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三人修行
革命を
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数日修行していると、まだ蘆屋道満の娘である蘆屋藍華の素性を調べてくれている夏楓から手紙が届いた。
「闇命君と一緒に読みたいんだけど……」
いまだに闇命君とは出会えていない。水分さんと琴葉さんは何か知っているような気がするんだけど、なぜかニヤニヤするだけで教えてくれないし。
なんなんだよぉ、闇命君は俺に隠して何をしているんだ。
「仕方がない、一人でひとまず読むしかないか」
今は部屋で一人、ゆっくりと読む。
式紙が持ってきてくれた手紙を開き、文面に目を通す。
優夏様、闇命様へ
今のところ、大きな変化はありません。やはり、蘆屋藍華は無邪気で年相応の少女な感じがします。お茶会で何話しても無邪気に笑い、照れたり戸惑ったりと。反応も普通のように感じます。心の中も特に、何かを企んでいるような気はしません。清らかで、見ているこちらも心が休まります。やはり、無関係なのではと、紅音と話し合っています。
もう少しだけ様子を見てみようかと思うのですが、いかがでしょうか。そちらは特に変わったことはありませんか? 修行はうまくいっておりますか? 何か困ったことなどはありませんか? もし何かあえば遠慮なくおっしゃってください。すぐに向かいます。
……――なるほど、変化なしか。こちらの状況も式神で伝えた方がよさそうだな。心配しているのが文面から伝わる。でも、俺は文字を書けないし、闇命君はいないし。これはどうしたものか。
「何を考えこんでいるんだ?」
「あ、靖弥。夏楓から手紙が届いたから返事を書こうと思ったんだけど、俺、筆とか無理だし、闇命君はいないしで。どうしようかなって思って」
厠から靖弥がちょうど戻ってきた。
素直に伝えると、靖弥は俺の隣に座る。
「よかったら俺が文面を書こうか? 教えてもらえれば代筆くらいはできる」
「え、まじ? それはものすごく助かる。お願いできるか?」
「問題ない」
まじかよぉ、まじで助かるわ。まさか、靖弥が筆を扱えるまでこの世界に馴染んでいたなんて。なんか、悔しいような嬉しいような。複雑な気持ちだ。
「それじゃ、今から書くのか?」
「そのつもり」
「筆とかを借りてきた方がいいな。弥来さんにでも借りに行こうか」
「それもそうだな」
弥来さんなら部屋かな。よし、行こうか。
☆
「どうして、弥来さんまでもいなくなったんだ? みんなしてどこに行ったんだよぉ」
「取り残された気分だな」
「くそぉ」
部屋まで行き中へと声をかけるが、何故か返答がなく、おそるおそる襖を開けると、中はもぬけの殻だった。
闇命君、水分さん、琴葉さん、弥来さん。みんなして何も言わずいなくなるなんて、なんでだよぉ。
もう俺はさみしい、さみしいぞ。さみしいから、闇命君をひとまず見つけ出してやる。何か隠しているのかと思ってあえて探さなかったけど、これはもう我慢の限界だ。俺は寂しい!!
「闇命君の所に行く」
「場所はわかるのか?」
「意識すれば気配を感じることができるはずだよ。遠くに離れなければ繋がりが切れることはないだろうし、闇命君がわざわざ俺から離れるのも考えにくい」
「なるほどな」
それに、ここ最近の違和感。やっぱり気のせいではない。
闇命君、君、法力を使っているよね。なんか、流れ出ているような感覚だもん。大量には使っていないみたいだけど、何に使っているのかくらいは俺にも知る権利はあるはずだよ! だから、見つけ出す!
