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国民への婚約発表。3
私は彼の優しい声にゆっくりと頷く。
「なんか、聞いてた噂と全然違うわね。噂通りならむしろ私が殴られると思っていたのに……これだと噂とは真逆ね」
「母上!」
アレクはビクトリアに向かって怒鳴ると、彼女は悪気なく答えた。
「これから家族になるのよ? 下手に猫被ったっていずれバレるなら早い方がお互いにいいでしょう?」
「くっ……それは」
「……いいの。アレク、ごめんなさい。びっくりしただけだから……」
私は立ち上がると、ビクトリアに向かって頭を下げた。
そんな私の姿に驚いたような表情を見せるビクトリアに謝る。
「すみませんでした。少し驚いてしまって……不快にさせてしまったのなら申し訳ありません」
「ふぅ~ん。なるほどねぇ~。整った顔にサラサラな金色の長い髪に海のように透き通った碧眼。お人形さんみたいな見た目と大人しい性格。これはアレクが夢中になるのも分かるわ。……いえ、私の方こそ失礼だったわね。ごめんなさいアリシアさん」
頭を深く下げて謝る私にビクトリアも頭を下げて謝った。
その後、ビクトリアは悪戯な笑みを浮かべる。
「噂はあてにはならないわね……アレク。彼女と二人きりにしてもらえない?」
「そんなの無理に決まっている! また、母上がアリシアに何をするかもしれないからな!」
さっきの出来事の後ではアレクは二人きりにする提案なんてのめるわけがない
「……いえ、アレク。お義母様の言うとおりにして……」
「アリシア!」
アレクが心配しているのは分かる。けれど、ここで彼に甘えてしまったらこの後も全てアレクに甘えてしまう。
「アレク。お願い……」
「……分かった」
私の決意に満ちた瞳を見てアレクも察したのか、私の言う通りに部屋を出て行ってくれた。
心配そうな顔をするアレクに微笑み安心させると私はビクトリアと部屋に二人きりになった。
ビクトリアは私ににっこりと微笑むと、ソファーに座るように言った。
「とりあえず。座りましょうか……」
「……はい」
言われた通りに私はソファーに隣り合わせで座った。
緊張している私にビクトリアは優しくにっこりと微笑む。
「別に怖がらせたいとかじゃないのよ? ただ、純粋に話をしたかっただけなの」
「はい。あの……話ってなんですか?」
不安そうにたずねる私に、ビクトリアはゆっくりと口を開いた。
「あなたの悪い噂を聞いていたから、アレクが婚約者にあなたを選ぶって聞いて少し不安だったのよ……でも、演技じゃないと分かったわ。嘘なら私と二人で会話することを避けるでしょ?」
「あの……ひとつだけ質問してもいいですか?」
私はビクトリアの目を見て緊張した表情でたずねた。
「お義母様から見て……私はアレクの……その……妻にふさわしいと思いますか?」
正直。この質問は究極の質問かもしれない。
私はアレクに相応しくありたいと思っている。だけど、元婚約者に婚約破棄されて虚勢を張らなくなってから、自分自身に自信がなくなった。
「なんか、聞いてた噂と全然違うわね。噂通りならむしろ私が殴られると思っていたのに……これだと噂とは真逆ね」
「母上!」
アレクはビクトリアに向かって怒鳴ると、彼女は悪気なく答えた。
「これから家族になるのよ? 下手に猫被ったっていずれバレるなら早い方がお互いにいいでしょう?」
「くっ……それは」
「……いいの。アレク、ごめんなさい。びっくりしただけだから……」
私は立ち上がると、ビクトリアに向かって頭を下げた。
そんな私の姿に驚いたような表情を見せるビクトリアに謝る。
「すみませんでした。少し驚いてしまって……不快にさせてしまったのなら申し訳ありません」
「ふぅ~ん。なるほどねぇ~。整った顔にサラサラな金色の長い髪に海のように透き通った碧眼。お人形さんみたいな見た目と大人しい性格。これはアレクが夢中になるのも分かるわ。……いえ、私の方こそ失礼だったわね。ごめんなさいアリシアさん」
頭を深く下げて謝る私にビクトリアも頭を下げて謝った。
その後、ビクトリアは悪戯な笑みを浮かべる。
「噂はあてにはならないわね……アレク。彼女と二人きりにしてもらえない?」
「そんなの無理に決まっている! また、母上がアリシアに何をするかもしれないからな!」
さっきの出来事の後ではアレクは二人きりにする提案なんてのめるわけがない
「……いえ、アレク。お義母様の言うとおりにして……」
「アリシア!」
アレクが心配しているのは分かる。けれど、ここで彼に甘えてしまったらこの後も全てアレクに甘えてしまう。
「アレク。お願い……」
「……分かった」
私の決意に満ちた瞳を見てアレクも察したのか、私の言う通りに部屋を出て行ってくれた。
心配そうな顔をするアレクに微笑み安心させると私はビクトリアと部屋に二人きりになった。
ビクトリアは私ににっこりと微笑むと、ソファーに座るように言った。
「とりあえず。座りましょうか……」
「……はい」
言われた通りに私はソファーに隣り合わせで座った。
緊張している私にビクトリアは優しくにっこりと微笑む。
「別に怖がらせたいとかじゃないのよ? ただ、純粋に話をしたかっただけなの」
「はい。あの……話ってなんですか?」
不安そうにたずねる私に、ビクトリアはゆっくりと口を開いた。
「あなたの悪い噂を聞いていたから、アレクが婚約者にあなたを選ぶって聞いて少し不安だったのよ……でも、演技じゃないと分かったわ。嘘なら私と二人で会話することを避けるでしょ?」
「あの……ひとつだけ質問してもいいですか?」
私はビクトリアの目を見て緊張した表情でたずねた。
「お義母様から見て……私はアレクの……その……妻にふさわしいと思いますか?」
正直。この質問は究極の質問かもしれない。
私はアレクに相応しくありたいと思っている。だけど、元婚約者に婚約破棄されて虚勢を張らなくなってから、自分自身に自信がなくなった。
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