転生したら、周辺環境がクソだったので、人形と共に改革していく 〜せっかく転生したのならゆっくりのんびり生きたい〜

甘夏かん

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83. 無双、そして新事実 ③

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「じゃあステラさん、あそこの席に着いてください。」
と教師はナギエの隣…僕とは逆で窓際の席を指した。
「わかりました。」
と言うと、彼女は言われた席に座る。その後は先生の話なのだが…正直、それどころじゃなかった。ホームルームが終わるなり僕ら、クーデター参加組は集まる。
「これはどう言ったご冗談でしょうか?王女様?」
と僕はステラに言った。
「どうって、私はただここには勉強のためだけにきたのよ?ここは学校。勉強なら学校って相場が決まってるでしょう?」
とステラはあっけらかんとしている。
「じゃあ何で偽名なんか使ってるんだ?普通に本名でいいだろ?」
とルイトは理解できないと言った風に言った。
「あのねルイト、私はこれでも一応王家の人間なのよ?そんなのがここにいるってわかったらお父様派の残党がいつ襲いにくるかわからないでしょう?これは私を守るためであり、みんなを守る為の嘘なの。」
とステラはまるで幼い子供に諭すように優しく言うと。
「ふ~ん。王族の人も大変なんだな。」
とルイトは言った。どうやらあんまり理解しているワケでは無さそうだ。
「あんたねえ…」
とナギエが呆れた声を出した。ステラは少しゲンナリしながら
「でも事実今は大変なのよ。実はお父様のことなんだけど…」
と話し始めた。
ステラ曰く、彼女の父…ギャプリエルは元は温厚で優しい人間だったのだが、ステラが産まれたあたりから何者かによって操られていた痕跡があったようだ。国王を操ることなど言語道断。もちろん犯人探しが始まったのだが、操られていた時に特定の家が優遇されていることはなかったので、貴族の線が消えた。その頃は周りの国とも外交ができていて、国王を操るメリットのある国はどこにもなかったらしい。
「じゃあ誰がどうやってなんてわからないじゃないですか!」
とルイトが言うと、
「手段ならわかっているのよ。」
とステラは言った。続けて、
「手段は、“魔法”。魅了系じゃなくて、その人の人格を消して新たに入れ込むものだったから残念だけどもう昔のようなお父様に戻ることはないそうよ。」
と言った。
「魅了系よりもそっちの魔法の方がずっとずっとハイレベルですよ?というか魅了系の最上位魔法でもそんな芸当は私のご先祖様でもできるかどうか…」
とクロエも薄気味悪いと言った顔をしている。
「まあこのことは今私の諜報部をフルに使って調べているからもう少ししたらわかると思うわよ。」
とステラは頭の後ろで手を組むと、
「ま、その話はまた後でするとして、授業行きましょうか。1時間目は確か移動教室よね?」
とステラは言った。
「そうだったな。確か…魔法演習室だったっけ?」
とルイトが言う。
「じゃ、ミナトくん。やろっか。」
とナギエはグーにした手を出してくる。
「おっけ。じゃ、いくぞ。じゃんけん…ぽん!」
と僕はグーを出す。ナギエはパーだ。
「くっそ。負けた…」
と僕らがじゃんけんをやっていると、
「な、何してるの?もうあと5分で授業始まるわよ!」
と驚いたようにステラが言うが、僕らはひとつも慌てない。
『“ゲート”』
と僕が唱えると、目の前の空間が歪む。
「ささ、どうぞ。」
と言うと、ナギエたちがその歪みに飛び込んでいく。
「ほら、荷物ちょうだい。」
と僕はステラに言う。
「ああ、そう言うことね。じゃ、よろしく。」
と言うと僕に教科書を差し出してくる。僕はそれを並列発動した空間魔法内にしまった。
ステラがゲートを潜ったのを確認すると僕もゲートを潜った。
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