目を閉じて、周りの情報をすべてを遮断。闇命君の気配にだけ集中。今どこにいるのか必ず見つけだっ――……
「? どうした優夏。見つからないのか?」
な、なんだ、これ。急に。意識が遠くなる。というか、ものすごく眠たい。
「優夏!? しっかりしろ、おい!」
体から、力が抜けてしまう、この睡魔に、抗えない…………。
☆
体に襲う浮遊感。この感覚、知っている。久しぶりの感覚だ。もしかして、許してくれたのだろうか。前の俺の無礼を、許してくれたのだろうか。
閉じられている目を開けると、見覚えのある闇の中。地面も天井もない。ここは、俺があの人と出会っていた空間だ。
周りを見渡すと、見覚えのある人物が姿を現した。
「っ、お久しぶりです、安倍晴明」
『落ち着きを取り戻したみたいで助かりましたよ、牧野優夏』
闇命君の先祖である安倍晴明が、いつものような優しい微笑みを浮かべ闇の中で立っていた。
「はい、先日は無礼な態度をとってしまいすいません。今はもう大丈夫です、前を向けています」
『そのようですね、安心しました。今までの貴方の動きも見せていただいておりましたが、もう大丈夫と判断しましてここへと呼ばせていただきました。少しお時間いただけますか、すぐに終わります』
「大丈夫ですが…………なぜ今?」
『今しかないからです。これからは怒涛の戦闘になる可能性がある為、少々手荒な真似でしたが、この空間に来ていただきました』
なるほど、確かにこれからは戦闘が続く可能性がある。今しかゆっくり話せないのか。
「何か気づいたことがあるのでしょうか?」
『気づいたという訳ではなく、私が思いついた話になってしまうのですが……。蘆屋道満は単独で動いてはおらず、他の陰陽寮も絡んでいるかと思います』
「え、それはどういうことですか? もしかして、蘆屋道満に加担する陰陽寮がいると?」
『はい。蘆屋道満は一人で大きな事態を引き起こすことはしません。かならず、自身ともう一人、または組織を動かします。理由は――……』
「自分に被害が来ないため、自身の手を汚さないためですよね?」
『はい、その通りです』
やっぱりか、蘆屋道満らしいな。靖弥の時と同じで。自分では一切手を汚すことはせず、靖弥にほとんどやらせていた。
「どのような規模で今回は攻めて来るのか。件に見ていただいた方が良さそうだな。それと、琴葉さん達にも報告して、他の陰陽寮にも声をかけなければ。話を聞いてもらえるかわからないけれど、安倍家にも手紙を出そう。蘆屋道満が絡んでいるのなら必ず動いてくれるはず。それと、どのような陰陽寮があるのかもしれるだけ調べましょう」
思った事を口に出していると、なぜか安倍晴明は目を丸くした、その後すぐ、感心したように手を叩き笑いだした。
な、なに? なぜ笑いだしたの?
『いえ、すいません、いきなり笑ってしまって。成長したなと、感心してしまって、つい』
「ん? 成長? 今ので?」
『はい。今までの貴方は自分で考えることはせず、なんでも私や子孫に聞いていたではありませんか。これからどうすればいいのか、何が起こるのか。考えることはせずにね』
あぁ、それはたしかに。何でも聞いていたなぁ、俺。わからなかったし。
『ですが、今は聞くことはせず、当たり前のように自分の今やるべきことを考え実行しようとしている。私はそこに感動しました』
「あ、ありがとうございます?」
なんか、変な感じ。嬉しいけど、安倍晴明に言われると、なんとなくむず痒いというか、反応に困る。
『これからも微弱ではありますがお手伝いさせていただきます。今後、悩まず自身を信じてください。自身を信じる事が出来れば、自然と周りを信じる事が出来るようになります。今までの貴方ではなく、今の貴方を、信じるのです』
「はい!! よろしくお願いします!」
俺は、安倍晴明に褒められるくらい成長した。もう、過去の自分ではない。何もできない俺ではない。
俺だけじゃ、ない。他の人と、式神達と。これからの戦いを切り抜け、この世界に革命を!!
「闇命君と一緒に読みたいんだけど……」
いまだに闇命君とは出会えていない。水分さんと琴葉さんは何か知っているような気がするんだけど、なぜかニヤニヤするだけで教えてくれないし。
なんなんだよぉ、闇命君は俺に隠して何をしているんだ。
「仕方がない、一人でひとまず読むしかないか」
今は部屋で一人、ゆっくりと読む。
式紙が持ってきてくれた手紙を開き、文面に目を通す。
優夏様、闇命様へ
今のところ、大きな変化はありません。やはり、蘆屋藍華は無邪気で年相応の少女な感じがします。お茶会で何話しても無邪気に笑い、照れたり戸惑ったりと。反応も普通のように感じます。心の中も特に、何かを企んでいるような気はしません。清らかで、見ているこちらも心が休まります。やはり、無関係なのではと、紅音と話し合っています。
もう少しだけ様子を見てみようかと思うのですが、いかがでしょうか。そちらは特に変わったことはありませんか? 修行はうまくいっておりますか? 何か困ったことなどはありませんか? もし何かあえば遠慮なくおっしゃってください。すぐに向かいます。
……――なるほど、変化なしか。こちらの状況も式神で伝えた方がよさそうだな。心配しているのが文面から伝わる。でも、俺は文字を書けないし、闇命君はいないし。これはどうしたものか。
「何を考えこんでいるんだ?」
「あ、靖弥。夏楓から手紙が届いたから返事を書こうと思ったんだけど、俺、筆とか無理だし、闇命君はいないしで。どうしようかなって思って」
厠から靖弥がちょうど戻ってきた。
素直に伝えると、靖弥は俺の隣に座る。
「よかったら俺が文面を書こうか? 教えてもらえれば代筆くらいはできる」
「え、まじ? それはものすごく助かる。お願いできるか?」
「問題ない」
まじかよぉ、まじで助かるわ。まさか、靖弥が筆を扱えるまでこの世界に馴染んでいたなんて。なんか、悔しいような嬉しいような。複雑な気持ちだ。
「それじゃ、今から書くのか?」
「そのつもり」
「筆とかを借りてきた方がいいな。弥来さんにでも借りに行こうか」
「それもそうだな」
弥来さんなら部屋かな。よし、行こうか。
☆
「どうして、弥来さんまでもいなくなったんだ? みんなしてどこに行ったんだよぉ」
「取り残された気分だな」
「くそぉ」
部屋まで行き中へと声をかけるが、何故か返答がなく、おそるおそる襖を開けると、中はもぬけの殻だった。
闇命君、水分さん、琴葉さん、弥来さん。みんなして何も言わずいなくなるなんて、なんでだよぉ。
もう俺はさみしい、さみしいぞ。さみしいから、闇命君をひとまず見つけ出してやる。何か隠しているのかと思ってあえて探さなかったけど、これはもう我慢の限界だ。俺は寂しい!!
