246 / 246
最終決戦
臭い
しおりを挟む
「何と言われようと、ワシは主の手はとらん。今ここで、主を斬る」
くそ、やっぱりそうだよな。簡単に味方になってくれるんだったら、ここまで追いかけ絵は来ないはず。それに、陰陽寮での話し合いのときに理解してくれているはずだ。
戦わなければならないのか、俺は、この人と。屍鬼家の陰陽頭である、屍鬼魕さんと。
雰囲気だけでわかる、この人は強い。俺と百目だけでは勝つのは難しいだろう。
それに、百目は先ほどからずっと戦ってくれてる。体力の限界が来ていてもおかしくはない。
横目で百目を確認するも案の定、肩で息をして汗を流している。
他の式神を出しても問題はないだろうか。今、闇命君のもとに残っている七人ミサキと雷火を操作しているのは闇命君。だが、法力は闇命君の本体である俺の体のを使っているはず。
他の式神を出して、万が一法力が足りなくなり俺が眠りについてしまったら。
いや、それだけはどうしても避けなければならない。絶対に、それだけは避けろ。
「考えている時間は与えた。ワシは主らの手を取る気もない。悪いが、行かせてもらうぞ」
「っ、くそ! 百目!!」
姿勢を低くし、俺に向かってかけだした魕さんの前に、百目が立ちふさがる。
ガキンという音を出し、魕さんからの攻撃を防いでくれた。
またしても押し合い、子の隙を利用できないか。
俺自身は武器を持っていない。何か物理的な武器を持っておくべきだったな。
百目に法力を少しずつ送るしかz出来ない。バランスを考え、送り過ぎず、ゆっくりと。
集中して、百目が少しでも戦いやすいように……。
『――――悪女野風《あくじょのかぜ》、ワシの邪魔をする者を惑わせよ。急急如律令』
っ、まさか、刀を握りながら式神を出す事が出来るの!? お札に法力を送り込むことが出来ないんじゃ……。
あ、魕さんの背後に一人の女性が現れる。
その女性は黒い腰まで長い髪を翻し、白い着物を身に纏っている。足はよく見ると歪んでおり無い。
頭には、三角の白い布、天冠を付けている。
…………幽霊? え、まるっきり漫画やアニメに出て来る幽霊なんだけど。手を胸元で下を向けているし。
えっと、悪女野風って言っていたよな。どのような妖なんだ。
うわぁ、闇命君がいないから妖の説明をしてくれる人もいない。こういう時はマジで闇命君の知識が欲しいよぉ。
何をされるのか、どのような事が出来るのか。あての動きを見てからじゃないと動けない。
『悪女野風……。たしか、屍鬼家で代々引き継がれている式神だったはずです。川天狗とはまた異なるやり方で相手を惑わす事を得意としたはずです。毒を扱う事も出来るため、注意が必要です!』
「あ、ありがとう!」
百目、まさか悪女野風を知っているなんて思わなかった。
「さすが、煌命の式神だ、ワシの父上が絶賛していただけの事はある」
『私の現主は闇命様です。間違えないでいただきたい』
「それは悪かったな」
ギリギリと押し合う刀の中、百目は俺に助言を言ってくれるのと同時に怒りをぶつけている。
そんな中、魕さんの背後に現れた悪女野風が動き出した。
下げていた手を口元に持って行き、口を開く。大きく息を吸うと、俺に向けて何かを吐き出してきた。
さっき、毒を扱う事が出来ると百目が言っていた。今から吐き出されるのは体に有害のある毒かも。逃げないとッ―――………
『ふぅぅぅうううう』
やば、まにあわっ―――ッ!?!?
『っ!? これは!』
百目の方にも行ったらしいな、吐き出された息。刀の押し合いが出来なくなった百目がその場に膝をつき口と鼻を片手で押さえている。そんな百目を魕さんが冷静に見下ろしている。
これは、たまらん。これは―――
「くっさぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!」
なんだこの匂い! 生ごみがたくさん入っているゴミ箱に顔を突っ込んでいるような臭い!! 鼻が曲がる、涙が出てきた。
なんだこれ、逃げても意味ないじゃないか! もしかしてこれが毒なのか!? 鼻が曲がるほどに臭い毒《息》的な!?
確かにこれは体に悪そうだし、毒と言われても納得だよ!!
「やはり、一番使いやすいな」
っ、しまった!! 百目に魕さんが刀を振りかぶってしまった。
百目は匂いのあまり周りを気にする余裕がないみたい、ヒザマついている。
「百目! 避けろ!!」
『っ!!』
俺の声で気づいたが、もう避けられない!!
――――――――バシャン!!!!
