ガイアセイバーズ9 -萌える若葉を摘む獣-

独楽 悠

文字の大きさ
33 / 109
本編

第4話_M大寮の一室で-6

しおりを挟む
「…院進するのかと思ってました」
「勘弁しろよ、俺にいつまで学徒さす気だ? お前じゃあるまいし」
「だって…先輩が就活してる様子が見られなかったものですから」

当然の蒼矢ソウヤの感想に、影斗エイトは少し目を見張り、得心したように補足した。

「まぁ、実際就活はしてねぇからな。起業したってことになるから」
「…は…!?」

ぽろりと付け足された事実にしては衝撃的で、かつ全てのピースがぴたりとはまる回答に、蒼矢は驚きの声を隠せなかった。

「今年の春くらいに開業手続きは終わらせてるから、今は実質学生と社会人の二足のわらじってとこ」
「そうだったんですか…!?」
「別に起業してようがいまいが変わりねぇから、報告してなかったな。驚いたか?」
「…さすがに」

目を瞬かせる面持ちを見、影斗は遅ればせながら簡単にいきさつを述べていく。

「そんな大それたもんじゃねぇ、起業したいってやつから立ち上げに誘われたってだけ。資金もあらかたそいつが調達してるし、俺は学部上の利点を買われただけだ。開業後も、今の今まで別になんもしてねぇよ」

影斗が経営学部専攻だとは把握していたので、蒼矢は虚をつかれながらも納得する。
そして、勝手に悶々としていた心境が一気に晴れた安堵感から、くすりと微笑った。

「…なんだか、先輩らしいですね」
「そうか?」
「人脈の広さが前提にあってのことだとしても、先輩にはツキを引き寄せるなにかがあるんだなって思わされます。経営学を選んだところから"今"に繋がってたって考えると、気持ちよくはまってくパズルを見てるみたいです。人生設計が巧いなって、単純に憧れます」
「別に学生起業なんざリスクだらけだけどな。今の学部選んだのだって、ひとからの勧めだし」
鹿野カノ先生ですよね?」
「ご名答。まぁ感謝はしてるぜ、なんも知らせてねぇけど」
「あまりにもなので、きちんと報告さしあげて下さい」
「わーったよ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ニューハーフヘルス体験

中田智也
BL
50代のオジサンがニューハーフヘルスにハマッた実体験と心の内を元にしたおはなし

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

処理中です...