〜召喚されたが、何故か戦わないといけないなんて聞いてない〜

第一章

6

｢そうですか…ﾓｸﾞﾓｸﾞ｣



ご飯美味しい。
先程まで感じていた悲しい気持ちは既になく、別に無いなら無いで仕方が無いと思い始めていた。
  
   

｢えっ、反応薄くな～い？
私は取り乱したわよ！？｣





「…？
だって、記憶が全くないですから、これからどうしたら？って事しか…」

    


…だって、取り乱した所でどうにもならないしと言うと、そうねとアヤメも応えた。




｢なかなか、肝が座っているようだな。
ならば、話早い…

君の生活は保証しよう。
だが、君にはアヤメと一緒に働いて貰う。｣



アメテュストが覚悟を決め話を進めた。



｢君にはアヤメとともに、戦争に参加して貰う。
この国の勝利の為、君を利用させて欲しい。｣




「戦争ですか。
人を殺せと言うことですね。」



人を殺す…
残酷な話だとは思った。
 

「そうだ。
君達、召喚された人間は私達より強い。
何かしら能力に目覚める。
その力…能力を使用し、私達を勝利に導いて欲しい。」



アメテュストは真剣な顔で私を見つめていた。
アヤメは心配そうな顔でこちらを見ていた。



「……わかりました。
何が出来るか今はわからないですが、できる限りの事は協力します。」



「こんな少女に…
ねぇ、マスターさん？
しばらく、カリンちゃんと一緒に訓練していいかしら？
後、この世界についてお勉強も…」


アヤメがアメテュストにそう尋ねた。


｢あぁ、元よりそのつもりだ。
アヤメ、後はよろしく頼む。
カリンよ、この部屋はあなたのものだ。
好きに使用すればいい。｣
 


ではなと言うと、アメテュストは部屋から出て行った。