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最終決戦
散り散り
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「紅音と夏楓は大丈夫かな、まさか穴に落ちるなんて…………」
『信じると言った口でそれは恥ずかしいと自覚した方がいいよ』
「信じたくても不安なものは仕方がないでしょ……」
『気にしても仕方がないし、気にする必要はないよ。本人達が大丈夫と言っていたんだし。それに、僕達は僕達のやる事をしなければならない。今は色んな所で戦闘が始まっている。他の陰陽寮に手紙が届いたとして、協力してくれるかもわからない。だから、手を貸してくれないという前提でやって行こう』
今の俺達は紅音と夏楓と離れ、百目と半透明の闇命君達と共に草原を走っている。
二人と離れてしまった理由は、走っている途中、突如地面に穴が開き二人が落ちてしまったから。
紅音も夏楓も、戦闘能力は低くない。七人ミサキを一瞬にして倒してしまう程の実力はある。だから、大丈夫。
『主、少々止まっていただいてもよろしいですか?』
「え、う、うん」
何故か百目に止まってほしいと言われたから止まったけど、どうしたのだろう。何かが先にいるのか?
『今走っている先、少々面倒な事態が待っています。これは、私一人では到底相手に出来ません。今のうちに他の式神を出していただけると助かります』
『何がいるの?』
『おそらく蘆屋家、屍鬼家の陰陽師が大勢、こちらに向かっているのかと。一人一人は弱いとは思いますが、数には勝てないかと』
『数か……。優夏、七人ミサキと雷火を出して』
「わ、わかった。でも、数で攻めてきているのなら、出せる限りの式神を出した方が良くない? 河童とか」
『出しすぎると制御が難しいよ。それに、法力も多く吸い取られる。それなら、少ない式神に多くの法力を送り込んだ方がいい』
あぁ、なるほど。確かに数を数で押すのにも限界はある、制御が出来なくなったら本末転倒か。
『それじゃ、出して』
「わかった。『七人ミサキ、雷火。我らを狙う影を全て殲滅せよ。急急如律令』
お札を二枚取り出し、七人ミサキと雷火を出す。俺の前に現れてくれた二体…………いや、八体? どっちでもいいか。
気配を瞬時に感じてくれて、七人ミサキと雷火は俺達の先を見据え臨戦態勢を作り出す。
「お願いね、七人ミサキ、雷火」
俺の言葉に答えるように頷き、百目と闇命君とも目を合わせ再度走り出す。
みんなで走っていると、人の気配がどんどん強くなり始めた。確かに人数は多そう、ざわざわしているような気がして、気持ち悪い。
「――――――――っ!?」
――――――――カキン!!
「あ、七人ミサキ、ありがとう」
何の前触れもなく、前から何かが吹っ飛んできただと? しかも、完璧俺めがけてだったじゃん。
七人ミサキが錫杖で弾いてくれたおかげで、俺は怪我をせずに済んだけど、マジで危なかった。
「何が吹っ飛んできて……これは、刀?」
地面に落ちているのは、何の変哲もない刀。細工などはされていないみたい、普通の刀。
『うわぁ』
「え、どうしたのあんっ――――うわぁ…………」
闇命君から洩れた声の意味、それは前から迫ってきている人の影で理解出来た。
一人二人ならいい。だが、そんなことはない。
「…………何人……」
『…………百人以上入るかと。さすがにすべてを数えるのだけは勘弁していただきたいです、飽きます』
数を数えるのに飽きるのか百目、確かにそうだよな。うん。
「めんどくせぇぇぇぇぇぇぇえぇええええ!!!」
☆
時を遡り、紅音と夏楓は一人の青年を前に拳を握り構えていた。
闇命達と共に土蜘蛛を氷鬼家にお願いし草原を走っていると、どこからか声が聞こえ足を止めた。
周りを警戒していると、紅音と夏楓に足元に突如、大きな穴が開き二人はそのまま抗う事が出来ず落ちてしまった。
『紅音、夏楓!!!!』
『こちらは大丈夫です!! 早く先に行ってください!!』
優夏が手を伸ばし近くにいた紅音の手を掴もうとするが間に合わず、夏楓の言葉だけを残し闇の中へと完全に落ちてしまった。