「闇命君の所に行く」
「場所はわかるのか?」
「意識すれば気配を感じることができるはずだよ。遠くに離れなければ繋がりが切れることはないだろうし、闇命君がわざわざ俺から離れるのも考えにくい」
「なるほどな」
それに、ここ最近の違和感。やっぱり気のせいではない。
闇命君、君、法力を使っているよね。なんか、流れ出ているような感覚だもん。大量には使っていないみたいだけど、何に使っているのかくらいは俺にも知る権利はあるはずだよ! だから、見つけ出す!
目を閉じて、周りの情報をすべてを遮断。闇命君の気配にだけ集中。今どこにいるのか必ず見つけだっ――……
「? どうした優夏。見つからないのか?」
な、なんだ、これ。急に。意識が遠くなる。というか、ものすごく眠たい。
「優夏!? しっかりしろ、おい!」
体から、力が抜けてしまう、この睡魔に、抗えない…………。
☆
体に襲う浮遊感。この感覚、知っている。久しぶりの感覚だ。もしかして、許してくれたのだろうか。前の俺の無礼を、許してくれたのだろうか。
閉じられている目を開けると、見覚えのある闇の中。地面も天井もない。ここは、俺があの人と出会っていた空間だ。
周りを見渡すと、見覚えのある人物が姿を現した。
「っ、お久しぶりです、安倍晴明」
『落ち着きを取り戻したみたいで助かりましたよ、牧野優夏』
闇命君の先祖である安倍晴明が、いつものような優しい微笑みを浮かべ闇の中で立っていた。
「はい、先日は無礼な態度をとってしまいすいません。今はもう大丈夫です、前を向けています」
『そのようですね、安心しました。今までの貴方の動きも見せていただいておりましたが、もう大丈夫と判断しましてここへと呼ばせていただきました。少しお時間いただけますか、すぐに終わります』
「大丈夫ですが…………なぜ今?」
『今しかないからです。これからは怒涛の戦闘になる可能性がある為、少々手荒な真似でしたが、この空間に来ていただきました』
なるほど、確かにこれからは戦闘が続く可能性がある。今しかゆっくり話せないのか。
「何か気づいたことがあるのでしょうか?」
『気づいたという訳ではなく、私が思いついた話になってしまうのですが……。蘆屋道満は単独で動いてはおらず、他の陰陽寮も絡んでいるかと思います』
「え、それはどういうことですか? もしかして、蘆屋道満に加担する陰陽寮がいると?」
『はい。蘆屋道満は一人で大きな事態を引き起こすことはしません。かならず、自身ともう一人、または組織を動かします。理由は――……』
「自分に被害が来ないため、自身の手を汚さないためですよね?」
『はい、その通りです』
やっぱりか、蘆屋道満らしいな。靖弥の時と同じで。自分では一切手を汚すことはせず、靖弥にほとんどやらせていた。
「どのような規模で今回は攻めて来るのか。件に見ていただいた方が良さそうだな。それと、琴葉さん達にも報告して、他の陰陽寮にも声をかけなければ。話を聞いてもらえるかわからないけれど、安倍家にも手紙を出そう。蘆屋道満が絡んでいるのなら必ず動いてくれるはず。それと、どのような陰陽寮があるのかもしれるだけ調べましょう」
思った事を口に出していると、なぜか安倍晴明は目を丸くした、その後すぐ、感心したように手を叩き笑いだした。
な、なに? なぜ笑いだしたの?
『いえ、すいません、いきなり笑ってしまって。成長したなと、感心してしまって、つい』
「ん? 成長? 今ので?」
『はい。今までの貴方は自分で考えることはせず、なんでも私や子孫に聞いていたではありませんか。これからどうすればいいのか、何が起こるのか。考えることはせずにね』
あぁ、それはたしかに。何でも聞いていたなぁ、俺。わからなかったし。
『ですが、今は聞くことはせず、当たり前のように自分の今やるべきことを考え実行しようとしている。私はそこに感動しました』
「あ、ありがとうございます?」
なんか、変な感じ。嬉しいけど、安倍晴明に言われると、なんとなくむず痒いというか、反応に困る。
『これからも微弱ではありますがお手伝いさせていただきます。今後、悩まず自身を信じてください。自身を信じる事が出来れば、自然と周りを信じる事が出来るようになります。今までの貴方ではなく、今の貴方を、信じるのです』
「はい!! よろしくお願いします!」
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