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最終決戦
四人
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動くことが出来なくなった二人。そんな二人を楽しそうに見ている静稀は、紅音の首筋を舐めた。
「~~~~~~~~触るな!!!」
我慢の限界となった紅音が、後ろにいる静稀に拳を振るい、拘束を解く。夏楓の後ろに移動し、傷ついた首元を抑えた。
爪先についた紅音の血を舐める静稀は、目を細め、体を震わせている二人を見た。
「ん-、甘いなぁ。女性の血は、やっぱり甘くて、美味しい。でも、紅音ちゃんだけじゃなくて、もう一人の子の血も舐めたいなぁ。甘いのかなぁ、苦いかなぁ? どっちでもいいけどねぇ。女性の血なら、何でも…………ね?」
にやぁと笑う静稀に悪寒が走り、紅音と夏楓は体を大きく震わせた。
ゆっくりと手を下ろす静稀しか見る事が出来ず、逃げたくても体を動かす事が出来ない。
カツ、カツ。
洞窟に響く一人の足音。その場で動けるのは一人、静稀が夏楓へと近付いて行く。
すぐ助けに入ろうと気を取り直した紅音だったが、足を一歩前に出した瞬間、ピキッと目に見えない何かによって完全に体を動かせなくなった。
氷柱女房を見るが、彼女も体を拘束されており、顔を歪めもがいていた。
「無駄だよぉ、俺の術からは逃れられない。悪いけど、君達はもう、僕の手のひらの上さ。この穴に落ちた時点で、俺を相手にした時点で、君達はもう負けは確定していたのさ」
「さてと」と、夏楓の前まで移動した静稀は、目を合わせるためその場にしゃがむ。
ニコニコした彼の顔が夏楓の視界に映り込む。目を逸らしたくても、逃げ出したくても。彼の拘束が、それを許してくれない。
彼の手が夏楓に伸びる。掴まれてしまえば、傷をつけられ、静稀に逆らえなくなる。
動かなければ、逃げなければ。この手に捕まれてはいけない、傷つけられてはいけない。
頭ではわかるのに、体を動かせない苦しみ。
汗が滲み、夏楓はただただ伸ばされる手を見つめるのみだった。
――――――――グサッ!!
「――――――――えっ」
「っ!? これ、氷柱?」
夏楓の前に、鮮血が舞い散る。地面が赤く染まり、静稀の身体がカタカタと震えていた。
口からは血を流し、お腹に刺さった三本の氷柱に手を添えた。
何が起きたのかわからない静稀は、ゆっくりと後ろを振り向いた。そこには、氷柱女房が右手を前に出し、何かを放った体勢で固まっていた。
『「その手で、俺の大事な仲間に触れるな」』
表情、口調が今までの氷柱女房とは違う。
声には怒気が込められ、目つきは氷のように冷たい。だが、その瞳には、冷たさだけでなく、微かなぬくもりを感じる。
その温もりは、二人は知っていた。いつも、感じていた。
「式神が、自ら動き出した? いや、それより、俺の拘束をどうやって、解いたの?」
理解出来ないまま、その場から立ち上がる。体は震えているが、痛みより困惑が勝っており、体に突き刺さっている氷柱を摩りながら氷柱女房を見た。
「困惑、しておりますね。私と目を合わせた事、近付いたこと。後悔してください」
氷柱女房を見ていた静稀の後ろから、夏楓の怒りが込められている声が聞こえた。
ゆっくりと振り向くと、その場に立ち上がり、姿勢を正し立っている夏楓の姿があった。
眉が吊り上がっており、目には怒りの炎が宿っている。そのような目を向けられている静稀は、一瞬息を飲み目を見開いた。
「貴方の術は、わかりました。いえ、貴方自身に教えていただきました」
「な、何を言っているの? 俺は、一度も術について話していない、口も滑らせていないはず。わかるはずがないと思うよ?」
「いえ、私にはわかるのです。だって、私、人の心中を読むことが出来ますので」
勝ち誇ったように言い切った夏楓の表情に、静稀は眉を顰め、歯をかみしめた。
「何を言っているのかわからないねぇ。心中を読むことが出来る? 人の心など、完全に読むことなど不可能。読むことが出来るのなら、俺達の人生はぬるすぎる。読めないからこそハラハラし、緊張するだろう? その胸の高鳴りを楽しみ、自分の好きな事をめいいっぱい堪能する。人の心を読めるようになってしまったら、胸の高鳴りが半減し、楽しめなくなるよ?」
