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6. ナギエのルームメイト
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「た…ただいま~」
と私は寮の部屋のドアを開けると、
「おかえり、ナギちゃん。」
と迎えてくれる白のオオカミの人形がいる。この子は僕が2個目に作った人形だ。
僕と同じように“鑑定”のスキルを持つギオル兄さん曰く、さまざま能力を持つ魔道具で、自我を持っていてもおかしくは無い…らしい。まぁその言葉通り、こうして動いているが、生みの親が誰かをよく理解しており、僕にとっての専属の執事と言った感じだ。
「早いお帰りですね。まだ2時ですよ?」
「なんかね~もういいよって言われて寮に飛ばされた。」
「ほう…ちなみに何をしでかしたんですか?」
「魔法がどのくらいの物かの検査で全力でって言われたから、火魔法の《ミラージュ・ノヴァ》うった…」
と素直に白状すると、
「あのですね、ナギお嬢さま、火魔法の《ミラージュ・ノヴァ》って言ったら、宮廷魔導団の上位勢が使うような魔法ですよ?周りに合わせないと。貴方は規格外の存在なんですから。使っていい魔法は、周りが使ってる魔法かその一段上の魔法だけにしておいてくださいね?」
と釘を刺される。
「は~い。」
「絶対にやめてくださいよ。これで面倒ごとに巻き込まれるのは貴方なんですからねってコラ、こっち向けぇ!人が本当に真剣にあんたの身を案じてんだ!も少し真面目にきけぇ!」
と声を荒げてくる。
「わかったよダイヤ。気をつけるよ」
「久しぶりに聞きましたよ私の名前。覚えているんですね。」
「当たり前よ、誰が作ってると思ってるのよ?」
と話すとノックがした。
「あっ、はい今開けます。」
「あ…ちょ…ダイヤ!」
と急いで呼び止めるが時すでに遅し、
「え…?」
と目をまんまるにして突っ立ってる焦茶色の髪をポニーテールに括っている子が見えた。
「と、とりあえず中に入って?ドア閉められないから。」
と言って中へと招き入れた。
「改めて、こんにちは。ナギエさん。今日からルームメイトになるクロエって言います。」
「あっ、こ、こちらこそ。よろしく、ナギエです、って…もう知ってるよね?ナギって呼んでほしい。」
と言い僕は手を差し出す。
「これからよろしく。ナギちゃん私のことは好きなように呼んでね。」
と言い僕の差し出した手を握る。
「じゃあ、初めの2文字をとって、クロちゃんって呼ばせて貰うことにするよ。」
と言い、僕はお茶の用意をしているダイヤを見る。
「それよりさ、あれ気にならなかった?」
「めちゃ気になる。魔道具…だよね?にしては用途がわからないんだけど…」
と言うそりゃあそうだ。この世界の魔道具というものはあくまで“補助”の意味合いが大きい。その理由の一端が、技術力だ。貴族という身分制度に中世ヨーロッパ風の建物そして魔物といった感じでファンタジー世界まっしぐらだが、技術力は相当高いと僕は踏んでいる。ライフライン(電気を除く)はしっかりと整備されているし、道路も石で舗装されているためだ。なので生活面では魔道具の使用はほとんどない。強いて言えば、洗濯と食器乾燥時に使うぐらいだろう。なので魔道具は戦闘中に魔法の補助をする役割として使う。だから、ダイヤのような魔道具は明らかに異質なのだ。
「一応、戦闘補助の人形なんだ。この子には守りの障壁と回復魔法、そして風魔法が使えるんだ。」
「3つも使えるんだ。いいなぁ良い魔道具だよ。」
「実はさ、僕が作った道具には製作者が魔道具を中心とした半径5m以内にいた場合、魔道具が放つ魔法の威力が3倍位なるっていう固有能力がデフォルトでつくみたいなんだ。」
