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本編
第10話_妖しの訪ね人-2(R18)
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★年齢制限表現有(微R18)
目を瞬かせる烈の反応を見、蒼矢は黙ったまま口元を微笑ってみせた。
「おいおい、どうしたよ? 連絡無しで来るとか、客かと思ったじゃん」
「…驚いたか?」
「…まぁな。で、どうしたんだ?」
「ちょっと話したいことがあって」
「そっか。…とりあえず上がれよ」
突然の幼馴染の来訪に、まだ少し動揺の色を残す烈は、頭をかきながら居間へと歩いていく。
…珍しいなぁ、アポ無しとか。こいつ無精者の癖に、ちょっとの用でも絶対連絡は入れてくるんだよな…
…昔からずっと"勝手に来い"って言ってきたのが、ようやく通じるようになったか…?
後ろからついてくる蒼矢へちらりと視線をやりつつ、烈は声をかける。
「そういや、今葉月さんと電話しててさ。お前のこと探してるみたいだったぞ?」
「…そうなんだ」
「ちょっと待ってな。一旦葉月さんに報告するから――」
そう言いながら烈はスマホを拾い、葉月との通話を保留解除しようとしたが、タップしようとする指と液晶の間に蒼矢の手が入る。
「っ? 蒼矢…?」
眉を寄せながら振り向いた烈を、電話を切った蒼矢はやはり、薄く笑いながら見上げていた。
「放っておけばいい。どうせ後でわかることだ」
「…? そ…」
「お前にとって、俺よりその電話の方が大事なのか?」
振り向いたまま固まってしまった烈の頬を、蒼矢の手のひらが滑り、顎と首筋を撫でていく。
手はうなじへ絡みつき、引き寄せられた烈の耳元で、蒼矢の唇が艶やかに動く。
「お前にとって俺は、その程度の人間なのか?」
もう片手は胸に当てられて徐々に圧され、逆らえずに烈はゆっくりと仰向けに倒されていく。
蒼矢が倒れ込んで来ないよう、自然と彼の腰に手を当て支えていた己の所作に、にわかに気付いてかっと紅潮する。
「そ……や…」
四つん這いに被さる痩躯がジャケットを肩から外し、襟シャツのボタンを開けていく。
畳の上に仰向けにされた大柄な体躯は、か細く動揺を訴えながらもその挙動から目が離せない。
眼鏡を外してテーブルに置くと、蒼矢は当惑を表出する幼馴染へ緩く目を細めた。
「……蒼、矢…っ!」
「何?」
「…っ、まっ…待って…」
「待てるの? お前は」
透き通るような半裸を惜しげも無く晒し、蒼矢は烈の内情を見透かすように問う。
そして、いまだその華奢な腰に当てられていた手を取り、自らの股間に持っていく。
「……!!」
細身のズボンに収められた膨らみを手のひらに感じ、烈は自身がそれ以上に膨らんでいく感覚を抑えられなかった。
思わず腕に力が入り、局部を強く握られた蒼矢はびくりと身体を震わせ、少し顔を歪めた。
「っ! んぅっ…」
「!! っごめんっ…」
「…誤魔化さないで続けろよ。俺が欲しいんだろ? お前自身も、俺に弄って欲しいんだろ…?」
蒼矢はすぐに表情を戻し、自らの局部を握らせたまま、烈のTシャツをたくし上げていく。興奮して息が上がる一方で、身体は硬直してしまっている烈は、手出し出来ずに上半身を肌蹴させられていく。
「蒼矢…っ、蒼矢、やめて…っ!」
「どうして? お前は俺とこうなりたかった。こうして欲しかった。…違うのか?」
「……っ!」
そう問われ、烈は何も言葉を返せなかった。
蒼矢の言動は明らかにおかしい。それこそ、己が欲望にまみれた夢物語の中に出てくるような、およそ一生口にしないような言葉しか吐かない。
なのに、自分の中心はそんな彼に反応してはち切れそうなくらい誇張して、じんじんと熱くなっていく。
非現実さ・危うさを訴える理性と、欲望に正直な身体がぶつかって、頭がショートしそうになる。
目を瞬かせる烈の反応を見、蒼矢は黙ったまま口元を微笑ってみせた。
「おいおい、どうしたよ? 連絡無しで来るとか、客かと思ったじゃん」
「…驚いたか?」
「…まぁな。で、どうしたんだ?」
「ちょっと話したいことがあって」
「そっか。…とりあえず上がれよ」
突然の幼馴染の来訪に、まだ少し動揺の色を残す烈は、頭をかきながら居間へと歩いていく。
…珍しいなぁ、アポ無しとか。こいつ無精者の癖に、ちょっとの用でも絶対連絡は入れてくるんだよな…
…昔からずっと"勝手に来い"って言ってきたのが、ようやく通じるようになったか…?
