は後ろに下がる。だが、すぐに距離を縮められ、琴葉さんは勢いを殺さず竹刀を右手で横に薙ぎ払う。
それを、靖弥は竹刀を縦に構え受け止めたかと思うと、足で琴葉さんの腹部を蹴り押した。
「くっ」
開いている方の手で受け止めたからか、そこまで吹っ飛ばすことが出来ずすぐに体勢を立て直された。それでも、靖弥はわかっていたかのように一歩で彼の目の前に。薙ぎ払うように右手に持っている竹刀を振りかざす。
「―――――なに?」
琴葉さんはすぐに反応し、先ほどの靖弥と同じく竹刀を縦にし受け止めようとしたが、その際に驚きの声が洩れる。
薙ぎ払った靖弥の手には、何故か竹刀が握られていない。
竹刀から琴葉さんの視界から外れた事を瞬時に察し、靖弥は左手に握られている竹刀を、動揺している琴葉さんの横腹に向けて薙ぎ払った。
行ける!!!!
そう、思ったのに。なぜか空中に竹刀が一本、舞ってしまった。
俺は湖の水を浮かび上がらせ制御できるように。靖弥は肉弾戦強化のために、琴葉さんと手合わせ。
いつも部屋に戻ってくると、どこかには必ず怪我をして帰ってきていた。その度、夏楓が小さな傷を治し、打撲とかは時間を空けて何とか治してあげていた。
靖弥は何度も「大丈夫」と断っていたけど、夏楓が笑顔で脅し、今では素直に聞くようになっている。
女性陣を怒らせてはならないのは、どこの世界でも同じだからな。こればっかりは仕方がない。男性陣は、恐怖の中生きていかなければならないのだ。
『ふざけた事ばかり言ってないで、早く法力を扱えるようにして。最初と比べるとだいぶ扱えるようになったみたいだけど、まだまだ水を浮かび上がらせることが出来ていないんだから』
「はい……」
闇命君の厳しい言葉で現実へと戻ってきました。
目の前に広がる湖。今日は暗雲が立ち込め、いつ雨が降ってきてもおかしくない。早く始めよう。
「すぅ~、はぁ~」
いつものように右手を胸元に、人差し指と中指を立て目を閉じる。指先に法力を集中して、頭の中でホースをイメージ。それと同時に、空中に水を浮かべる光景を思い描く。
今では火花が弾ける事はない。水も波紋を広がらせ、波を立てるところまでは出来るようになった。そこから、水を空中に浮かばせるのがまだ出来ていない。
成長速度が遅いのはわかる、それでも確実に前には進んでいる事は自覚できていた。それだけで、これは無駄ではないという事はわかるから、頑張れる。
集中し始めて数秒後、波が立ち始める。地震が起きたように横に揺れ、そのまま空中に――……
――――ポチャッ
「ぽちゃっ??」
あ、集中が切れてしまった。でも、俺の頬に水滴が。もしかして、浮かび上がらせることが出来たのか?
目を開けてみると、湖は左右に揺れているだけで、特に変化はない。
さっきの頬に当たる感覚は? 水が弾けて触れたというより、上から降ってきたような気が…………。
「今日はここまでだな」
「え、まだ始めたばかり――……」
水分さんが暗雲を見上げながらぽつりと呟くのと同時に、またしても頬に雫が当たる。
空を見上げると、雫が降り注ぎ始めていた。
「あ、雨…………」
「そういう事だ。もしかしたら湖が増水する可能性がある。ここに居るのは危険だ」
「え、増水!? それは大丈夫なんですか?」
「水神が何とかしてくれる」
「あはは…………」
そういうなら、心配しなくてもいいじゃんとか思うけど、今は黙っておこう。
よしっ、琴葉さんと靖弥の所に行こう。もしかしたら、雨が降っていても続けている可能性がある。琴葉さんだし、雨なんかに負けるな的な感じで。
森の中を雨に打たれながら急ぎ足で歩いていると、視界が急に一瞬だけ明るくなった。
「っ、これって」
「ちょっと、まずいな。雨に隠れて何かが近づいて来てるかもしれねぇ」
「えっ。それって」
「あぁ、敵襲の可能性がある。すぐに琴葉達と合流するぞ」
「あ、待ってくださいよ!!」
いきなり走り出した水分さん。俺も後ろを走るけど、子供と大人の違いなのか、引き離される。
もっと早く走りたいのに、地面がぬかるんでいるのもあり、うまく走れない。
息を切らしながらもなんとか走っていると、何かがぶつかる音が聞こえ始めた。
「この音って…………」
『まだ続けているみたいだね』
やっぱりか!! 靖弥は大丈夫なのだろうか、怪我とか。
森を抜けると、予想通りの光景が広がっていた。
「わぁ…………すご」
数週間の成果が表れているのが一目でわかった。
靖弥に畳みかける琴葉さんの竹刀を全て受け止め、靖弥は後ろに下がる。だが、すぐに距離を縮められ、琴葉さんは勢いを殺さず竹刀を右手で横に薙ぎ払う。
それを、靖弥は竹刀を縦に構え受け止めたかと思うと、足で琴葉さんの腹部を蹴り押した。
「くっ」
開いている方の手で受け止めたからか、そこまで吹っ飛ばすことが出来ずすぐに体勢を立て直された。それでも、靖弥はわかっていたかのように一歩で彼の目の前に。薙ぎ払うように右手に持っている竹刀を振りかざす。
「―――――なに?」
琴葉さんはすぐに反応し、先ほどの靖弥と同じく竹刀を縦にし受け止めようとしたが、その際に驚きの声が洩れる。
薙ぎ払った靖弥の手には、何故か竹刀が握られていない。
竹刀から琴葉さんの視界から外れた事を瞬時に察し、靖弥は左手に握られている竹刀を、動揺している琴葉さんの横腹に向けて薙ぎ払った。
行ける!!!!
そう、思ったのに。なぜか空中に竹刀が一本、舞ってしまった。
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