エイリアンチートで新人類に進化した俺は、異星文明で現代地球を開拓して南朝復活をめざします

大沢 雅紀

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教主ドラクル

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「どうやら、撃退に成功したみたいですね」
ユグドラシルの指令室でモニターを通じて、亜人類たちの戦いをみていた姫子は、ほっと胸をなでおろす。
「まだわからねえ。アイツが出てきたら、おそらく兵士たちでは止められないだろう」
「アイツって、誰にゃ」
美亜が首をかしげる。
「俺の親父さ。『血人類(バンパイヤ)』のリーダーで、世界統合教会の教主、12使徒の1人ドラクル。何百年も生きた奴は普通の吸血鬼とはちがう、恐ろしい能力を持っているんだ」
「……恐ろしい能力って何?」
「それは……」
玲の問いかけにアルカードが答えようとした時、反射艇から蝙蝠の羽と鷲の翼をもつ人影が飛び出してきた。
「くくく、なかなかやるな。やはり余が出なければならんか」
その影は空を飛んで、一直線に後醍醐の中央エレベータ『モーゼ』に侵入とようとした。
「あいつを止めろ」
「無駄だ。何百年もの間、様々な亜人類の血を吸ってきた余は、いつしかその能力をこの体に取り入れることができるようになった。当然、『土人類(ドワーフ)』の力も身に着けておる。『土石鋼』」
誠也たちがウォーターマシンガンを放つが、その影はものともせずに跳ね返す。
その影ードラクルは、余裕の表情で空中で手を振った。
「『地震雷』」
ドラクルの手から放たれた雷は、『森人類(エルフ)』たちの数倍の電力で地中を奔り、後醍醐の兵士たちを昏倒させた。
「これで邪魔者はいなくなった」
そうつぶやくと、中央のモーゼエレベーターを使って一気にユグドラシルの中心部に向かう。
「いけない。あいつの狙いはユグドラシルの心臓部『ゼウス』だよ。あそこを吸血鬼化されたら、すべての海設都市が腐ってしまう」
サタンの言葉をきいて、慌てて姫子たちもユグドラシルの中心部に向かう。
「親父……大切な者を守るために、俺はあんたを倒す」
中央エレベータ―を降りながら、アルカードはそう心に決めるのだった。

「いいか、ここは俺たちが守るんだ」
「私たちの故郷は、私たちの手で守るのよ」
常温水素融合発電炉「ゼウス」に通じる通路では、後醍醐に移住した『血人類(バンパイヤ)』と『女人類(ウイッチ)』の兵士たちが守っていた。
しかし、突然侵攻してきたたった一人の侵入者に蹴散らされてしまう。
「うわっ」
ドラクルの腕の一振りで、義勇兵に参加していた酒場の主人が吹っ飛んだ。
「ふん。雑魚には用はない……ん?」
ドラクルの前に、三つの道が現れる。
「なるほど。『女人類(ウイッチ)』たちによる光映像を使った幻覚だな。だが、余にとっては児戯に等しい。むん」
三つの通路を無視して、何の変哲もない壁に雷を放つ。
すると壁の映像が崩れ、『ゼウス』へと通じる道が現れた。
「この先が心臓部ということだな」
ドラクルは悠々と足を進め,ついに『ゼウス』が設置している心臓部にたどりつく。
『ゼウス』が収められている異空間は、エネルギーを取り入れるためのユグドラシルの蔓に覆われていた。
「さすがの余でも、水爆並みのエネルギ―を常に発し続けている『ゼウス』本体には手がだせぬ。だが、この絡まっている蔦に吸血鬼化させると」
ドラクルは『ゼウス』に絡みついている蔦に噛みつき、バンパイヤウイルスを打ち込む。
すると、ドラクルに噛みつかれた部分が『吸血花ドラクレア』と化していった。
「これでよい。あとは数時間もすれば、ユグドラシルは余の僕となる。その力をつかって『吸血花ドラクレア』を世界中に広げ、一気に世界を征服してやるのだ!」
ドラクルの高笑いが、ユグドラシルの心臓部に響き渡るのだった。

姫子、玲、美亜、アルカードの四人は、ドラクルの侵入の報告を受けて慌てて心臓部に向かう。
その通路には、大勢の『血人類(バンパイヤ)』と『女人類(ウイッチ)』の兵士たちが倒れていた。
「姫、すいません。奴をとめられませんでした」
酒場の主人が、悔しそうに訴える。
「気にするな。親父はきっと俺が止めて見せる」
アルカードは彼の手を握って、そう約束する。
四人がゼウスの間に入ると、黒いマントを広げたドラクルが迎えた。
「我が娘。アルカードよ。やっと会うことができた。愚か者どもにさらわれて15年。お前のことを忘れたことは片時もなかったぞ」
ドラクルは、慈悲深い父親の顔をしてアルカードに呼びかける。
「余の元へ戻ってこい。お前こそがいずれ余の後を継ぎ、世界を統べる女王となる者なのだ」
ドラクルから差し出された手を、アルカードは振り払った。
「はっ、お断りだ。女王なんて窮屈なものになりたくねえよ。俺は今まで通りに自由に生きていくんだ。それに」
アルカードは、共に来た三人を振り返る。
「俺には仲間も居場所もできた。借りをかえさないといけない男もな。親父の狂った世界征服の野望なんか、付き合っている暇はねえんだよ」
それを聞いて、ドラクルは残念そうに笑った。
「惜しいな。お前は数百年にも及ぶ余の人生で、初めて生まれた子なのにな。まあよい。余が世界を制したのち、世界中の女と子づくりを試して新たな子を作るとしよう」
そういうと、ドラクルはアルカードたちに対して身構えた。
「姫子、電気を流して、ユグドラシルの吸血鬼化を止めてくれ」
「わかりました」
姫子はユグドラシルの心臓部の壁に手をついて、広がろうとする『吸血花ドラクレア』の根を焼き切って広がるのを食い止めようとする。
「無駄だ。ドラクレアは余の意思に反応してどこまでも繁殖する。ククク、お前の力でいつまで抑えておけるかな」
「だったら親父、あんたを倒すまでだ」
アルカード、玲、美亜の三人は、ドラクルに対して戦いを挑んでいった。
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