後ろからついてくる蒼矢へちらりと視線をやりつつ、烈は声をかける。
「そういや、今葉月さんと電話しててさ。お前のこと探してるみたいだったぞ?」
「…そうなんだ」
「ちょっと待ってな。一旦葉月さんに報告するから――」
そう言いながら烈はスマホを拾い、葉月との通話を保留解除しようとしたが、タップしようとする指と液晶の間に蒼矢の手が入る。
「っ? 蒼矢…?」
眉を寄せながら振り向いた烈を、電話を切った蒼矢はやはり、薄く笑いながら見上げていた。
「放っておけばいい。どうせ後でわかることだ」
「…? そ…」
「お前にとって、俺よりその電話の方が大事なのか?」
振り向いたまま固まってしまった烈の頬を、蒼矢の手のひらが滑り、顎と首筋を撫でていく。
手はうなじへ絡みつき、引き寄せられた烈の耳元で、蒼矢の唇が艶やかに動く。
「お前にとって俺は、その程度の人間なのか?」
もう片手は胸に当てられて徐々に圧され、逆らえずに烈はゆっくりと仰向けに倒されていく。
蒼矢が倒れ込んで来ないよう、自然と彼の腰に手を当て支えていた己の所作に、にわかに気付いてかっと紅潮する。
「そ……や…」
四つん這いに被さる痩躯がジャケットを肩から外し、襟シャツのボタンを開けていく。
畳の上に仰向けにされた大柄な体躯は、か細く動揺を訴えながらもその挙動から目が離せない。
眼鏡を外してテーブルに置くと、蒼矢は当惑を表出する幼馴染へ緩く目を細めた。
「……蒼、矢…っ!」
「何?」
「…っ、まっ…待って…」
「待てるの? お前は」
透き通るような半裸を惜しげも無く晒し、蒼矢は烈の内情を見透かすように問う。
そして、いまだその華奢な腰に当てられていた手を取り、自らの股間に持っていく。
「……!!」
細身のズボンに収められた膨らみを手のひらに感じ、烈は自身がそれ以上に膨らんでいく感覚を抑えられなかった。
思わず腕に力が入り、局部を強く握られた蒼矢はびくりと身体を震わせ、少し顔を歪めた。
「っ! んぅっ…」
「!! っごめんっ…」
「…誤魔化さないで続けろよ。俺が欲しいんだろ? お前自身も、俺に弄って欲しいんだろ…?」
蒼矢はすぐに表情を戻し、自らの局部を握らせたまま、烈のTシャツをたくし上げていく。興奮して息が上がる一方で、身体は硬直してしまっている烈は、手出し出来ずに上半身を肌蹴させられていく。
「蒼矢…っ、蒼矢、やめて…っ!」
「どうして? お前は俺とこうなりたかった。こうして欲しかった。…違うのか?」
「……っ!」
そう問われ、烈は何も言葉を返せなかった。
蒼矢の言動は明らかにおかしい。それこそ、己が欲望にまみれた夢物語の中に出てくるような、およそ一生口にしないような言葉しか吐かない。
なのに、自分の中心はそんな彼に反応してはち切れそうなくらい誇張して、じんじんと熱くなっていく。
非現実さ・危うさを訴える理性と、欲望に正直な身体がぶつかって、頭がショートしそうになる。
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