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本編
第12話_封じられた眼-3
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蒼矢は止まりそうになる脳内を一瞬で働かせ、胸元に手を入れる。
が、『起動装置』に届く前にその手首を掴まれ、身体を背に返し両腕を締めあげられた。
「! っあぁっ…!!」
「悪いけど『守護者』にはさせないよ。面倒ごとはなるべく避けて、旨味だけを頂きたいからね」
アズライト鉱石が寝間着の合わせからこぼれ落ち、青く発光しながら宿主の首に揺れる。
突然姿を現した侵略者[犲牙]は、蒼矢をうつ伏せに押さえつけ、その肢体を眺める。
「しかし幸運だったな…おそらく味わえることはないだろうと諦めてたけど、まさかこんな機運が巡ってくるとは。聞かされた時に、思わず表情に出てしまったよ。見られてなかったから、うまくかわせたけどね」
「っ…!?」
腕をひねりあげられる痛みに悶えながらも、蒼矢は今起きたことの不可解さに、必死に頭を働かせようとしていた。
…どうして、[気配]に気づけなかったんだ…!?
「『アズライト』であるおのれが、なぜ俺の接近を察知できなかったか、お前の頭の中はきっと今混乱しているだろうね」
蒼矢の思考回路を見透かすように、[犲牙]は頭の上から言葉を投げ落とす。
「昨日、[俺の同胞]と交戦しただろう? その時から凍結されているんだよ、お前の能力は」
「……!」
[犲牙]の言に、蒼矢は[浬]との交戦中に起きた"引っかかる違和感"の記憶を辿っていく。
やがて、[浬]に氷塊へ磔にされた時、至近距離から眼に冷たい息を吹きかけられたことを思い出し、今起きたことと照らし合わせ、目を見張った。
…まさか…あの時から、『索敵』が使えなくなってるのか…!?
「理解できたかな? つまり、お前に気づかれずに俺がこうして接近できたのは、[浬]の力の賜物ってこと。[『守護者』の能力を封じる力]を持つ、かれのお陰だ」
状況を飲み込んだとみえる蒼矢を見、[犲牙]は更に圧をかけていく。
「! っうぅ…!」
「共闘しないのが[我々]の信条であり美徳だけど、俺は俺で"別の目的"があったから、お前を黙らせたい[浬]と手分けするのが得策と思ってね。戦力を分断してそれぞれで目的を果たさないかと提案したんだ。…[我々]は無駄に誇り高い奴ばかりだから、交渉は慎重に進めたよ」
「…っ…神社に現れた[侵略者]は、お前だな…?」
「その通り。正直ひとりでは手余してしまうと思ってたから、想像よりはるかにたやすく"目的"に接触することができた。おおむね俺の思惑通りに事が進んでくれたよ」
蒼矢をくみ伏しながら、[犲牙]は悠然と語り続ける。
が、『起動装置』に届く前にその手首を掴まれ、身体を背に返し両腕を締めあげられた。
「! っあぁっ…!!」
「悪いけど『守護者』にはさせないよ。面倒ごとはなるべく避けて、旨味だけを頂きたいからね」
アズライト鉱石が寝間着の合わせからこぼれ落ち、青く発光しながら宿主の首に揺れる。
突然姿を現した侵略者[犲牙]は、蒼矢をうつ伏せに押さえつけ、その肢体を眺める。
「しかし幸運だったな…おそらく味わえることはないだろうと諦めてたけど、まさかこんな機運が巡ってくるとは。聞かされた時に、思わず表情に出てしまったよ。見られてなかったから、うまくかわせたけどね」
「っ…!?」
腕をひねりあげられる痛みに悶えながらも、蒼矢は今起きたことの不可解さに、必死に頭を働かせようとしていた。
…どうして、[気配]に気づけなかったんだ…!?
「『アズライト』であるおのれが、なぜ俺の接近を察知できなかったか、お前の頭の中はきっと今混乱しているだろうね」
蒼矢の思考回路を見透かすように、[犲牙]は頭の上から言葉を投げ落とす。
「昨日、[俺の同胞]と交戦しただろう? その時から凍結されているんだよ、お前の能力は」
「……!」
[犲牙]の言に、蒼矢は[浬]との交戦中に起きた"引っかかる違和感"の記憶を辿っていく。
やがて、[浬]に氷塊へ磔にされた時、至近距離から眼に冷たい息を吹きかけられたことを思い出し、今起きたことと照らし合わせ、目を見張った。
…まさか…あの時から、『索敵』が使えなくなってるのか…!?
「理解できたかな? つまり、お前に気づかれずに俺がこうして接近できたのは、[浬]の力の賜物ってこと。[『守護者』の能力を封じる力]を持つ、かれのお陰だ」
状況を飲み込んだとみえる蒼矢を見、[犲牙]は更に圧をかけていく。
「! っうぅ…!」
「共闘しないのが[我々]の信条であり美徳だけど、俺は俺で"別の目的"があったから、お前を黙らせたい[浬]と手分けするのが得策と思ってね。戦力を分断してそれぞれで目的を果たさないかと提案したんだ。…[我々]は無駄に誇り高い奴ばかりだから、交渉は慎重に進めたよ」
「…っ…神社に現れた[侵略者]は、お前だな…?」
「その通り。正直ひとりでは手余してしまうと思ってたから、想像よりはるかにたやすく"目的"に接触することができた。おおむね俺の思惑通りに事が進んでくれたよ」
蒼矢をくみ伏しながら、[犲牙]は悠然と語り続ける。
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