転生したら、周辺環境がクソだったので、人形と共に改革していく 〜せっかく転生したのならゆっくりのんびり生きたい〜

甘夏かん

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3. アルルトとの会合

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「着きましたよ。」
という声とともに馬車の扉が開かれる
「オ、オェェェエ。」
とえずきながらおおよそ令嬢らしからぬ声を出しながら馬車から降りた。
「おいおい、ナギエは馬車酔いか?」
と同じ馬車に乗っていたシン兄に声をかけられる…というか背中をさすられる。
「うぅ…気持ち悪い…」
と呟くと、
「はぁ、まだまだ未熟だな…勉強不足だ、シン。」
とシンの後ろから銀髪で目が綺麗な藍色をしている男が現れた。
「うげ、ギオル兄さん…」
「お前さぁ、前回の講習で何聞いてたんだ?回復魔法使ってやれよ。」
「う…わ、忘れてた…」
というとやれやれと言った感じでこちらに近づくと、腰のポーチから一つ試験管サイズの小瓶を取り出し栓を抜く
「ほら、ナギエこれを飲め。」
と顔に近づけてくる。得体は知れないが、この吐き気をどうにかしたい一心でその小瓶の中身を飲み干した。
…結果だけ言うと、この薬はめちゃくちゃ良く効いた。吐き気が一瞬でどっかに消し飛んだのだ…惜しむらくは…
「はは、すごい顔だぞ~ほらお前は可愛い顔をしてるんだから。そんな顔をするなって。」
とんでもないぐらい苦くてエグいことだ。口直しにもらった果実水ジュースを飲み、一息ついていると、
「ナギエ、ほら、神官長様だ。」
とお父さんが紹介してくれる。
「おや、こちらがそのナギエお嬢様ですな?初めまして、ここの教会の神官長を務めています、ハインツと言います。どうぞよろしく。」
うやうやしくお辞儀をしてきたのは主観的には60を優に超えた見た目をしているお爺さんだった。
「それではこちらへ」
と教会内部へと案内される。
「ではナギエお嬢様はこちらへ」
と僕だけ1人で違う部屋に通される。そこには綺麗な石でできたアルルト様と思しき像と長椅子が左右に置いてある礼拝堂のような部屋だった。
「それでは、私はここで…何かあったり、祈りが終わりましたら、入ってきた扉の横にあるボタンを2回押してくださいね。」
とだけ言うと、ハインツさんは部屋から出ていった。
「なるほど…1人でやれ、と言うことですか…」
と呟き、象の前に行く
「…これ祈り方でもあるのか?全然わからんぞ?」
と当たりを見回すが説明書きらしきものも見当たらない。とりあえず、自分の知っている祈り方で祈る。
するとこの象を中心に強い光がほとばしるその光の眩しさに目を瞑る。そして、目を開けると、
「…神域…か、」
しかも前回訪れた時とは違い、目の前に大きな神殿があった。
「じゃ~んって感じで驚かしてみない?」
「あのなぁ、お前もここの最高神ならもう少し威厳というものをだなぁ…」
と話し声が聞こえるので、神殿内に入り、その2人に言った
「あの、何…してるんですか?」
すると、その2人は大層驚いたようで、飛び上がった。
「だ、だだだだ誰?」
と女性が振り向く…ん?あの後ろにいるのはバベル様?
と僕はバベル様を凝視する、すると観念したように
「久しぶり…湊…と言っても君からしたらさっきぶり…かな?」
と話しかけてくれる。
「あら?この子があなたの言っていた湊ちゃん?」
「そうだよアルルト…ってなんで“ちゃん”付けなんだ?」
「あら?だって女の子だったんでしょ?名前的に。」
と衝撃的なことを言われる
「あの…すいません、僕、元は男です…」
と申し訳ないけど言わせてもらった。
「あら?そうなの…ごめんなさいね。お詫びになんだけど、珍しいスキルをあげるから、許してね?」
と言われる。
「僕からも少しこの世界で便利なものを色々と渡しておこう…まあこれでもう会う機会は死んでから位だからここで片時の別れだこの世界を楽しんでほしい。」
とアベル様がアルルト様と一緒に見送ってくれた。そして視界は暗転し、気づいたら元の場所に戻っていた。
「ふぅ、あれがアルルト様、か…」
と呟き象を眺める…うん全然似てないなんて思いながら言われた通りにボタンを押すすると扉が開いた
「アルルト様にはお会いできましたか?」
「はい。あまり象の方とは似ていませんでしたね。」
と言うとハインツ神官長は少し驚いていたがあまり気にしてなかった
「それじゃあ、ナギエのスキルを見てみようか。」
と神官のうちの1人が水晶玉を持ってきた
「これに触れて見て下さい。」
と言われたので言われるがままに触れてみた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ナギエ・アリア   5歳
生命力  150/180
魔法力  180,000/180,000

称号
転生者、異世界の神の愛子、神々の愛子、全能者

スキル
魔法適正《全》、鑑定眼、付与術、作成

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Oh…なんなんだこのステータスは…ばっちりチートじゃあないか…
「これは…驚いたな…」
とお父さんが呟く。ふと隣を見ると、シン兄もギオル兄さんも唖然と言った感じで、口を開けてポカーンとしているが、ふと我に帰ったギオル兄さんが口を開いた。
「と、とにかく、このことは僕らアリア家とここにいる神官2人の秘密…と言うことにしておいてもらっても良いですか?もちろんある程度成長したら、公表いたしますので。」
と言うことで私のステータスのことは内密でと言うことになり、私たちは何事も無く家に帰ることができた。
そしてこの翌日から僕は相当なバタバタに巻き込まれることとなった。
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