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太陽を司る巨竜6
そこにあったのは赤い鱗に覆われたドラゴンの頭だった。いや、頭なんてレベルのものではない。その頭の部分だけでもリントヴルムよりも遥かに大きい。
うっかり口元なんかに近付いた時には、バックリと一飲みにされてしまうだろう。あまりにも巨大なその全長を目の当たりにして、エミルは言葉を失っていた。
それは他のプレイヤー達も同じで、皆手の打ちようもなく、ただただそのドラゴンを見上げるばかりだった。
っと、咆哮で吹き飛ばされたレイニールが巨竜の姿に変わっていた。
さすがにあの音響兵器とも等しい破壊力を持つ咆哮を上げられては、小さなドラゴンの姿では太刀打ちできないと判断したのだろう。
咆哮を上げていた巨大なドラゴンが、その視線を正面に向けると大きく口を開く。その口の中が炎で満たされる。
直後。巨竜の姿のレイニールが慌てた様子で周囲に叫ぶ。
「――お前達、逃げろ!!」
その場に集まっていたプレイヤー達は空中にいる黄金の巨竜の声を聞いて、慌てて更に赤い鱗のドラゴンから距離を取った。
すると、その直後に口の中に含んでいた炎が口の中に空気とともに吸い込まれ、代わりに赤い熱線が吐き出される。
赤い鱗のドラゴンの口から真っ直ぐに放たれた熱線は、地面を刳り一瞬で焦土と化しながら突き進み地平線の彼方まで貫く。
大気に轟く衝撃波が減って少しずつ威力が弱まり熱線の勢いが収まると、ドラゴンは口の中にわずかに残った炎を拭うように首を振ると、空に向かって咆哮を上げた。
再び襲ってきた衝撃波に皆耳を押さえて耐えると、その青い瞳がギロリとレイニールの方を向いた。
「……ラー」
その瞳を鋭く睨みつけ、焦土と化された真っ赤にただれた地面を見てレイニールは憤った様子で、そのドラゴンの鼻先に飛んでいく。
ドラゴンの視線はレイニールから離れることなく、目の前にきたレイニールをその大きな瞳が捉えていた。
その視線を受けても物怖じせずにレイニールが叫ぶ。
「お前がどうしてここにいるのだ! お前はゲームマスターの許可がなければ動けないはず! それがどうして……」
すると、ドラゴンは再び口を大きく開いて口腔内に炎を溜めた。
「……お前は誰だ? ラーではないのだ! 我輩と同じく誇り高いあいつがこんなことをするはずがない!」
訝しげに睨むレイニールの言葉を無視するように、口の中の炎が更に溜まり、それが一気に喉の奥へと吸い込まれた。
次の瞬間、レイニール向けて放たれた熱線がその体を包む。
「――ッ!? レイちゃん!!」
エミルが叫ぶが、巨大な赤い熱線の中に呑み込まれてしまったレイニールの姿は確認できない。
っとその時、熱線の中に呑み込まれたレイニールのいた場所が金色に輝き出した。
徐々に大きくなるその光は、ドラゴンの吐き出す熱線を弾き飛ばしている。
次第に勢いが弱まるその熱線の威力と同じくして、熱線に覆われていたレイニールの姿がくっきりと出てくる。
「どうやら、我輩にお前の炎が効果ないことすら忘れているようだな……お返しだ!!」
そう言った直後、今度はレイニールの方が口いっぱいに炎を溜め込む。そして、それを開けたままになっているドラゴンの口の中に目掛けて一気に吐き出した。
ドラゴンは苦しそうに巨大な頭を上下左右に激しく揺らすと、再び口から熱線を吹き出し空に向かって放つ。
茜色に輝く空を真っ赤な熱線が駆け上がり、雲を真っ二つに切り裂く。
直後。ドラゴンの体にから噴き出していた炎が集まり巨大な炎の翼を作る。
その翼をはためかせると、周囲に炎と熱風を撒き散らしながら、全長5kmはあろうかという巨体がゆっくりと浮かび上がり、レイニールの吐く炎から逃れる様に空に舞い上がる。
地面にいるプレイヤー達はその炎の翼から漏れ出す火と熱風によって、ダメージを受けていた。
上空に逃げようとするドラゴンを追って地上付近で止まっていたレイニールが翼をはためかせると、地響きと共に地面から巨大な手が伸びてレイニールの両足を掴む。
「――なんだと!?」
レイニールが地面を見ると、地中から顔を出した巨人が咆哮を上げる。すると、その咆哮によって周囲の地面にクレーターができ、地面に埋もれていた巨人の姿が露わになった。
胸に大きなライオンの顔のような装飾が施された黄金の鎧を着た屈強な男の姿、そして腰には剣を背中には盾を装備している。その巨体はレイニールよりも更に大きく、ゆうに100mはあるだろうか。
突如現れたその巨人に、レイニールは憤りを隠せない表情で鋭く睨みを利かせている。
「……貴様。我輩の邪魔をしようと言うのか? この使い魔風情が調子に乗るなよ!」
