48 / 56
第三部 決着をつけてやろう!
第四十七話 四天王の一角と戦ってやろう!
しおりを挟む
ラウネンは仕切り直すように、手を大きく叩いた。
「さて! お喋りはこの辺にして……そろそろ始めようかっ」
「戦闘をか」
「んー、あれ? 気乗りしない?」
ラウネンはへらへらと笑った。
「戦闘を始めるのは一向に構わない。我が輩もそのつもりだ。ただ……」
我が輩は顔を上に向け、ラウネンを見た。
「貴様、我が輩に勝てると思っているのか?」
「魔力の残ってないキミに何が出来るのかなあ?」
ラウネンはそう言ってニヤニヤと笑った。
「……随分と舐められたものだな」
我が輩は床を蹴り、一瞬にしてラウネンの懐に入る。
そして、ラウネンの頬を魔力を込めて殴った。
悲鳴を上げる間もなくラウネンの身体は宙に飛び上がり、高速で横回転する。
その遠心力で四肢と頭が胴体から千切れた。
床や壁に血液を撒き散らしながら、ラウネンの身体達がぼとぼとと床に落ちる。
「し、死んだ……?」
それを見ていたコレールが震える声で尋ねた。
「否」
ラウネンは死んでから真価を発揮する。
床に落ちていた四肢と頭がピクリと動いた。
すると、ラウネンの体らはずるずると床を這いずりながらmラウネンの胴体に向かい始める。
各々、元の場所に収まると、ラウネンは何事もなかったかのように立ち上がった。
「いてて……。嘘でしょー。まだそんなに魔力が残ってるなんてさっ! 本当に怪物だね」
「い、生き返った……!?」
コレールとグロルは目を剥いた。
「生き返ったのではなく、生きていた頃に戻ったのだ」
ラウネンは時間に関する魔法を得意とする。
五体満足で生きていた頃に身体の時が戻るよう、予め自身の身体に《時間逆行》魔法をかけてあるのだ。
例え身体が粉微塵になったとしても、数秒後には元に戻る。
実質不死身のラウネンだが、殺す方法はある。
魔法を使えないようにする魔法《封印》をラウネンの身体に施せば良い。
生きていた頃に戻る魔法を封じてしまえば、ラウネンは復活出来ない。
貴様の攻略法は既に知っている。
「終わりだ、ラウネン」
我が輩がラウネンに《封印》をかけると、魔法陣がかかれた実体のない鎖がラウネンの体に巻きつく。
「絶対嫌だねっ! フラットリー、やれ!」
「はい」
直後、フラットリーがラウネンにかかった《封印》を解き、《封印》の鎖が割れて散った。
ラウネンは我が輩を見て、勝ち誇った顔をした。
「にゃぱぱぱっ! フラットリーを創って良かったなあ。《封印》という弱点のないボクは不死身! さあ! どうやってボクを殺すっ!?」
我が輩はラウネンの頭を掴んで握り潰した。
ラウネンは膝をつく。
倒れる前にラウネンの頭は《時間逆行》魔法で元に戻った。
「な、何──」
ラウネンが何かを言い終わる前に、手を横に薙いで、ラウネンの頭と胴体を分離させる。
頭は床に落ちる前に、胴体へと戻っていく。
そして、ラウネンの意識が戻ったところでラウネンに言う。
「丁度良い。一度殺しただけでは腹の虫が治まらないと思っていた」
ラウネンの首を掴んで、首の骨を折った。
直ぐに、折れ曲がった首が真っ直ぐになる。
「何度でも殺そう」
ラウネンの口の中に手を突っ込み、後頭部まで手を貫通させる。
ずるりと手を引き抜くと、空いた穴が塞がる。
「我が輩の魔力が尽きるのが先か。貴様の精神が耐えられなくなるのが先か」
ラウネンの首を絞めるが、力加減を間違えて、握り潰してしまう。
細くなった首は元の太さに戻る。
「勝負しようではないか」
殺して、元に戻って、殺して、元に戻って……。
それを十数回繰り返したところで、ラウネンはようやく自分の置かれた状況を理解したらしく、我が輩に背を向けて逃げ出した。
我が輩は追いかけて、ラウネンを殺した。
元々、我が輩とラウネンでは戦闘に対する姿勢が全く違う。
我が輩が戦闘を好んで行うのに対し、ラウネンは戦闘を避け、敵の紛れ込み、内側から崩壊させることに注力していた。
それでは、一生我が輩には勝てぬ。
「フラットリー! 何やってる! ボクを助けろっ!」
自分だけではどうしようもないと悟ったラウネンは、立ち尽くしているフラットリーをキッと睨みつけた。
フラットリーは降参とでも言うように両手を頭の横まで上げた。
