クソ親に捨てられたが、いつの間にか家族ができてました。

甘夏かん

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本編

 25話 母親がストーカーに!?

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「ふぅ、まさかあんなところで出会うとはな…まあでもこれでやばい状況が一気に近づいたってことに変わりはないな…」
と僕は玄関で靴を脱がながらつぶやいた。隣には美琴がいるが、顔がまだ少し青い。恐らくだが、初対面の人にいきなり怒鳴られたことが原因だろう。
「おい、美琴、美琴?」
と呼ぶが上の空といった感じで聞こえていない。
「美琴ってば。」
と肩を揺らすと、
「ん?あ、あぁ、ごめんなさい。何?」
と聞いてくる。
「お前って今日配信する予定あったか?」
「いや、確か明日だったはずだけどそれがどうしたの?」
「ならもう今日は休んどけ。飯も今日は俺が作るから。自分のしたいことをするといいよ。」
「え…いや、でも今日は私が当番だからいいよ。」
「いいから、作りたいものもあるし、かa…あいつが色々言っちゃったみたいだし。まあそのお詫びもかねてって言うことで、ね?」
「う~ん…じゃあお願いしよっかな…私はマコトくんのひき肉味噌食べたい。」
「彼体と時間かかるから次回な。」
といって僕は美琴が持っていたトイレットペーパーが12個入っているまあまあ大きい袋を持つと、一緒にリビングに入った。
「「ただいま」」
と言うと優希と真由はホッとした様子で、
「「おかえり」」
と返してくれた。
「いやあ焦ったよ。まさか本当にマコトくんのお母さんがくるとは思わなかったよ。」
「そうね。美琴、マコト、大丈夫?何かされてない?」
と、真由が聞く。それに僕は
「だいぶ精神的にはくるものがあったけど、大丈夫だよ。」
と答えながら台所にある冷蔵庫に買ったものを放り込んでから僕は冷蔵庫の中身を確認してから手を洗うことにした。
その後僕は約束通り(と言っても完全に手抜きだが…)夕食を作った。その日は家にあいつがくる事もなく、これ以上何かあるわけでもなく、その日はぐっすり…とは言えないが、寝ることができた。しかし、問題が発生したのはその3日後からだった。その日はいつも通り通学していたのだが…
「ねぇ、なんかやっぱりさ…」
と真由がこそっと言い、顔を前に向けたまま後ろを確認する。その目線の先を僕も追う。そこには…まあ予想通りあいつかあさんがいた…
「はぁ…、しつこ…もうまぁじでやめてほしい…」
とため息をつく。
「もう完全にストーカーと化してるね。あれもう警察行きなんじゃない?」
「いや、多分警察に通報したところで僕らの間を詳しく知らない人からすると、子供が心配しすぎる過保護で親バカな母親としか映らないと思う。」
「そう?私はあんま思わないけどなぁ…やっぱ家族とは言ってもやっぱ親しき仲にもってやつだと思うし、私個人、束縛されるのが嫌いってこともあるからかな?」
と真由は笑っていた。その笑顔に僕は正直少し救われた気がした。
「すまんな、束縛嫌いなのに行動制限紛いなことして。」
と気づいたら謝っていた。急な謝罪に驚いたのか、少し瞠目していたが、
「…平気だよ。自分のエゴなんかよりも家族の方が圧倒的に大事だよ。」
と言った。
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