エイリアンチートで新人類に進化した俺は、異星文明で現代地球を開拓して南朝復活をめざします

大沢 雅紀

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自家用UFO

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「ワシは引退するぞ。会社も屋敷も財産もすべて勇人に譲って、後醍醐に隠居する」
後醍醐の南方家専用エリアで、源人は勇人たちを集めてそんなことを宣言していた。
ちなみに専用エリアとはいっても、広いエリアにあるのはぽつんと建てられたプレハブ小屋だけで、壮麗な東京の屋敷とは比べ物にならない。
しかし、源人はその屋敷をでて、この小屋に住むと言い出していた。
「お館様。おたわむれを。勇人様はまだ高校生ですぞ」
「勇人はすでにワシよりしっかりしておる。財閥の総帥を任せても大丈夫だ。美亜、玲、勇人を頼むぞ。妻として支えてやってくれ」
執事長の正盛が諫めても、源人は聞き入れない。
「お爺さん、なんでいきなりそんなことを?」
「後醍醐にはワシの『妻たち』や娘、幼い孫がいるのじゃぞ。その近くにいて、見守りたいのだ」
わがままをいう源人に困り果て、正盛は玲と美亜に助けを求めた。
「お嬢様たちからも、止めて下さい。まだ勇人様だけでは南方財閥グループのすべてを統括できません。源人様がいないと、勇人様が推進している事業にも大きく後れが生じます」
そう言われた二人は顔を見合わせると、瞳をうるうるしながら源人に頼み込んだ。
「お爺ちゃん。まだまだ頑張ってほしいにゃ」
「……お爺。勇人だけだと大変。それに私たちも、お爺が屋敷にいないと寂しい」
この二人は家を出て、屋敷で住み込みで働いている。可愛い孫娘たちに懇願され、源人の顔が苦悩にゆがんだ。
「ぐぬぬぬ……し、仕方ない。財閥の総帥は続けよう。
それなら、後醍醐から東京に通勤するか。プライベートジェットを買えばなんとか……」
「お爺さん。毎日そんなことしたら交通費に何十億円かかるとおもっているんですか」
とんでもなく無駄なことを言い出す源人に、勇人は呆れてしまう。
「し、しかしだな。ワシはもう70代だぞ。残りの余生をできるだけ妻たちと一緒にすごしたいのだ。せっかく再会できたのに……」
そう嘆く源人に、勇人は大きくため息をつく。
「はあ……仕方ありませんね。アレを一機、提供しますから」
勇人はそういって、源人を後醍醐の上層階に作られた研究エリアに連れて行った。
「サタン、アレはできているか?」
「うーん。完全に熟したのは一個だけだね。後はまだまだ時間がかかるよ」
そう答えたのは、白い白衣をきた眼鏡ロリ美少女であるサタン。彼女はブラックナイトから降りてきて、『後醍醐』で研究を続けていた。
「熟したとは、何をつくっているのじゃ?」
「この『ユグドラシルの実』です」
勇人は窓の外を指さす。小型クルーザーぐらいの大きなダイヤの結晶のような実が、ユグドラシルの葉の根本にできていた。
「この実の外側ブラックナイトの外壁にも使われているエネルギー反射物質である『ダークタイト』で覆われています。内部に『モーゼ』を取り付ければ飛行艇になります」
そういって、源人を実の内部に案内する。中は空洞になっており、10人ほどが乗ることができる広さだった。
「これと同じものがブラックナイトにも収納されていて、世界中で『未確認飛行物体(UFO)』と呼ばれているものです。航行制御はブラックナイトが行っているので、中にはいって行先を考えるだけで自動で目的地まで行けます」
勇人が『東京』と念じると、小型飛行艇は浮き上がり、ものすごいスピードで西に向かう。わずか数分で四国沖の後醍醐から東京の南方邸まで到着した。
「これはよい。すぐに妻たちに会いに行ける。それに世界中どこにでも旅行につれていってやれるぞ。この船は『カグヤ』と名付けよう」
「まったくもう。自家用UFOを所有なんて贅沢、世界中のお金持ちの中でもお爺さんだけですからね」
「ああ。大切に使わせてもらおう。これで妻孝行ができるぞ」
喜ぶ源人を、勇人はジト目で見つめた。
「……はあ。やれやれ。お爺さん。もう従姉妹は出てこないでしょうね」
「あ?ああ……」
なぜか源人ば、きまり悪そうに目を泳がせた。
(これはまだいるな。心の準備をしておこう)
勇人の予感は当たることになるのだった。