「助けると言われましても……。こんなのに喧嘩売る気にはなれませんよ」
「この役立たずがっ! さっさと攻撃しろっ! お前を創ったのはボクだぞっ!」
「……はあ。わかりました」
フラットリーは渋々我が輩に向かって、《吹雪》を放つ準備をする。
我が輩は反射的に《防御》した。
「止めろよ! ボース!」
そう叫んで、グロルがフラットリーに掴みかかった。
フラットリーは《吹雪》の準備を即座に止め、《転移》を使ってそれを避けた。
そこにいるはずだったフラットリーがいなくなったことで、グロルは床に顔面を打ち付ける。
「びっくりしたな。急になんだい?」
「創られたからって、そいつに従う必要なんてねえよ!」
グロルはぶつけた鼻を手で押さえながら、顔を上げてフラットリーを見上げる。
「ウィナに攻撃したらお前は絶対後悔する! だって、仲間なんだから!」
それを聞いて、ラウネンがニヤリと笑った。
我が輩はラウネンが何かを企んでいると気づいた。
しかし、フラットリーとグロルの動向が気になって、ラウネンから目を離してしまった。
その一瞬の隙をつき、ラウネンがグロル達の元へと《転移》した。
「貴様……!」
ラウネンを追いかけようと脚に力を入れる。
ラウネンはグロルの頭を両手で掴み、無理矢理自分の顔へと向かせた。
そして、
「《キミはボクの仲間》だよ。《ウィナはキミの親の仇だ》。《一緒にウィナを殺そう》っ!」
そう、嘯いた。
ラウネンに追いついた我が輩は、グロルから引き剥がそうとラウネンの首を掴もうとする。
そのとき、グロルが我が輩を突き飛ばした。
我が輩の手が空を掴む。
「グロル……?」
「そうだった……。なんで忘れてたんだろう」
そう言って、グロルは我が輩を殺さんばかりに睨みつけた。
「お前は仲間なんかじゃねえ。親の仇だ!」
「どうして」とコレールが困惑している。
我が輩には理由がわかっていた。
グロルはラウネンの魔法で偽の記憶を植え付けられたのだ。
ボースハイトのように!
「貴様、何処まで我が輩を怒らせれば気が済むのだ」
「キミを一度怒らせたら終わりだからね。なら、とことんまで怒らせるしかないじゃーんっ!」
「さて! お喋りはこの辺にして……そろそろ始めようかっ」
「戦闘をか」
「んー、あれ? 気乗りしない?」
ラウネンはへらへらと笑った。
「戦闘を始めるのは一向に構わない。我が輩もそのつもりだ。ただ……」
我が輩は顔を上に向け、ラウネンを見た。
「貴様、我が輩に勝てると思っているのか?」
「魔力の残ってないキミに何が出来るのかなあ?」
ラウネンはそう言ってニヤニヤと笑った。
「……随分と舐められたものだな」
我が輩は床を蹴り、一瞬にしてラウネンの懐に入る。
そして、ラウネンの頬を魔力を込めて殴った。
悲鳴を上げる間もなくラウネンの身体は宙に飛び上がり、高速で横回転する。
その遠心力で四肢と頭が胴体から千切れた。
床や壁に血液を撒き散らしながら、ラウネンの身体達がぼとぼとと床に落ちる。
「し、死んだ……?」
それを見ていたコレールが震える声で尋ねた。
「否」
ラウネンは死んでから真価を発揮する。
床に落ちていた四肢と頭がピクリと動いた。
すると、ラウネンの体らはずるずると床を這いずりながらmラウネンの胴体に向かい始める。
各々、元の場所に収まると、ラウネンは何事もなかったかのように立ち上がった。
「いてて……。嘘でしょー。まだそんなに魔力が残ってるなんてさっ! 本当に怪物だね」
「い、生き返った……!?」
コレールとグロルは目を剥いた。
「生き返ったのではなく、生きていた頃に戻ったのだ」
ラウネンは時間に関する魔法を得意とする。
五体満足で生きていた頃に身体の時が戻るよう、予め自身の身体に《時間逆行》魔法をかけてあるのだ。
例え身体が粉微塵になったとしても、数秒後には元に戻る。
実質不死身のラウネンだが、殺す方法はある。
魔法を使えないようにする魔法《封印》をラウネンの身体に施せば良い。
生きていた頃に戻る魔法を封じてしまえば、ラウネンは復活出来ない。
貴様の攻略法は既に知っている。
「終わりだ、ラウネン」
我が輩がラウネンに《封印》をかけると、魔法陣がかかれた実体のない鎖がラウネンの体に巻きつく。
「絶対嫌だねっ! フラットリー、やれ!」
