異世界で俺だけレベルが上がらない! だけど努力したら最強になれるらしいです?

澤檸檬

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 それから四人はお互いのことやこれからのことについて話しながら次の街を目指して進んだ。

「じゃあ、アルダリンさんはしばらく帝都に滞在するんですね」

 倉野が問いかけるとアルダリンは小さく頷く。

「ほほほ、その通りです。ちょっとした商談がありましてね。他の仕事であれば私が出向くことはないのですが、大きな商談になりますのでこうして向かっているわけです。しかし、タイミングが悪かったのでしょう。ちょうどこの周辺の警護が手薄になっているとは」
「何かあったのでしょうか?」

 アルダリンの言葉に相槌を打つリオネ。
 ウルステルダンで何が起きていたのかを知っている倉野たちは苦笑いをして誤魔化した。
 そのまま、何気ない会話は続き、話題はエスエ帝国に向かう道順についてになる。

「えっとこれから向かう街が今日の宿泊地よね」

 ノエルが問いかけるとリオネが答えた。

「そうです、スデルスタンという街に向かっています。そこから大きな街はなくいくつかの小さな街を経由すると海沿いにある港街デルターラに到着します。そこから船に乗ればそのままエスエ帝国の港まで一直線ですよ」

 そんなリオネに対してノエルが感心したように頷く。

「へぇ、凄いわね。他国の街の名前まで覚えてるの?」
「そんなことないですよ。今回の仕事が決まってから地図上で確認したんです。どこに何があるか、どのルートを進むのかは知っておきたいですから」

 恥ずかしそうにしながらリオネは答えた。そんなリオネに微笑みながらアルダリンは口を開く。

「正直助かりますよ、リオネさんのように責任感を持って護衛をしてくださる冒険者の方はそう多くありません。大抵は何も計画せずに同行し、どこにどのように向かえば良いのかもわからない状態ですから」

 アルダリンの話を聞いたノエルは苦笑いしながら倉野に小声で話しかけた。

「耳が痛いわね。私たちも無計画だったから」
「ははは、確かに」

 苦笑いに苦笑いで答える倉野。顔を近づけて話す倉野とノエルに嫉妬したのかリオネが間に割って入る。

「あ、あの。クラノさんはどうしてオランディにいたんですか?」
「えっと、なんて言えば良いか」

 リオネに問いかけられた倉野は少し困惑しながら考えた。もちろんオランディ内の情報を漏らすわけにはいかない。オランディで起きたことを話さずにどう説明しようかと考えているとノエルが倉野の代わりに口を開いた。

「ちょっとした仕事があったのよ。オランディの要人護衛だったから、あんまり詳しくは話せないんだけどね」

 その言葉に大きな嘘はない。オランディの王子を守るためにオランディにいたことは事実だ。さらに要人護衛だと言えば深掘りもできないだろう。
 ノエルの言葉を聞いたリオネは納得したように頷いた。

「そうだったんですね。クラノさんも冒険者ですし、仕事は大切です。何よりそのおかげで会えましたから」

 そう話すリオネの表情を見たノエルは再び小声で倉野に話しかける。

「どうするのよ、クラノ。分かってると思うけど、ていうか分かっていて欲しいんだけど、というよりも分かってなければかーなりやばいんだけど、この子あんたに惚れてるわよ。しかも、このまま行けばエスエ帝国で待ってるお嬢様と鉢合わせちゃうんじゃない?」
「いや、その、分かってはいるんですけど」
「断らない優しさは、悪意なく期待させちゃうのよ。優しさと残酷さは表裏一体だって理解しておきないさいよね」

 ノエルは言いながらリオネに視線を送った。その視線の意味は倉野に強く突き刺さった。
 いつも倉野の心にあるのは自分がこの世界の人間ではないということである。
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