自分の足を持った巨人にレイニールが炎を浴びせると、巨人はその炎を纏ったまま飛び立とうとするレイニールを腕力に物を言わせて地面に叩きつけた。
うっかり口元なんかに近付いた時には、バックリと一飲みにされてしまうだろう。あまりにも巨大なその全長を目の当たりにして、エミルは言葉を失っていた。
それは他のプレイヤー達も同じで、皆手の打ちようもなく、ただただそのドラゴンを見上げるばかりだった。
っと、咆哮で吹き飛ばされたレイニールが巨竜の姿に変わっていた。
さすがにあの音響兵器とも等しい破壊力を持つ咆哮を上げられては、小さなドラゴンの姿では太刀打ちできないと判断したのだろう。
咆哮を上げていた巨大なドラゴンが、その視線を正面に向けると大きく口を開く。その口の中が炎で満たされる。
直後。巨竜の姿のレイニールが慌てた様子で周囲に叫ぶ。
「――お前達、逃げろ!!」
その場に集まっていたプレイヤー達は空中にいる黄金の巨竜の声を聞いて、慌てて更に赤い鱗のドラゴンから距離を取った。
すると、その直後に口の中に含んでいた炎が口の中に空気とともに吸い込まれ、代わりに赤い熱線が吐き出される。
赤い鱗のドラゴンの口から真っ直ぐに放たれた熱線は、地面を刳り一瞬で焦土と化しながら突き進み地平線の彼方まで貫く。
大気に轟く衝撃波が減って少しずつ威力が弱まり熱線の勢いが収まると、ドラゴンは口の中にわずかに残った炎を拭うように首を振ると、空に向かって咆哮を上げた。
再び襲ってきた衝撃波に皆耳を押さえて耐えると、その青い瞳がギロリとレイニールの方を向いた。
「……ラー」
その瞳を鋭く睨みつけ、焦土と化された真っ赤にただれた地面を見てレイニールは憤った様子で、そのドラゴンの鼻先に飛んでいく。
ドラゴンの視線はレイニールから離れることなく、目の前にきたレイニールをその大きな瞳が捉えていた。
その視線を受けても物怖じせずにレイニールが叫ぶ。
「お前がどうしてここにいるのだ! お前はゲームマスターの許可がなければ動けないはず! それがどうして……」
すると、ドラゴンは再び口を大きく開いて口腔内に炎を溜めた。
「……お前は誰だ? ラーではないのだ! 我輩と同じく誇り高いあいつがこんなことをするはずがない!」
訝しげに睨むレイニールの言葉を無視するように、口の中の炎が更に溜まり、それが一気に喉の奥へと吸い込まれた。
次の瞬間、レイニール向けて放たれた熱線がその体を包む。
「――ッ!? レイちゃん!!」
エミルが叫ぶが、巨大な赤い熱線の中に呑み込まれてしまったレイニールの姿は確認できない。
っとその時、熱線の中に呑み込まれたレイニールのいた場所が金色に輝き出した。
徐々に大きくなるその光は、ドラゴンの吐き出す熱線を弾き飛ばしている。
次第に勢いが弱まるその熱線の威力と同じくして、熱線に覆われていたレイニールの姿がくっきりと出てくる。
「どうやら、我輩にお前の炎が効果ないことすら忘れているようだな……お返しだ!!」
そう言った直後、今度はレイニールの方が口いっぱいに炎を溜め込む。そして、それを開けたままになっているドラゴンの口の中に目掛けて一気に吐き出した。
ドラゴンは苦しそうに巨大な頭を上下左右に激しく揺らすと、再び口から熱線を吹き出し空に向かって放つ。
茜色に輝く空を真っ赤な熱線が駆け上がり、雲を真っ二つに切り裂く。
直後。ドラゴンの体にから噴き出していた炎が集まり巨大な炎の翼を作る。
その翼をはためかせると、周囲に炎と熱風を撒き散らしながら、全長5kmはあろうかという巨体がゆっくりと浮かび上がり、レイニールの吐く炎から逃れる様に空に舞い上がる。
地面にいるプレイヤー達はその炎の翼から漏れ出す火と熱風によって、ダメージを受けていた。
上空に逃げようとするドラゴンを追って地上付近で止まっていたレイニールが翼をはためかせると、地響きと共に地面から巨大な手が伸びてレイニールの両足を掴む。
「――なんだと!?」
レイニールが地面を見ると、地中から顔を出した巨人が咆哮を上げる。すると、その咆哮によって周囲の地面にクレーターができ、地面に埋もれていた巨人の姿が露わになった。
胸に大きなライオンの顔のような装飾が施された黄金の鎧を着た屈強な男の姿、そして腰には剣を背中には盾を装備している。その巨体はレイニールよりも更に大きく、ゆうに100mはあるだろうか。
突如現れたその巨人に、レイニールは憤りを隠せない表情で鋭く睨みを利かせている。
「……貴様。我輩の邪魔をしようと言うのか? この使い魔風情が調子に乗るなよ!」
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