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本編
第13話_王家を護る者たち-3
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王宮側の背景を知らされたソウヤの同意を得ると、ハナブサはいよいよ本題へ移る。
― 創造主が推測されるところによると、真犯人の目的は、王宮の防衛設備の壊滅。そして、警備が手薄な機会を狙った王子殿下の拉致だ ―
「それは間違い無い。俺は殿下を…不甲斐無くも目の前で敵の手へ渡しかけてしまった。あまり考えたくはないけど…殿下を盾に陛下の退位または幽閉を促すか…最悪王領の没収さえも要求してくるかもしれないな」
― ああ。いかにせよ、将来的に王政の廃絶を目指した要求を提示してくるだろう ―
「そうなる前に、なんとしても敵勢力の動きを止めなければ…」
― とある協力者の調査報告により、真犯人の目星はついた。しかし、決定的な証拠は得られていない。警備ロボットへのハッキング経路を辿れば判りようもあるが、ログが書き換えられたことにより不明瞭になってしまった。今も調査は進んでいるが、自白に繋がる敵側からのアクションが無い限りは、首尾良く追いつめることが出来ない恐れがある ―
「ハナブサ、俺は何をすればいい? 何か俺に指示があって、こうして電波網をかいくぐってまで俺にアクセスしてきたんだろ?」
― 話が早くて助かる。此度の件、創造主は敵側勢力として、護衛機相当のアンドロイドの存在を疑っている ―
「…!!」
ハナブサの言を聞き、ソウヤは目を大きく見開く。
自分へふりかかった騒動に紛らわされて記憶領域の隅へ追いやられていた、この一件において重大だろう実体験が呼び起こされる。
― 書き換えられたログの中に、僅かに真なる情報の断片が残っていて、身元不明のアンドロイドがセキュリティシステムの外壁を辿った軌跡があった。恐らく、警備センサーに感知されることを避けての行動と見られている ―
「…俺は、殿下をお護りしながらウイルスに侵された警備ロボットと対峙した時、シェルターと同等の防御シールドを殿下へ張った。でも、全貌の判らない何者かにそれをいとも容易く破られた…」
― …! アンチシールド能力か ―
「警備ロボットにそんな機能は備えられてないし、必要出力量的にも通常のAI機では不可能…原子炉動力を持つアンドロイドでなければ、そんな能力は持ち得ないはずだ」
― 関与は確定的になったな。しかし、かえって状況は悪くなった。アンチシールドによって、壁役を謳う護衛型アンドロイドの防御シールドを無効化する…そんな能力を持つアンドロイドが本当に実在するのならば、我々二機がかりでも太刀打出来ないかもしれない ―
「…? どういう意味だ? 存在してるはずがない、ってことか?」
― そうだ。そういった仕様を持つAI機は、世界的にいまだ非実装。この先実装される可能性も無く、現状"禁忌の機体"と呼ばれている ―
「……??」
ハナブサはそう説明するが、あまりにとりとめの無い言い方に、ソウヤは頭の中で整理出来なくなっていた。
反応の消えた様子を察知し、ハナブサは軽くとりなした。
― 今は事情を理解する必要は無い。なににしろ、アンチシールド持ちの機体の存在は、我々にとって最重要警戒事項だ。それだけは覚えておいてくれ ―
「…わかった、用心する」
― 創造主が推測されるところによると、真犯人の目的は、王宮の防衛設備の壊滅。そして、警備が手薄な機会を狙った王子殿下の拉致だ ―
「それは間違い無い。俺は殿下を…不甲斐無くも目の前で敵の手へ渡しかけてしまった。あまり考えたくはないけど…殿下を盾に陛下の退位または幽閉を促すか…最悪王領の没収さえも要求してくるかもしれないな」
― ああ。いかにせよ、将来的に王政の廃絶を目指した要求を提示してくるだろう ―
「そうなる前に、なんとしても敵勢力の動きを止めなければ…」
― とある協力者の調査報告により、真犯人の目星はついた。しかし、決定的な証拠は得られていない。警備ロボットへのハッキング経路を辿れば判りようもあるが、ログが書き換えられたことにより不明瞭になってしまった。今も調査は進んでいるが、自白に繋がる敵側からのアクションが無い限りは、首尾良く追いつめることが出来ない恐れがある ―
「ハナブサ、俺は何をすればいい? 何か俺に指示があって、こうして電波網をかいくぐってまで俺にアクセスしてきたんだろ?」
― 話が早くて助かる。此度の件、創造主は敵側勢力として、護衛機相当のアンドロイドの存在を疑っている ―
「…!!」
ハナブサの言を聞き、ソウヤは目を大きく見開く。
自分へふりかかった騒動に紛らわされて記憶領域の隅へ追いやられていた、この一件において重大だろう実体験が呼び起こされる。
― 書き換えられたログの中に、僅かに真なる情報の断片が残っていて、身元不明のアンドロイドがセキュリティシステムの外壁を辿った軌跡があった。恐らく、警備センサーに感知されることを避けての行動と見られている ―
「…俺は、殿下をお護りしながらウイルスに侵された警備ロボットと対峙した時、シェルターと同等の防御シールドを殿下へ張った。でも、全貌の判らない何者かにそれをいとも容易く破られた…」
― …! アンチシールド能力か ―
「警備ロボットにそんな機能は備えられてないし、必要出力量的にも通常のAI機では不可能…原子炉動力を持つアンドロイドでなければ、そんな能力は持ち得ないはずだ」
― 関与は確定的になったな。しかし、かえって状況は悪くなった。アンチシールドによって、壁役を謳う護衛型アンドロイドの防御シールドを無効化する…そんな能力を持つアンドロイドが本当に実在するのならば、我々二機がかりでも太刀打出来ないかもしれない ―
「…? どういう意味だ? 存在してるはずがない、ってことか?」
― そうだ。そういった仕様を持つAI機は、世界的にいまだ非実装。この先実装される可能性も無く、現状"禁忌の機体"と呼ばれている ―
「……??」
ハナブサはそう説明するが、あまりにとりとめの無い言い方に、ソウヤは頭の中で整理出来なくなっていた。
反応の消えた様子を察知し、ハナブサは軽くとりなした。
― 今は事情を理解する必要は無い。なににしろ、アンチシールド持ちの機体の存在は、我々にとって最重要警戒事項だ。それだけは覚えておいてくれ ―
「…わかった、用心する」
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