優夏が迷わず中に落ちようとしたが、それを百目が止めた。
『この穴は闇が広がっております。それに、底を見る事が出来ません。どんなに深くても、底があれば見る事が出来るのですが…………』
「つまり、この穴はどこか違う空間に繋がっている可能性があるって事? それ、さすがにまずいんじゃ…………」
その時、優夏は靖弥と共に道満が作り出した空間に落ちた時の事を思い出す。あの時と同じかと納得し、闇が広がる穴の中を覗き込んだ。
「もし、あの時と同じなら、落ちた時の怪我はない。でも、あの空間からも抜け出す事が出来ないはず。助けに行かないと…………」
『君は、さっき夏楓が言った言葉を思い出すことはできる? 思い出して』
「え、さっき、夏楓が言っていた、言葉…………」
闇命の言葉に、優夏は思い出す。夏楓が最後に残した言葉を。
────こちらは大丈夫です!! 早く先に行ってください。
「────そう、言っていた。でも、信じて、もし琴平みたいになってしまったら…………」
『それでも、信じなければならない。もう、理解していると思っていたけど、違うの?』
闇命から見つめられ、優夏は何も言えなくなる。顔を俯かせ、拳を握った。
「…………わかった、行こう」
『大丈夫ですか、主』
立ち上がり歩き出そうとした優夏に、百目が声をかける。だが、彼は振り向かず、ただ一言、百目の問いに答えた。
「信じるって、決めたから」
それだけを言い、優夏は走り出す。
百目は不安そうに隣に立つ闇命を見るが、彼も何も言わず、優夏を見失わないように走り出した。
残された百目はわからないというように首を傾げるが、自身の主が走り出したため、自身も走り出し主二人を守るべく、ついて行った。
『信じると言った口でそれは恥ずかしいと自覚した方がいいよ』
「信じたくても不安なものは仕方がないでしょ……」
『気にしても仕方がないし、気にする必要はないよ。本人達が大丈夫と言っていたんだし。それに、僕達は僕達のやる事をしなければならない。今は色んな所で戦闘が始まっている。他の陰陽寮に手紙が届いたとして、協力してくれるかもわからない。だから、手を貸してくれないという前提でやって行こう』
今の俺達は紅音と夏楓と離れ、百目と半透明の闇命君達と共に草原を走っている。
二人と離れてしまった理由は、走っている途中、突如地面に穴が開き二人が落ちてしまったから。
紅音も夏楓も、戦闘能力は低くない。七人ミサキを一瞬にして倒してしまう程の実力はある。だから、大丈夫。
『主、少々止まっていただいてもよろしいですか?』
「え、う、うん」
何故か百目に止まってほしいと言われたから止まったけど、どうしたのだろう。何かが先にいるのか?
『今走っている先、少々面倒な事態が待っています。これは、私一人では到底相手に出来ません。今のうちに他の式神を出していただけると助かります』
『何がいるの?』
『おそらく蘆屋家、屍鬼家の陰陽師が大勢、こちらに向かっているのかと。一人一人は弱いとは思いますが、数には勝てないかと』
『数か……。優夏、七人ミサキと雷火を出して』
「わ、わかった。でも、数で攻めてきているのなら、出せる限りの式神を出した方が良くない? 河童とか」
『出しすぎると制御が難しいよ。それに、法力も多く吸い取られる。それなら、少ない式神に多くの法力を送り込んだ方がいい』
あぁ、なるほど。確かに数を数で押すのにも限界はある、制御が出来なくなったら本末転倒か。
『それじゃ、出して』
「わかった。『七人ミサキ、雷火。我らを狙う影を全て殲滅せよ。急急如律令』
お札を二枚取り出し、七人ミサキと雷火を出す。俺の前に現れてくれた二体…………いや、八体? どっちでもいいか。
気配を瞬時に感じてくれて、七人ミサキと雷火は俺達の先を見据え臨戦態勢を作り出す。
「お願いね、七人ミサキ、雷火」
俺の言葉に答えるように頷き、百目と闇命君とも目を合わせ再度走り出す。
みんなで走っていると、人の気配がどんどん強くなり始めた。確かに人数は多そう、ざわざわしているような気がして、気持ち悪い。
「――――――――っ!?」
――――――――カキン!!
