異世界で俺だけレベルが上がらない! だけど努力したら最強になれるらしいです?

澤檸檬

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敵の本拠地

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 過去の戦場でも思い出しているのだろう。普段は理性的かつ、常識的に振る舞ってはいるが心の奥底には血煙の獅子と呼ばれていた頃の性格が残っている。時折見せる獅子の片鱗が頼もしくもあり、厄介でもあった。
 その性格ゆえに血の気は多く、その性格ゆえに自分の正義を曲げない。
 味方にすればこれほど頼もしい者はいないだろう、とエクレールは感じていた。

「ふっ、爪や牙が鈍っていないことを期待するぞ、レオポルト。我が国の行く末を握るのはお前を含めた四人とヴェルフェール、その腹心サウザンド、そしてゼット商会に囚われたノエルの七人だ。兵の準備は問題ない。お前たちも覚悟を決めておけ・・・・・・あとは戦争の始まりを告げる音を待つのみだ」

 エクレールは王の言葉としてレオポルトを含めたその場の全員に伝える。
 彼の言葉通り、この戦いの鍵は七人。倉野・レオポルト・レイン・リオネ・ノエル・ヴェルフェール・サウザンド。それぞれに大きな役割があり、誰が欠けても戦況は大きく傾くだろう。当然悪い方向に、である。
 今行われている最後の軍議はそれを確認するために開催された。サウザンドがいないのはギリギリまで倉野たちの存在を明かさないためである。そのためにサウザンドには前もって最終軍議を行い、役割の確認を済ませてあった。
 
「覚悟ならワシらがこの国の土を踏む前に決めていますよ。それよりも作戦の最終確認を行いましょう、エクレール王」

 レオポルトが話の進行を促すと、エクレールは「そうだな」と言葉を続ける。

「まずは敵の本拠地の確認だ。レオポルト、お前が持ってきた情報によれば・・・・・・いや、周りくどい言い方はやめるとしよう。クラノのスキルによれば敵の本拠地はこの街から草原を挟んだ場所にある古城。捨てられ廃れた古城だ。間違いないか?」

 ここまでレオポルトを介して情報を伝えていたが、エクレール王はあえて倉野自身に確認をとった。戦いを前に信頼関係を築こうとしているのか、倉野の反応から情報の真偽を探っているのか、もしかするとどちらの意味もあるのかもしれない。
 だが、これはスキル『説明』で調べた真実だ。倉野は狼狽えるでもなく、自信満々でもなく、自然と頷く。

「はい、間違いありません」
「よし、次の確認だ。敵の主戦力・・・・・・お前たちの言う幹部クラスの傭兵は四人。その素性についてはクラノが紙に書き起こした通りだ。全員、その能力や特性を頭に入れてあるな?」

 
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