「っ――――――――み、水?」
魕さんの足元から急に水が放出した。
水って事は―――…………
くそ、やっぱりそうだよな。簡単に味方になってくれるんだったら、ここまで追いかけ絵は来ないはず。それに、陰陽寮での話し合いのときに理解してくれているはずだ。
戦わなければならないのか、俺は、この人と。屍鬼家の陰陽頭である、屍鬼魕さんと。
雰囲気だけでわかる、この人は強い。俺と百目だけでは勝つのは難しいだろう。
それに、百目は先ほどからずっと戦ってくれてる。体力の限界が来ていてもおかしくはない。
横目で百目を確認するも案の定、肩で息をして汗を流している。
他の式神を出しても問題はないだろうか。今、闇命君のもとに残っている七人ミサキと雷火を操作しているのは闇命君。だが、法力は闇命君の本体である俺の体のを使っているはず。
他の式神を出して、万が一法力が足りなくなり俺が眠りについてしまったら。
いや、それだけはどうしても避けなければならない。絶対に、それだけは避けろ。
「考えている時間は与えた。ワシは主らの手を取る気もない。悪いが、行かせてもらうぞ」
「っ、くそ! 百目!!」
姿勢を低くし、俺に向かってかけだした魕さんの前に、百目が立ちふさがる。
ガキンという音を出し、魕さんからの攻撃を防いでくれた。
またしても押し合い、子の隙を利用できないか。
俺自身は武器を持っていない。何か物理的な武器を持っておくべきだったな。
百目に法力を少しずつ送るしかz出来ない。バランスを考え、送り過ぎず、ゆっくりと。
集中して、百目が少しでも戦いやすいように……。
『――――悪女野風《あくじょのかぜ》、ワシの邪魔をする者を惑わせよ。急急如律令』
っ、まさか、刀を握りながら式神を出す事が出来るの!? お札に法力を送り込むことが出来ないんじゃ……。
あ、魕さんの背後に一人の女性が現れる。
その女性は黒い腰まで長い髪を翻し、白い着物を身に纏っている。足はよく見ると歪んでおり無い。
頭には、三角の白い布、天冠を付けている。
…………幽霊? え、まるっきり漫画やアニメに出て来る幽霊なんだけど。手を胸元で下を向けているし。
えっと、悪女野風って言っていたよな。どのような妖なんだ。
うわぁ、闇命君がいないから妖の説明をしてくれる人もいない。こういう時はマジで闇命君の知識が欲しいよぉ。
何をされるのか、どのような事が出来るのか。あての動きを見てからじゃないと動けない。
『悪女野風……。たしか、屍鬼家で代々引き継がれている式神だったはずです。川天狗とはまた異なるやり方で相手を惑わす事を得意としたはずです。毒を扱う事も出来るため、注意が必要です!』
「あ、ありがとう!」
百目、まさか悪女野風を知っているなんて思わなかった。
「さすが、煌命の式神だ、ワシの父上が絶賛していただけの事はある」
『私の現主は闇命様です。間違えないでいただきたい』
「それは悪かったな」
ギリギリと押し合う刀の中、百目は俺に助言を言ってくれるのと同時に怒りをぶつけている。
そんな中、魕さんの背後に現れた悪女野風が動き出した。
下げていた手を口元に持って行き、口を開く。大きく息を吸うと、俺に向けて何かを吐き出してきた。
さっき、毒を扱う事が出来ると百目が言っていた。今から吐き出されるのは体に有害のある毒かも。逃げないとッ―――………
『ふぅぅぅうううう』
やば、まにあわっ―――ッ!?!?
『っ!? これは!』
百目の方にも行ったらしいな、吐き出された息。刀の押し合いが出来なくなった百目がその場に膝をつき口と鼻を片手で押さえている。そんな百目を魕さんが冷静に見下ろしている。
これは、たまらん。これは―――
「くっさぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!」
なんだこの匂い! 生ごみがたくさん入っているゴミ箱に顔を突っ込んでいるような臭い!! 鼻が曲がる、涙が出てきた。
なんだこれ、逃げても意味ないじゃないか! もしかしてこれが毒なのか!? 鼻が曲がるほどに臭い毒《息》的な!?
確かにこれは体に悪そうだし、毒と言われても納得だよ!!
「やはり、一番使いやすいな」
っ、しまった!! 百目に魕さんが刀を振りかぶってしまった。
百目は匂いのあまり周りを気にする余裕がないみたい、ヒザマついている。
「百目! 避けろ!!」
『っ!!』
俺の声で気づいたが、もう避けられない!!
――――――――バシャン!!!!
「っ――――――――み、水?」
魕さんの足元から急に水が放出した。
水って事は―――…………
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
悪役皇子、ざまぁされたので反省する ~ 馬鹿は死ななきゃ治らないって… 一度、死んだからな、同じ轍(てつ)は踏まんよ ~
shiba
ファンタジー
魂だけの存在となり、邯鄲(かんたん)の夢にて
無名の英雄
愛を知らぬ商人
気狂いの賢者など
様々な英霊達の人生を追体験した凡愚な皇子は自身の無能さを痛感する。
それゆえに悪徳貴族の嫡男に生まれ変わった後、謎の強迫観念に背中を押されるまま
幼い頃から努力を積み上げていた彼は、図らずも超越者への道を歩み出す。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
陰陽寮まで読ませていただきました。
陰陽師といえば式神に九字切りに急急如律令だよねと思いながら読み進めていたので、水人退治のシーンでテンション上がりました!
今後もうすでに出てきているのかもしれませんが、色々な式神を使役するところを見てみたいですね。
タイトルに偽りなく闇命君が徹頭徹尾生意気なのが可愛いです。優夏君は大変な状況だとは思いますが、個人的にもっと振り回されてほしいです。
素敵な小説を紹介していただきありがとうございました。続きも読ませていただきます!