「なんかもうなんでもありだね…」
とクロエはやれやれと言ったふうに首を横に振った
と私は寮の部屋のドアを開けると、
「おかえり、ナギちゃん。」
と迎えてくれる白のオオカミの人形がいる。この子は僕が2個目に作った人形だ。
僕と同じように“鑑定”のスキルを持つギオル兄さん曰く、さまざま能力を持つ魔道具で、自我を持っていてもおかしくは無い…らしい。まぁその言葉通り、こうして動いているが、生みの親が誰かをよく理解しており、僕にとっての専属の執事と言った感じだ。
「早いお帰りですね。まだ2時ですよ?」
「なんかね~もういいよって言われて寮に飛ばされた。」
「ほう…ちなみに何をしでかしたんですか?」
「魔法がどのくらいの物かの検査で全力でって言われたから、火魔法の《ミラージュ・ノヴァ》うった…」
と素直に白状すると、
「あのですね、ナギお嬢さま、火魔法の《ミラージュ・ノヴァ》って言ったら、宮廷魔導団の上位勢が使うような魔法ですよ?周りに合わせないと。貴方は規格外の存在なんですから。使っていい魔法は、周りが使ってる魔法かその一段上の魔法だけにしておいてくださいね?」
と釘を刺される。
「は~い。」
「絶対にやめてくださいよ。これで面倒ごとに巻き込まれるのは貴方なんですからねってコラ、こっち向けぇ!人が本当に真剣にあんたの身を案じてんだ!も少し真面目にきけぇ!」
と声を荒げてくる。
「わかったよダイヤ。気をつけるよ」
「久しぶりに聞きましたよ私の名前。覚えているんですね。」
「当たり前よ、誰が作ってると思ってるのよ?」
と話すとノックがした。
「あっ、はい今開けます。」
「あ…ちょ…ダイヤ!」
と急いで呼び止めるが時すでに遅し、
「え…?」
と目をまんまるにして突っ立ってる焦茶色の髪をポニーテールに括っている子が見えた。
「と、とりあえず中に入って?ドア閉められないから。」
と言って中へと招き入れた。
「改めて、こんにちは。ナギエさん。今日からルームメイトになるクロエって言います。」
「あっ、こ、こちらこそ。よろしく、ナギエです、って…もう知ってるよね?ナギって呼んでほしい。」
と言い僕は手を差し出す。
「これからよろしく。ナギちゃん私のことは好きなように呼んでね。」
と言い僕の差し出した手を握る。
「じゃあ、初めの2文字をとって、クロちゃんって呼ばせて貰うことにするよ。」
と言い、僕はお茶の用意をしているダイヤを見る。
「それよりさ、あれ気にならなかった?」
「めちゃ気になる。魔道具…だよね?にしては用途がわからないんだけど…」
と言うそりゃあそうだ。この世界の魔道具というものはあくまで“補助”の意味合いが大きい。その理由の一端が、技術力だ。貴族という身分制度に中世ヨーロッパ風の建物そして魔物といった感じでファンタジー世界まっしぐらだが、技術力は相当高いと僕は踏んでいる。ライフライン(電気を除く)はしっかりと整備されているし、道路も石で舗装されているためだ。なので生活面では魔道具の使用はほとんどない。強いて言えば、洗濯と食器乾燥時に使うぐらいだろう。なので魔道具は戦闘中に魔法の補助をする役割として使う。だから、ダイヤのような魔道具は明らかに異質なのだ。
「一応、戦闘補助の人形なんだ。この子には守りの障壁と回復魔法、そして風魔法が使えるんだ。」
「3つも使えるんだ。いいなぁ良い魔道具だよ。」
「実はさ、僕が作った道具には製作者が魔道具を中心とした半径5m以内にいた場合、魔道具が放つ魔法の威力が3倍位なるっていう固有能力がデフォルトでつくみたいなんだ。」
「なんかもうなんでもありだね…」
とクロエはやれやれと言ったふうに首を横に振った
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