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九章
王都 15
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前座もそこそこに。
コースのメイン料理が運ばれて来た。
おそらくはチャーシューとか。
角煮とか。
その類の料理なのだろう。
見るからにじっくり煮込まれていそうなお肉だ。
かなりの迫力。
しかも、結構しっかり量がある。
正直、ちょっと意外だ。
いやね。
コース料理のお肉だと50gとかそんなんが殆どのイメージ。
100gあったら多い方な気がする。
それが、俺の目の前には200はありそうな塊肉。
前世のいわゆるコース料理と比べて。
多少品数が少なめだったからってのもあるのだろうけど。
それにしたって。
食べ応え抜群である。
あ、後お肉と一緒にパンも運ばれて来た。
見るからに濃いめの味付けだし。
おそらく一緒に食えという事なのだろう。
この量の肉にさらに炭水化物……
結構、満腹になれそうだな。
いい店だ。
コース料理とか腹一杯には食えない固定観念があったから。
それで敬遠してた節もある。
この店は客の腹を満たそうって気概が見えて。
その姿勢は俺的に好ましく思える。
にしても、この肉だが。
お品書きによると飛竜のお肉らしい。
初体験ではあるし。
楽しみでもあるんだけど。
それ以前にだ。
俺、さっき乗って来たんだが。
そこら辺どうなの?
てなことを思わんでもない。
この店を選んだのはノアな訳で。
ドラゴン便なんて手段を使って俺を王都まで呼んだのもノア。
知ってたのかどうか。
まぁ、コース料理出すような店だからね。
おまかせ的な所も多いのだろう。
でも、飛竜なんてどこでも食べれる物じゃないからな。
店の売りだったりする可能性もなきにしもあらず。
ちょうど、五分五分ぐらいだな。
ま、どちらにしろ気にしなかった説濃厚か。
こんなことを言いつつ。
実は俺も平気だったり。
水族館楽しんだ後、何も気にせず海鮮丼を食えるタイプだし。
むしろ美味さが増すまである。
なんなら、競馬で勝って。
その金で焼肉行ってサクラユッケを3皿と豪遊した事もある。
ノアもそういう人間なのだろう。
冒険者だしな。
俺は薬草採取しかやってないが。
上に行くには討伐系の任務は必須なのだから。
すでに慣れきっているのかもしれない。
それにしたって。
わざとなら多少サイコ味感じるけどな。
ほら、以前受付嬢がノアをサイコパス呼ばわりしてたから。
どうしてもそのイメージが。
後、嬢と共謀して俺のこと嵌めてくれたし。
その素質はあるんじゃないかと。
まぁ、んな事はどうでもいいのだ。
思考がそれてしまった。
今集中すべきは目の前の肉料理。
それ以外には何も必要ない。
漂ってくる香りからして、すでに食欲を刺激してくる。
ナイフがスッと入った。
本当に柔らかい。
でも、崩れてしまうほどボロボロにはなっていない。
しっかりと切れる程度には形を保ってくれている。
そのまま一口。
味としては旨味が強い赤身肉と言ったところか。
霜降りとか、そっち系の味ではない。
これが飛竜か……
まぁ、当然部位によるのかもしれないが。
見た目から想像するよりもずっと繊細で柔らかい肉質。
今日乗せてもらったが、あれだけ長時間空を飛べるのだ。
別に羽で飛んでる訳ではなく。
どちらかといえば、魔法がメインな訳だが。
それでもバランスを取るために体幹は強力だろうし。
瞬発力よりは持続力のイメージ。
それもあってだろうな。
豚肉とか、牛肉とか。
そういう分かりやすい物と比べて。
どちらかと言えば脂少なめの淡白な味合いが強めなのは。
多分、ドラゴンとかは霜降り強めの系統なのだろう。
食べた事ないし。
完全に勘でしかないのだけど。
ほら、縄張りからあんまり動かないイメージあるし。
脂肪を溜め込んでそう。
山の上とか、ダンジョンの奥とか。
そういう分かりやすい秘境に陣取ってる感じ。
ま、見たこともないんだけどね。
物語で読んだだけ。
ただの想像なので実際のところは本当に何も知らない。
にしても、飛竜がこうやって店で出てくるのはすごいなと。
ドラゴンほどじゃないにしてもだ。
そう簡単に狩れる魔物でもないのは確か。
王都には飛竜を狩れる冒険者がいて。
それを買える人間がいる。
だからこれが商売として成り立っているのだろう。
港町なんかじゃ。
水竜はただの脅威、厄介者でしかなかったし。
味は結構いけたんだけどね。
街としての力の差とでも言うのか、それをひしひしと感じた。
腹もそこそこ満たされ、最後にデザート。
果物だ。
メロン的な何か。
まぁ、メロンと比べると少し酸味が強めか。
品種改良もそこまで進んでないだろうしな。
前世のが甘すぎるのだ。
でも、これもこれで悪くない。
あっさりしてて。
口の中もさっぱりするからね。
コースの締めとしては適してた気がする。
ただ、どこかで食べた覚えあるんだよな。
何だっけ?
