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ひと時の休息
これだと何も出来ないから無理やり軌道修正するしかない
「まさかリヒトにあそこまで押されるなんて思わなかった」
「アルカが一番物理攻撃かと思いきや、リヒトだったんだね」
「みたいだな」
ひとまず、リヒトには勝った、ギリギリで。
最後、炎の鳥籠を消して、瞬時に炎の竜に切り替えたことで、鎖を押し返し何とか危機は脱した。
すぐさま ala・waterを出し空中へ移動。
lamawaterへと切りかえ、水の刀で杖をたたき落とし、戦闘終了。
「それにしても、炎の竜を出すのはさすがに大人げないんじゃない?」
「うるせぇよ、お前もリヒトと戦ってみ? マジで死ぬかと思ったぞ」
「さすがにびっくりしたね。知里に似てきたのかなぁ」
おい、なんだその顔。何でそんなにがっかりしてんだよ。
まぁ、俺には似てほしくない気持ちがあるのは仕方がないが、なんとなく複雑な気持ちだ。
「カガミヤさん、お怪我はありませんか?」
「ひとまずは無事だぞ。それにしても、リヒトも強くなったな、流石に驚いた」
今度はアクアとアルカが準備してくれた水筒で水分補給しながら休憩。
隣に座っているリヒトに言うと、満面な笑みを浮かべた。
「少しの期間でしたが、学校で学びましたので。それに、エトワールさんからの無茶ぶりで、自分自身成長できたと思っています」
エトワールからの無茶ぶりは結構えぐかっただろうなぁ。
想像したくもない。
「それに、魔法一つでさまざまな使い方が出来ると言うのも学びました。なので、ここまで動けるようになったんですよ」
水を飲んでいるリヒトを横目で見ると、なんだか清々しい表情を浮かべていた。
…………綺麗になったなぁ~。
まぁ、まだまだ子供だけど。少しは成長した?
いやいや、俺がこっちの世界に来てまだ数年も経ってないんだぞ。なんだたら一年も経ってないんじゃないか?
それで成長したわぁって思うのは、さすがにおかしい。気のせい、気のせい。
「…………あの、なんですか?」
あっ、俺の視線が煩わしかったか?
苦笑しながら俺を見てくる。
「いや、大人になったなぁって思ってな」
「そうですか?」
「あぁ。まだまだ顔立ちは幼いけど」
「それ、褒めてます?」
「褒めているつもりはないぞ」
「そうですか……」
なんか、リヒトが不機嫌になってしまった。
まぁ、いいや。
とりあえず、なまった体は少し動けるようになったし、後は休もうか。
「――――あっ。そういえば、ロゼ姫とグレールはどこにいるんだ?」
「今の今まで忘れてたの?」
「忘れていたというか、グレールがいればロゼ姫は問題ないんじゃないかなっていうのはある。それに、何かあれば絶対に知らせてくるだろう」
「それはそうだね」
アマリアがアクアの頭を撫でながら俺の話を聞いていた。
アクアが嬉しそうで何よりだよ。
「今は、まだ部屋の中で休んでいるはずだよ。魔力が枯渇していたからずっと眠っていたからね」
「まぁ、そうだろうな。体もなまっているんじゃないか?」
「そこはグレールがストレッチとかさせているんじゃないかな。任せていいとは思うけど、一応確認してみようか」
「そうだな」
アマリアの言葉でみんなが立ちあがり、森を出た。
※
「グレール、入るぞー」
ツムリア帝国の宿屋に来た俺達は、グレール達が止まっている部屋にたどり着いた。
中に声をかけると『はい』と返事が聞こえたからドアを開けた。
「おー、起きていたか」
「おかげさまで。ご心配をおかけしました」
ロゼ姫は、ベッドの上に座っていた。
その隣に椅子を準備して、グレールも座っている。
「チサト様も元気になられたようで良かったです」
「お互いにな。ロゼ姫はまだ動けない感じか?」
聞くと、首を横に振った。
「動けますよ。ただ、グレールが許してくれないのです」
「当たり前です。ロゼ姫は口で大丈夫と言っていますが、必ず無理しているでしょう。無理しているとわかっているのに、私がロゼ姫の望みを叶えるとでも?」
「このような感じなのです。私は本当に大丈夫なのですが、グレールを説得できないのですよ」
ロゼ姫がため息を吐いている。
これは、無理しているようには見えないな。
どちらかと言うと、グレールが困らせているじゃないか。
これはこれで、難しいなぁ。
「グレール、ロゼ姫もそう言っているわけだし、もうそろそろ出歩くくらいはいいんじゃないか?」
「駄目ですよ。また捕まってしまうかもしれません。そうなれば、弱っているロゼ姫では耐えられないかもしれないじゃないですか」
「そんなこと言われてもなぁ……」
グレールがここまで頑固になるのも珍しいなぁ。
ロゼ姫からの命令は絶対に聞いていたのに、今回は頑なに拒んでいる。
もしかして、ロゼ姫がさらわれたことが俺達が思っている以上に、グレールの中でトラウマになっているのか?
