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41. 模擬戦⑧

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~ルイト&ダイヤside~
常々思うのだが、ノールンディ先生はなんで剣を素手で受けられたんだ?と考える。それになんでわざわざこんな夜に模擬戦をするんだ?と考える。
「なぁダイヤ。夜になると強くなる方法?みたいなのってあるのか?」
と先生の格闘技を躱しながら聞くと、
「そうですね…魔道具…と言っても国宝級のものでないと無理ですし、それが無理ならこの先生は人ならざる者それこそ本物の夜の主人ぐらいですし、十中八九魔道具でしょう。」
とダイヤが教えてくれる。魔道具は強力な効果のものこそ発動条件が厳しいものが多い。つまり…
(発動条件さえ分かれば勝てる!)
「けど、今までこれって言う効果のズレがないんだよな…」
と呟く。しばらくは防戦という名の避けゲーを続けるしかないね。
ハァ…ナギエと念話が繋がればなぁ…



~クロエ&シエンside~
「あれ?」
「そうそう…ほらあそこに索敵中ぽく1匹、使い魔が突出してるじゃん、あれに魔法で無力化できれば…」
「お、いいね…ナイスアイデア。…じゃあ行くよ…無属性魔法《スリープ》」
ちなみに無属性魔法は魔法の才能がなくても使える魔法で、圧倒的な構築スピードと使いやすさが特徴的な魔法だ。
「……!」バタッ
と使い魔のオオカミが倒れる。
「!なんだ?オウルとの視覚共有が切れたぞ?」
と2人ほど人が近くのビルから出てきた。ナギエの狙撃を警戒してのことだろうが、この場合は各個撃破できるため相当楽だ。
「行くよ!シエンちゃん!光属性+岩属性魔法!二重合成魔法ミクシーズ!《スターボウ・ストライク》!」
「火属性+スキル発動!多重構築魔法《狐火山の火炎弾》!」
と私たちは魔法を唱え、奇襲する。余談だが、私たち3人は学校内で最速の詠唱速度を待っているため、早打ちの場合よっぽどの事がない限り反撃はされない。
「!?お、お前らはナギe…」ドッゴーン
その2人は驚いたように目を見開き…吹っ飛んだ…
使い魔+2人「」
魔法を受けた2人と1匹は光に包まれて霧散した。これで脱落、このチームはあと2人か…
「よーし、あと2人…頑張ろう!」
とシエンが元気そうに片手を上げ…強風に吹き飛ばされた…
「ふ、ふにゃぁぁぁ!?」
と猫のような叫び声をあげ、後方に飛んで行った。
「そこ!誰かいるでしょ!」
と私は強風が吹いてきたところを指差した。理由は単純。強風の風に魔法力を感じたからだ。
「バレましたか…流石の索敵…いや、魔法力との親和性でしょうか…」
とビルの影から出てきた男子を見て…うへぇとなった。
「お久しぶりです。クロエ。いくら未来の妻とはいえ手加減はしませんよ?」
と出てきたのはシーレクタ・フォン・ルーテンベルグ…入学当初めちゃくちゃ言い寄ってきた男のうちの一人だ。
というか、このチーム自体が私に言い寄ってきたバカたれどもなのだ。ほんまにこいつらは一回ナギちゃんにお願いして《ミラージュ・ノヴァ》で焼き払って欲しい所存だがここには居ない…はぁ~やるしかないのか…
と覚悟を決める。そして先手必勝法に基づき速攻で倒そうとすると…
「ちょぉっとまったぁ!誰か1人忘れちゃぁ居ませんかってんだ!」
と誰かが乱入してきた…
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