6 / 13
第6話 魔獣
しおりを挟む
エリナ「魔獣…?見たことないですが…」
クレール「木霊なんだけど超変上位種だからちょっと形が違うんだ。」
エリナ「そ、そうでしたか。それでは、街の郊外にマリエールという温泉旅館があります。大きい屋敷なので直ぐ分かると思います。」
スポンド「そうか、ありがとう。」
クレール「ちなみに、今募集している仕事はある?」
エリナ「えぇっと…特にはないのですが、ブラエハムの研究所に魔獣を見せれば報酬をもらえるかもしれません。」
クレール「ありがとう。」
エリナ「はい、王国での生活をお楽しみください。」
エリナさんは花のような柔らかい笑顔で手を振ってくれた。周りの人はまだ少しだけ驚いている。とにかく、今は宿屋に行くのが先決だと思い、直ぐに看板を頼りにマリエールに向かった。
僕たちは今、大きな屋敷の前で立ち尽くしていた。
スポンド「ここだよな、マリエール。」
クレール「そうみたいだね。」
スポンド「デカすぎるだろ!一泊いくらすんだ!?」
クレール「と、とりあえず話を聞いてみようか。」
僕とスポンドは重厚な扉を開いて中に入った。エントランスはがらんとしていて老爺と若い娘が立っていた。
老爺「お客様ですか。ありがたいことじゃ…」
クレール「ここは一泊いくらですか?」
老爺「いくらということはありません。客は1人もいませんから、好きな部屋を使ってください。お金は納得した分だけ払っていただければ結構です。」
若い娘「中々見ない格好ですね。旅の方ですか?」
スポンド「村のしきたりで旅をしてるんだ。しばらく借りたいんだが、なんせでっかいピーコックがいるもんで。」
老爺「構いません。広さばかりはいくらでもございますから。」
クレール「それじゃあ、しばらく住ませてくれますか?春先まで、5月になったらお支払いします。1日でこのピーコックの羽1枚でどうですか?」
若い娘「1日で1枚!?あなた方は何者ですか?1枚2000バルツはくだらない代物ですよ?」
クレール「今は一文無しなもんで、保険みたいなものです。」
若い娘「わかりました。じゃあ、2ヶ月ぐらいですね。私は料理と洗濯担当のアリーです!よろしくお願いしますね。」
老爺「私は支配人のレヴェントンです。よろしくお願いします。」
2人は深々と頭を下げた。
クレール「ところで、どうして人がこんなに少ないんですか?」
レヴェントン「この辺は郊外で、昔は賑わっていましたが最近は大通りのホテルに客が取られてしまいまして、従業員も少ないもので、屋敷ばかり大きいと不気味がられて人も来ないのでございます。」
クレール「確かに…大通りに比べてこの辺は閑散としていますね。」
レヴェントン「良いのです。この程度がやりやすいですから。」
クレール「とにかく、ありがとうございます。それじゃあ、夕方まで少し出かけてくるので、帰ってきたらよろしくお願いします。」
アリー「お任せください!部屋と食事を準備して待ってますね!」
僕たちは屋敷を出て再び大通りに向かった。ブラエハムの研究所を目指して歩き回る。すると、ピーコが突然鳴き声を上げた。くちばしを振っている。
クレール「ピーコ、どうしたの?」
ピーコ「ギュ!ギュギュー!」
くちばしの先には林が見える。
クレール「向こうに何かあるのか?」
僕はその方向に歩いてみた。すると、小さな小屋が建っている。ドアには、ブラエハムの研究所と看板がかかっていた。
クレール「ピーコ、見つけてくれたのか?」
ピーコ「ギュー!」
スポンド「ピーコは背が高いから林の中でも建物が見えたんだろうな。」
クレール「ありがとう。それじゃあ、入ってみようか。」
僕は古びたドアを開けて中に入った。
クレール「すみませーん!誰かいませんか!」
すると奥から白衣を着た白髪髭の老人が出てきた。
ブラエハム「なんじゃ!研究資金の押し売りなら結構じゃぞ!」
クレール「い、いや!そうじゃなくて!珍しい魔獣を…」
ブラエハム「ん?なんじゃ?魔獣?そんなに珍しいのか?」
クレール「1人は木霊なんですけど、これです。」
僕はクープを持ち上げてみせる。
ブラエハム「な、なんじゃと!?これが木霊か!?見たことのない種類じゃ。超変上位種であることは間違いなさそうじゃな。これはすごい!新種じゃ!新種の魔獣じゃ!」
スポンド「あともう一匹は外にいるぜ。巨大ピーコックだ。」
ブラエハムは外を見るとまた大声を上げた。
ブラエハム「なな、なんじゃ!?この大きなピーコックは!?」
クレール「このピーコックは飛べるんです。」
ブラエハム「空飛ぶピーコックじゃと!?どういうことじゃ!こんな特殊な魔獣を2体も!巨大ピーコックなんて一流冒険者が大規模なパーティで討伐するような魔獣じゃ、たった2人で、しかも生け捕りにするなど…君たちは相当な腕利きの冒険者なのか?」
クレール「いや、僕らは2人ともファーマーです。農業職パーティですよ。」
ブラエハム「…もう言葉も出ん…こんな事態はわしの長い研究人生の中で間違いなく初めてのことじゃ、もっと詳しく話が聞きたい。よかったらもっと色々話してくれんか?もちろん、その奇妙な魔獣たちも歓迎しよう。」
クレール「じゃあ、夕方までなら…」
その後、僕たちはブラエハムに質問攻めにされてしまうのであった。