「はい」
直後、フラットリーがラウネンにかかった《封印》を解き、《封印》の鎖が割れて散った。
ラウネンは我が輩を見て、勝ち誇った顔をした。
「にゃぱぱぱっ! フラットリーを創って良かったなあ。《封印》という弱点のないボクは不死身! さあ! どうやってボクを殺すっ!?」
我が輩はラウネンの頭を掴んで握り潰した。
ラウネンは膝をつく。
倒れる前にラウネンの頭は《時間逆行》魔法で元に戻った。
「な、何──」
ラウネンが何かを言い終わる前に、手を横に薙いで、ラウネンの頭と胴体を分離させる。
頭は床に落ちる前に、胴体へと戻っていく。
そして、ラウネンの意識が戻ったところでラウネンに言う。
「丁度良い。一度殺しただけでは腹の虫が治まらないと思っていた」
ラウネンの首を掴んで、首の骨を折った。
直ぐに、折れ曲がった首が真っ直ぐになる。
「何度でも殺そう」
ラウネンの口の中に手を突っ込み、後頭部まで手を貫通させる。
ずるりと手を引き抜くと、空いた穴が塞がる。
「我が輩の魔力が尽きるのが先か。貴様の精神が耐えられなくなるのが先か」
ラウネンの首を絞めるが、力加減を間違えて、握り潰してしまう。
細くなった首は元の太さに戻る。
「勝負しようではないか」
殺して、元に戻って、殺して、元に戻って……。
それを十数回繰り返したところで、ラウネンはようやく自分の置かれた状況を理解したらしく、我が輩に背を向けて逃げ出した。
我が輩は追いかけて、ラウネンを殺した。
元々、我が輩とラウネンでは戦闘に対する姿勢が全く違う。
我が輩が戦闘を好んで行うのに対し、ラウネンは戦闘を避け、敵の紛れ込み、内側から崩壊させることに注力していた。
それでは、一生我が輩には勝てぬ。
「フラットリー! 何やってる! ボクを助けろっ!」
自分だけではどうしようもないと悟ったラウネンは、立ち尽くしているフラットリーをキッと睨みつけた。
フラットリーは降参とでも言うように両手を頭の横まで上げた。
「助けると言われましても……。こんなのに喧嘩売る気にはなれませんよ」
「この役立たずがっ! さっさと攻撃しろっ! お前を創ったのはボクだぞっ!」
「……はあ。わかりました」
フラットリーは渋々我が輩に向かって、《吹雪》を放つ準備をする。
我が輩は反射的に《防御》した。
「止めろよ! ボース!」
そう叫んで、グロルがフラットリーに掴みかかった。
フラットリーは《吹雪》の準備を即座に止め、《転移》を使ってそれを避けた。
そこにいるはずだったフラットリーがいなくなったことで、グロルは床に顔面を打ち付ける。
「びっくりしたな。急になんだい?」
「創られたからって、そいつに従う必要なんてねえよ!」
グロルはぶつけた鼻を手で押さえながら、顔を上げてフラットリーを見上げる。
「ウィナに攻撃したらお前は絶対後悔する! だって、仲間なんだから!」
それを聞いて、ラウネンがニヤリと笑った。
我が輩はラウネンが何かを企んでいると気づいた。
しかし、フラットリーとグロルの動向が気になって、ラウネンから目を離してしまった。
その一瞬の隙をつき、ラウネンがグロル達の元へと《転移》した。
「貴様……!」
ラウネンを追いかけようと脚に力を入れる。
ラウネンはグロルの頭を両手で掴み、無理矢理自分の顔へと向かせた。
そして、
「《キミはボクの仲間》だよ。《ウィナはキミの親の仇だ》。《一緒にウィナを殺そう》っ!」
そう、嘯いた。
ラウネンに追いついた我が輩は、グロルから引き剥がそうとラウネンの首を掴もうとする。
そのとき、グロルが我が輩を突き飛ばした。
我が輩の手が空を掴む。
「グロル……?」
「そうだった……。なんで忘れてたんだろう」
そう言って、グロルは我が輩を殺さんばかりに睨みつけた。
「お前は仲間なんかじゃねえ。親の仇だ!」
「どうして」とコレールが困惑している。
我が輩には理由がわかっていた。
グロルはラウネンの魔法で偽の記憶を植え付けられたのだ。
ボースハイトのように!
「貴様、何処まで我が輩を怒らせれば気が済むのだ」
「キミを一度怒らせたら終わりだからね。なら、とことんまで怒らせるしかないじゃーんっ!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる