チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします

桜桃-サクランボ-

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本気のダンジョン攻略

全体魔法って雑魚にはいいけど、仲間も喰らうから一言欲しい

 噴水に近付くと、やはり濁りのない水が流れ出ていて、触ってみても冷たくて気持ちがいい。

「顔、洗えそう」
「今洗ってどうするの。何か気になるの?」
「いや、顔が洗えそうなくらい綺麗だなって思っただけだ」
「例えが独特すぎるよ。今、ほんとに洗うのかと思ってびっくりした」

 別に、顔を洗っても良くないか?
 まぁ、洗わないけど。

「んじゃ、魔力を送り込むぞ」

 下に溜まっている水にちゃぷんと触れ、魔力を流し込む。
 頃合いだと思ったところで、水を操作するイメージを頭に描いた。

 水はくるくると竜巻のように浮き上がり、下に溜まっていた分をすべて持ち上げる。
 噴水から流れ出る水も、上に浮かせた水へと繋げるように調整した。

 これで下には落ちない。
 噴水の底をゆっくり確認できる。

「何か気になるものはあるか?」
「んー、穴とかはないみたい。ちょっと地面を壊してみるから、魔力を借りるよ」
「おー」

 確かに、ぱっと見た感じ怪しいものはない。

sunetスネト

 地面に手を触れ、音魔法を発動。
 地面は震えているようだが、穴が開く様子はない。

「本当に噴水の下にダンジョンが広がっているのか?」
「大きな空間があるのは確かだよ――――あ」
「え?」

 何かに気付いたらしいアマリアが、上を見上げた。

「――――ギミック系だね」
「謎解きか?」
「いや、単純。多分、これ動かせるよ」

 噴水の水が出ている部分を、アマリアが体を使って押し始めた。

「んー!!!!」
「大人の姿になればいいんじゃないか?」
「知里が手伝えばいいだけだと思う」
「俺は水を浮かせるので必死なんだよ。そこで意識を逸らしたら、水が上から降り注ぐぞ。ずぶ濡れになりたいか?」
「さいてー」
「言ってろ」

 ふてくされつつも、アマリアは大人の姿になった。
 体重をかけて押す。

 ――――ズズズズズズズ

「おっ、動いた動いた」
「重たかったぁ……」

 あ、もう子供の姿に戻った。

「ずっと大人の姿でいればいいんじゃないか?」
「子供の姿の方が機動力高いんだよね。スイスイ動ける方がストレスないし、体も軽いの」
「へー」

 まぁいい。とりあえず動いた。

 下を覗くと、一人ずつしか進めなさそうな階段が現れていた。

「これか」

 水を横に落とし、内部を覗き込む。
 暗くて何も見えない。

 炎魔法を手に灯すと、少し奥まで見えるようになる。
 だが、階段が続いていることしか分からない。

「とりあえず、下りてみようか」
「そうだな」

 警戒しながら階段を進む。

 ――――カツン、カツン

 足音が壁に反響する。
 一応魔力を感知してみるが、モンスターの気配はない。

「めっちゃ暗い」
「闇の中に入り込んだ感じだよね。照らしているのに、明るい範囲が狭すぎる。もう少し明るくできないの?」
「できるが……」

 魔力を多めに流し込んだ瞬間――――ボンッ!!

「っ! 何爆発起こしてるのさ! さすがにびっくりしたよ」
「お、俺もびっくりした。人間って驚きすぎると無言になるんだなぁ」
「知らないよ。とりあえず、それ以上は爆発するの分かったでしょ。さっきの明るさでいいから早く灯して」
「へいへい」

 再び炎を灯した瞬間――――目の前に、蝙蝠?

「――――蝙蝠の大量発生!?」

 一瞬で囲まれた!?

vibrationヴィブラシオン!」
「ぎゃぁぁぁあああ!!」

 ――――ギャァァァァァアアアア!!!

「……ごめん、咄嗟に魔法撃っちゃった」
「蝙蝠たちと同じ声出してしまった……」

 アマリアの音魔法、味方を巻き込む可能性を忘れそうになるんだよなぁ。
 というか、咄嗟に撃たないでほしい。
 一言くれれば身構えられるのに……。

「まぁ、気を取り直して進もうか」
「お前が言うな」
「……ごめん。でも、もう慣れてもよくない?」
「咄嗟に撃つ方が悪いでーす」
「そうかなぁ」

 まだぶつぶつ言っているアマリアを無視して、炎を灯し直し、先へ進む。

 変なもの、出てきませんよーに。
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