クレール「木霊なんだけど超変上位種だからちょっと形が違うんだ。」
エリナ「そ、そうでしたか。それでは、街の郊外にマリエールという温泉旅館があります。大きい屋敷なので直ぐ分かると思います。」
スポンド「そうか、ありがとう。」
クレール「ちなみに、今募集している仕事はある?」
エリナ「えぇっと…特にはないのですが、ブラエハムの研究所に魔獣を見せれば報酬をもらえるかもしれません。」
クレール「ありがとう。」
エリナ「はい、王国での生活をお楽しみください。」
エリナさんは花のような柔らかい笑顔で手を振ってくれた。周りの人はまだ少しだけ驚いている。とにかく、今は宿屋に行くのが先決だと思い、直ぐに看板を頼りにマリエールに向かった。
僕たちは今、大きな屋敷の前で立ち尽くしていた。
スポンド「ここだよな、マリエール。」
クレール「そうみたいだね。」
スポンド「デカすぎるだろ!一泊いくらすんだ!?」
クレール「と、とりあえず話を聞いてみようか。」
僕とスポンドは重厚な扉を開いて中に入った。エントランスはがらんとしていて老爺と若い娘が立っていた。
老爺「お客様ですか。ありがたいことじゃ…」
クレール「ここは一泊いくらですか?」
老爺「いくらということはありません。客は1人もいませんから、好きな部屋を使ってください。お金は納得した分だけ払っていただければ結構です。」
若い娘「中々見ない格好ですね。旅の方ですか?」
スポンド「村のしきたりで旅をしてるんだ。しばらく借りたいんだが、なんせでっかいピーコックがいるもんで。」
老爺「構いません。広さばかりはいくらでもございますから。」
クレール「それじゃあ、しばらく住ませてくれますか?春先まで、5月になったらお支払いします。1日でこのピーコックの羽1枚でどうですか?」
若い娘「1日で1枚!?あなた方は何者ですか?1枚2000バルツはくだらない代物ですよ?」
クレール「今は一文無しなもんで、保険みたいなものです。」
若い娘「わかりました。じゃあ、2ヶ月ぐらいですね。私は料理と洗濯担当のアリーです!よろしくお願いしますね。」
老爺「私は支配人のレヴェントンです。よろしくお願いします。」
2人は深々と頭を下げた。
クレール「ところで、どうして人がこんなに少ないんですか?」
レヴェントン「この辺は郊外で、昔は賑わっていましたが最近は大通りのホテルに客が取られてしまいまして、従業員も少ないもので、屋敷ばかり大きいと不気味がられて人も来ないのでございます。」
クレール「確かに…大通りに比べてこの辺は閑散としていますね。」
レヴェントン「良いのです。この程度がやりやすいですから。」
クレール「とにかく、ありがとうございます。それじゃあ、夕方まで少し出かけてくるので、帰ってきたらよろしくお願いします。」
アリー「お任せください!部屋と食事を準備して待ってますね!」
僕たちは屋敷を出て再び大通りに向かった。ブラエハムの研究所を目指して歩き回る。すると、ピーコが突然鳴き声を上げた。くちばしを振っている。
クレール「ピーコ、どうしたの?」
ピーコ「ギュ!ギュギュー!」
くちばしの先には林が見える。
クレール「向こうに何かあるのか?」
僕はその方向に歩いてみた。すると、小さな小屋が建っている。ドアには、ブラエハムの研究所と看板がかかっていた。
クレール「ピーコ、見つけてくれたのか?」
ピーコ「ギュー!」
スポンド「ピーコは背が高いから林の中でも建物が見えたんだろうな。」
クレール「ありがとう。それじゃあ、入ってみようか。」
僕は古びたドアを開けて中に入った。
クレール「すみませーん!誰かいませんか!」
すると奥から白衣を着た白髪髭の老人が出てきた。
ブラエハム「なんじゃ!研究資金の押し売りなら結構じゃぞ!」
クレール「い、いや!そうじゃなくて!珍しい魔獣を…」
ブラエハム「ん?なんじゃ?魔獣?そんなに珍しいのか?」
クレール「1人は木霊なんですけど、これです。」
僕はクープを持ち上げてみせる。
ブラエハム「な、なんじゃと!?これが木霊か!?見たことのない種類じゃ。超変上位種であることは間違いなさそうじゃな。これはすごい!新種じゃ!新種の魔獣じゃ!」
スポンド「あともう一匹は外にいるぜ。巨大ピーコックだ。」
ブラエハムは外を見るとまた大声を上げた。
ブラエハム「なな、なんじゃ!?この大きなピーコックは!?」
クレール「このピーコックは飛べるんです。」
ブラエハム「空飛ぶピーコックじゃと!?どういうことじゃ!こんな特殊な魔獣を2体も!巨大ピーコックなんて一流冒険者が大規模なパーティで討伐するような魔獣じゃ、たった2人で、しかも生け捕りにするなど…君たちは相当な腕利きの冒険者なのか?」
クレール「いや、僕らは2人ともファーマーです。農業職パーティですよ。」
ブラエハム「…もう言葉も出ん…こんな事態はわしの長い研究人生の中で間違いなく初めてのことじゃ、もっと詳しく話が聞きたい。よかったらもっと色々話してくれんか?もちろん、その奇妙な魔獣たちも歓迎しよう。」
クレール「じゃあ、夕方までなら…」
その後、僕たちはブラエハムに質問攻めにされてしまうのであった。
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる