クソ親に捨てられたが、いつの間にか家族ができてました。

甘夏かん

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本編

 26話 へ?マジっすか?

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「はぁ、着いたついた。家からここまでは地味に距離があるか結構きついなぁ…」
と教室に着いた僕は自分の座布団に座ると真由に言った。
「別に?私は言い運動になってると思うけど?」
と意外な健啖さを見せてくる。
「でもさ、自転車通学でもよくない?」
「自転車通学の前にあんた自転車持ってるの?」
「え?持ってないけど?」
「じゃあ無理じゃん。」
「無いなら買えば良いかと。」
「うわ…私と金銭感覚が違う…そうやって散財するのはちょっとムリかな…」
「なんで!?自転車って一生物…とはいかなくても数年間は使えるはずだから、そう言う便利で長く使えるものは多少値が張っても買っても良いかなと思ってるんだけど…」
「まぁわからんでも無いけど…それでもなんかね、そこまで即決できる人あんましいないからさ…」
と話していると、
「お、お二人さんお早いねぇ。兄妹間もなかなかによろしいようで。」
と茶化すような声が聞こえ、その声がした方向を向くと、
「やっほー。2人ともおはよ~。」
と隣の美希乃がいた。
「あぁ、美希乃か。おはよう。」
「おっはーミッキー。今日は髪結んで無いんだ。珍しいね。」
と僕らはそれぞれ挨拶をする。その後、会話に美希乃も混ざり、3人で話をしていると、
「よぉ。神宮兄妹、美希乃。お前らやっぱ朝早いな。」
と後ろの席の藤井和人ふじいかずとが挨拶をしてくる。
「おはよう。和人、眠そうだな。大丈夫か?」
と聞くと、
「あぁ、まあな。」
と返してくる。すると、真由が、
「どうせまた昨日遅くまでゲームしてたんでしょ?」
と言った。
「う、せ、正解…色々あってな…結局寝るのは深夜2時…ふわぁ、眠い…」
「ここにカフェインが結構入ってるグミがあるけどいるか?」
「あ~、うん一粒くれるか?」
と言ってきたので袋から一粒取らせた。それを口に放り込む。すると、
「…ちょっと苦いな…まあ苦めのエナドリって所かな?」
と咀嚼しながら言った。
「まあカフェインが入っているものは大体エナドリかコーヒー味だろ。」
と言い僕は真由たちとの話に戻ると、話は家族の話になる。
「あ、そうそう。そういえば今日の通学中になんか物陰から学校をガン見してるおばさんがいたんだよね。まだいるのかなあのおばさん。ワンチャン一年の誰かの母親とか?」
とおちゃらけた感じで美希乃が言った。それを聞いた僕は真由と顔を見合わせて、窓から外を覗いた。
確かに住宅街の近くの電柱の影に人影を見つけた。僕は携帯端末を取り出し、カメラを起動してレンズの倍率を上げてパシャリと撮った。そしてその写真を見るが予想通り…というか案の定あいつかあさんだった。
「…さぁいやくダァ…」
と僕は呟くのだった。
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