期末試験の時期が近づき、勇人はいつもの三人と図書館で勉強していた。
「うにゃ……勉強大変にゃ」
「……私たちは特待生だから、成績を落とせない。頑張る」
頭をおさえて机に伏す美亜を、玲が励ます。
「うう……さすがに高校生のレベルになったら、今までの貯金も通用しないにゃ」
「そういえば、美亜は四年遅く小学校に入学したんだよな。つまり特待生で入学できたのは、四年多く勉強してたから……」
何か言いかける勇人を、美亜は睨みつける。
「勇人君、前もいったけど、乙女の年齢は詮索しちゃダメにゃよ」
「……ごめんなさい」
ちょっと恐怖を感じ、勇人は素直にあやまった。
「あれ?なんだか勇人さんと美亜さんの距離が近い気がします。もしかして……?」
首をかしげる姫子に、美亜はにっこり笑っていい放った。
「うちは勇人君のペットになったにゃ」
聞き耳を立てていた図書館にいた生徒たちの視線が、一斉に勇人に集まる。
「ちょ!何言ってんだよ。人聞きのわるい」
「あれ~?あの満月の夜、ベットでうちを撫でながら『俺のペットになるか?』って迫ったにゃ」
美亜はからかうように暴露する。
「確かに言ったけど!言い方!違う。想像しているようなことはまだ何にもやってないから」
姫子がジト目で見てくるので、勇人は汗だくになって弁解した。
「でも、一緒のベットに寝て可愛がってもらったにゃ」
「……ずるい。私もまだ同衾してないのに」
二人の様子を見て、姫子はため息をつく。
「はぁ……本人たちが納得しているならいいんですけど、責任だけはちゃんと取ってくださいね。弄んだ後に捨てられるなんて、お二人が可哀想だから」
冷たい目で見てくる姫子に、玲と美亜は安心させるように笑った。
「大丈夫にゃ。勇人君は超お金持ちにゃ。その辺の男と甲斐性が違うから、たくさん家族を作っても平気にゃ」
「……さすが勇人。100人産ませても大丈夫」
それを聞いていた男子生徒たちは、殺気のこもった目を勇人に向けていた。
「マジで違うんだって!」
大勢の子猫と赤ちゃんに囲まれる自分を想像してしまい、勇人は背筋が寒くなるのだった。
「そ、そういえば、姫子ってどうして耳にピアスつけているんだ。真面目そうなお前に似合わないけど」
勇人は必死に話題を変えようと、姫子がつけているピアスについて聞く。
「これは母の形見なんです」
姫子は大切そうに、耳にはめたピアスに触れた。
「形見……って、もしかしてお母さんは?」
勇人が気まずそうに言うと、姫子は慌てて首を振った。
「いえ、違います。死んでいません。ただ、このピアスを残して、ある日突然いなくなったんです。最後の日に言われた言葉は、『このピアスは絶対に外しちゃダメ』でした」
姫子は悲しそうに言う。
「……噂では、北句麗王国の工作員に拉致されたとか。私は勉強して将来政治家になり、お母さんを取り返したいんです」
姫子の顔には、決意が浮かんでいた。
「そうか。その時は俺も協力させてもらうよ」
勇人は姫子に同情し、そう慰めるのだった。
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