「私には関係のないことです。信じないのなら結構、慣れておりますので特に気にしません。私は、私が出来る事を全力でやるだけです。全力でやり、貴方を倒します。この場にいる四人で。貴方を完膚なきまでに捻り潰します!!」
「~~~~~~~~触るな!!!」
我慢の限界となった紅音が、後ろにいる静稀に拳を振るい、拘束を解く。夏楓の後ろに移動し、傷ついた首元を抑えた。
爪先についた紅音の血を舐める静稀は、目を細め、体を震わせている二人を見た。
「ん-、甘いなぁ。女性の血は、やっぱり甘くて、美味しい。でも、紅音ちゃんだけじゃなくて、もう一人の子の血も舐めたいなぁ。甘いのかなぁ、苦いかなぁ? どっちでもいいけどねぇ。女性の血なら、何でも…………ね?」
にやぁと笑う静稀に悪寒が走り、紅音と夏楓は体を大きく震わせた。
ゆっくりと手を下ろす静稀しか見る事が出来ず、逃げたくても体を動かす事が出来ない。
カツ、カツ。
洞窟に響く一人の足音。その場で動けるのは一人、静稀が夏楓へと近付いて行く。
すぐ助けに入ろうと気を取り直した紅音だったが、足を一歩前に出した瞬間、ピキッと目に見えない何かによって完全に体を動かせなくなった。
氷柱女房を見るが、彼女も体を拘束されており、顔を歪めもがいていた。
「無駄だよぉ、俺の術からは逃れられない。悪いけど、君達はもう、僕の手のひらの上さ。この穴に落ちた時点で、俺を相手にした時点で、君達はもう負けは確定していたのさ」
「さてと」と、夏楓の前まで移動した静稀は、目を合わせるためその場にしゃがむ。
ニコニコした彼の顔が夏楓の視界に映り込む。目を逸らしたくても、逃げ出したくても。彼の拘束が、それを許してくれない。
彼の手が夏楓に伸びる。掴まれてしまえば、傷をつけられ、静稀に逆らえなくなる。
動かなければ、逃げなければ。この手に捕まれてはいけない、傷つけられてはいけない。
頭ではわかるのに、体を動かせない苦しみ。
汗が滲み、夏楓はただただ伸ばされる手を見つめるのみだった。
――――――――グサッ!!
「――――――――えっ」
「っ!? これ、氷柱?」
夏楓の前に、鮮血が舞い散る。地面が赤く染まり、静稀の身体がカタカタと震えていた。
口からは血を流し、お腹に刺さった三本の氷柱に手を添えた。
何が起きたのかわからない静稀は、ゆっくりと後ろを振り向いた。そこには、氷柱女房が右手を前に出し、何かを放った体勢で固まっていた。
『「その手で、俺の大事な仲間に触れるな」』
表情、口調が今までの氷柱女房とは違う。
声には怒気が込められ、目つきは氷のように冷たい。だが、その瞳には、冷たさだけでなく、微かなぬくもりを感じる。
その温もりは、二人は知っていた。いつも、感じていた。
「式神が、自ら動き出した? いや、それより、俺の拘束をどうやって、解いたの?」
理解出来ないまま、その場から立ち上がる。体は震えているが、痛みより困惑が勝っており、体に突き刺さっている氷柱を摩りながら氷柱女房を見た。
「困惑、しておりますね。私と目を合わせた事、近付いたこと。後悔してください」
氷柱女房を見ていた静稀の後ろから、夏楓の怒りが込められている声が聞こえた。
ゆっくりと振り向くと、その場に立ち上がり、姿勢を正し立っている夏楓の姿があった。
眉が吊り上がっており、目には怒りの炎が宿っている。そのような目を向けられている静稀は、一瞬息を飲み目を見開いた。
「貴方の術は、わかりました。いえ、貴方自身に教えていただきました」
「な、何を言っているの? 俺は、一度も術について話していない、口も滑らせていないはず。わかるはずがないと思うよ?」
「いえ、私にはわかるのです。だって、私、人の心中を読むことが出来ますので」
勝ち誇ったように言い切った夏楓の表情に、静稀は眉を顰め、歯をかみしめた。
「何を言っているのかわからないねぇ。心中を読むことが出来る? 人の心など、完全に読むことなど不可能。読むことが出来るのなら、俺達の人生はぬるすぎる。読めないからこそハラハラし、緊張するだろう? その胸の高鳴りを楽しみ、自分の好きな事をめいいっぱい堪能する。人の心を読めるようになってしまったら、胸の高鳴りが半減し、楽しめなくなるよ?」
「私には関係のないことです。信じないのなら結構、慣れておりますので特に気にしません。私は、私が出来る事を全力でやるだけです。全力でやり、貴方を倒します。この場にいる四人で。貴方を完膚なきまでに捻り潰します!!」
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