そうでないと、ここまで頑なにならない気がする。
「…………グレール、少し俺と歩かないか?」
「嫌です」
「いいからいいから」
「なっ! ちょっと!」
アマリアに視線を送ると、察してくれた。
「ロゼは僕達が見ているから、安心して行ってらっしゃい」
「な、え?」
困惑しているグレールの背中を無理やり押して、俺と二人で宿屋から外に出た。
「アルカが一番物理攻撃かと思いきや、リヒトだったんだね」
「みたいだな」
ひとまず、リヒトには勝った、ギリギリで。
最後、炎の鳥籠を消して、瞬時に炎の竜に切り替えたことで、鎖を押し返し何とか危機は脱した。
すぐさま ala・waterを出し空中へ移動。
lamawaterへと切りかえ、水の刀で杖をたたき落とし、戦闘終了。
「それにしても、炎の竜を出すのはさすがに大人げないんじゃない?」
「うるせぇよ、お前もリヒトと戦ってみ? マジで死ぬかと思ったぞ」
「さすがにびっくりしたね。知里に似てきたのかなぁ」
おい、なんだその顔。何でそんなにがっかりしてんだよ。
まぁ、俺には似てほしくない気持ちがあるのは仕方がないが、なんとなく複雑な気持ちだ。
「カガミヤさん、お怪我はありませんか?」
「ひとまずは無事だぞ。それにしても、リヒトも強くなったな、流石に驚いた」
今度はアクアとアルカが準備してくれた水筒で水分補給しながら休憩。
隣に座っているリヒトに言うと、満面な笑みを浮かべた。
「少しの期間でしたが、学校で学びましたので。それに、エトワールさんからの無茶ぶりで、自分自身成長できたと思っています」
エトワールからの無茶ぶりは結構えぐかっただろうなぁ。
想像したくもない。
「それに、魔法一つでさまざまな使い方が出来ると言うのも学びました。なので、ここまで動けるようになったんですよ」
水を飲んでいるリヒトを横目で見ると、なんだか清々しい表情を浮かべていた。
…………綺麗になったなぁ~。
まぁ、まだまだ子供だけど。少しは成長した?
いやいや、俺がこっちの世界に来てまだ数年も経ってないんだぞ。なんだたら一年も経ってないんじゃないか?
それで成長したわぁって思うのは、さすがにおかしい。気のせい、気のせい。
「…………あの、なんですか?」
あっ、俺の視線が煩わしかったか?
苦笑しながら俺を見てくる。
「いや、大人になったなぁって思ってな」
「そうですか?」
「あぁ。まだまだ顔立ちは幼いけど」
「それ、褒めてます?」
「褒めているつもりはないぞ」
「そうですか……」
なんか、リヒトが不機嫌になってしまった。
まぁ、いいや。
とりあえず、なまった体は少し動けるようになったし、後は休もうか。
「――――あっ。そういえば、ロゼ姫とグレールはどこにいるんだ?」
「今の今まで忘れてたの?」
「忘れていたというか、グレールがいればロゼ姫は問題ないんじゃないかなっていうのはある。それに、何かあれば絶対に知らせてくるだろう」
「それはそうだね」
アマリアがアクアの頭を撫でながら俺の話を聞いていた。
アクアが嬉しそうで何よりだよ。
「今は、まだ部屋の中で休んでいるはずだよ。魔力が枯渇していたからずっと眠っていたからね」
「まぁ、そうだろうな。体もなまっているんじゃないか?」
「そこはグレールがストレッチとかさせているんじゃないかな。任せていいとは思うけど、一応確認してみようか」
「そうだな」
アマリアの言葉でみんなが立ちあがり、森を出た。
※
「グレール、入るぞー」
ツムリア帝国の宿屋に来た俺達は、グレール達が止まっている部屋にたどり着いた。
中に声をかけると『はい』と返事が聞こえたからドアを開けた。
「おー、起きていたか」
「おかげさまで。ご心配をおかけしました」
ロゼ姫は、ベッドの上に座っていた。
その隣に椅子を準備して、グレールも座っている。
「チサト様も元気になられたようで良かったです」
「お互いにな。ロゼ姫はまだ動けない感じか?」
聞くと、首を横に振った。
「動けますよ。ただ、グレールが許してくれないのです」
「当たり前です。ロゼ姫は口で大丈夫と言っていますが、必ず無理しているでしょう。無理しているとわかっているのに、私がロゼ姫の望みを叶えるとでも?」
「このような感じなのです。私は本当に大丈夫なのですが、グレールを説得できないのですよ」
ロゼ姫がため息を吐いている。
これは、無理しているようには見えないな。
どちらかと言うと、グレールが困らせているじゃないか。
これはこれで、難しいなぁ。
「グレール、ロゼ姫もそう言っているわけだし、もうそろそろ出歩くくらいはいいんじゃないか?」
「駄目ですよ。また捕まってしまうかもしれません。そうなれば、弱っているロゼ姫では耐えられないかもしれないじゃないですか」
「そんなこと言われてもなぁ……」
グレールがここまで頑固になるのも珍しいなぁ。
ロゼ姫からの命令は絶対に聞いていたのに、今回は頑なに拒んでいる。
もしかして、ロゼ姫がさらわれたことが俺達が思っている以上に、グレールの中でトラウマになっているのか?
そうでないと、ここまで頑なにならない気がする。
「…………グレール、少し俺と歩かないか?」
「嫌です」
「いいからいいから」
「なっ! ちょっと!」
アマリアに視線を送ると、察してくれた。
「ロゼは僕達が見ているから、安心して行ってらっしゃい」
「な、え?」
困惑しているグレールの背中を無理やり押して、俺と二人で宿屋から外に出た。
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