「あ、七人ミサキ、ありがとう」
何の前触れもなく、前から何かが吹っ飛んできただと? しかも、完璧俺めがけてだったじゃん。
七人ミサキが錫杖で弾いてくれたおかげで、俺は怪我をせずに済んだけど、マジで危なかった。
「何が吹っ飛んできて……これは、刀?」
地面に落ちているのは、何の変哲もない刀。細工などはされていないみたい、普通の刀。
『うわぁ』
「え、どうしたのあんっ――――うわぁ…………」
闇命君から洩れた声の意味、それは前から迫ってきている人の影で理解出来た。
一人二人ならいい。だが、そんなことはない。
「…………何人……」
『…………百人以上入るかと。さすがにすべてを数えるのだけは勘弁していただきたいです、飽きます』
数を数えるのに飽きるのか百目、確かにそうだよな。うん。
「めんどくせぇぇぇぇぇぇぇえぇええええ!!!」
☆
時を遡り、紅音と夏楓は一人の青年を前に拳を握り構えていた。
闇命達と共に土蜘蛛を氷鬼家にお願いし草原を走っていると、どこからか声が聞こえ足を止めた。
周りを警戒していると、紅音と夏楓に足元に突如、大きな穴が開き二人はそのまま抗う事が出来ず落ちてしまった。
『紅音、夏楓!!!!』
『こちらは大丈夫です!! 早く先に行ってください!!』
優夏が手を伸ばし近くにいた紅音の手を掴もうとするが間に合わず、夏楓の言葉だけを残し闇の中へと完全に落ちてしまった。
優夏が迷わず中に落ちようとしたが、それを百目が止めた。
『この穴は闇が広がっております。それに、底を見る事が出来ません。どんなに深くても、底があれば見る事が出来るのですが…………』
「つまり、この穴はどこか違う空間に繋がっている可能性があるって事? それ、さすがにまずいんじゃ…………」
その時、優夏は靖弥と共に道満が作り出した空間に落ちた時の事を思い出す。あの時と同じかと納得し、闇が広がる穴の中を覗き込んだ。
「もし、あの時と同じなら、落ちた時の怪我はない。でも、あの空間からも抜け出す事が出来ないはず。助けに行かないと…………」
『君は、さっき夏楓が言った言葉を思い出すことはできる? 思い出して』
「え、さっき、夏楓が言っていた、言葉…………」
闇命の言葉に、優夏は思い出す。夏楓が最後に残した言葉を。
────こちらは大丈夫です!! 早く先に行ってください。
「────そう、言っていた。でも、信じて、もし琴平みたいになってしまったら…………」
『それでも、信じなければならない。もう、理解していると思っていたけど、違うの?』
闇命から見つめられ、優夏は何も言えなくなる。顔を俯かせ、拳を握った。
「…………わかった、行こう」
『大丈夫ですか、主』
立ち上がり歩き出そうとした優夏に、百目が声をかける。だが、彼は振り向かず、ただ一言、百目の問いに答えた。
「信じるって、決めたから」
それだけを言い、優夏は走り出す。
百目は不安そうに隣に立つ闇命を見るが、彼も何も言わず、優夏を見失わないように走り出した。
残された百目はわからないというように首を傾げるが、自身の主が走り出したため、自身も走り出し主二人を守るべく、ついて行った。
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