メロンどうこうではなくて。
いや、味としては熟し切ってないメロンとかそんな感じなんだけど。
もっと分かりやすいのが。
……あぁ、これほぼイチジクだわ。
総じて、かなり満足のいく内容だった。
特に飛竜なんて初体験だったし。
味としても良かった。
こういう店じゃなければ。
それこそ自分で狩りでもしないと、食べる機会なかったのだろうな。
王都にいた頃。
まだ学園に通っていた時の話。
幼かったのもあったが、この手の店に全く足を運ばなかった。
幼いと言っても見た目だけ。
実際は前世も合わせてアラフィフのおっさん。
こんな面白いものがあったのかと。
ちょっと後悔。
普通に、食べに来てればよかった。
まぁ、ノアとの兼ね合いもあって。
これから王都にもちょくちょく来ることになるだろうし。
謎に避ける意味もない。
貴族街のお店も少しずつ開拓していっても面白いかもな。
あくまで値段次第ではあるが。
多少ぐらいなら、ね。
食のためだ。
面倒事もやむなしと思っている自分もいる。
ミスリルとかも……
いや、あくまで臨時でならの話だけど。
コースのメイン料理が運ばれて来た。
おそらくはチャーシューとか。
角煮とか。
その類の料理なのだろう。
見るからにじっくり煮込まれていそうなお肉だ。
かなりの迫力。
しかも、結構しっかり量がある。
正直、ちょっと意外だ。
いやね。
コース料理のお肉だと50gとかそんなんが殆どのイメージ。
100gあったら多い方な気がする。
それが、俺の目の前には200はありそうな塊肉。
前世のいわゆるコース料理と比べて。
多少品数が少なめだったからってのもあるのだろうけど。
それにしたって。
食べ応え抜群である。
あ、後お肉と一緒にパンも運ばれて来た。
見るからに濃いめの味付けだし。
おそらく一緒に食えという事なのだろう。
この量の肉にさらに炭水化物……
結構、満腹になれそうだな。
いい店だ。
コース料理とか腹一杯には食えない固定観念があったから。
それで敬遠してた節もある。
この店は客の腹を満たそうって気概が見えて。
その姿勢は俺的に好ましく思える。
にしても、この肉だが。
お品書きによると飛竜のお肉らしい。
初体験ではあるし。
楽しみでもあるんだけど。
それ以前にだ。
俺、さっき乗って来たんだが。
そこら辺どうなの?
てなことを思わんでもない。
この店を選んだのはノアな訳で。
ドラゴン便なんて手段を使って俺を王都まで呼んだのもノア。
知ってたのかどうか。
まぁ、コース料理出すような店だからね。
おまかせ的な所も多いのだろう。
でも、飛竜なんてどこでも食べれる物じゃないからな。
店の売りだったりする可能性もなきにしもあらず。
ちょうど、五分五分ぐらいだな。
ま、どちらにしろ気にしなかった説濃厚か。
こんなことを言いつつ。
実は俺も平気だったり。
水族館楽しんだ後、何も気にせず海鮮丼を食えるタイプだし。
むしろ美味さが増すまである。
なんなら、競馬で勝って。
その金で焼肉行ってサクラユッケを3皿と豪遊した事もある。
ノアもそういう人間なのだろう。
冒険者だしな。
俺は薬草採取しかやってないが。
上に行くには討伐系の任務は必須なのだから。
すでに慣れきっているのかもしれない。
それにしたって。
わざとなら多少サイコ味感じるけどな。
ほら、以前受付嬢がノアをサイコパス呼ばわりしてたから。
どうしてもそのイメージが。
後、嬢と共謀して俺のこと嵌めてくれたし。
その素質はあるんじゃないかと。
まぁ、んな事はどうでもいいのだ。
思考がそれてしまった。
今集中すべきは目の前の肉料理。
それ以外には何も必要ない。
漂ってくる香りからして、すでに食欲を刺激してくる。
ナイフがスッと入った。
本当に柔らかい。
でも、崩れてしまうほどボロボロにはなっていない。
しっかりと切れる程度には形を保ってくれている。
そのまま一口。
味としては旨味が強い赤身肉と言ったところか。
霜降りとか、そっち系の味ではない。
これが飛竜か……
まぁ、当然部位によるのかもしれないが。
見た目から想像するよりもずっと繊細で柔らかい肉質。
今日乗せてもらったが、あれだけ長時間空を飛べるのだ。
別に羽で飛んでる訳ではなく。
どちらかといえば、魔法がメインな訳だが。
それでもバランスを取るために体幹は強力だろうし。
瞬発力よりは持続力のイメージ。
それもあってだろうな。
豚肉とか、牛肉とか。
そういう分かりやすい物と比べて。
どちらかと言えば脂少なめの淡白な味合いが強めなのは。
多分、ドラゴンとかは霜降り強めの系統なのだろう。
食べた事ないし。
完全に勘でしかないのだけど。
ほら、縄張りからあんまり動かないイメージあるし。
脂肪を溜め込んでそう。
山の上とか、ダンジョンの奥とか。
そういう分かりやすい秘境に陣取ってる感じ。
ま、見たこともないんだけどね。
物語で読んだだけ。
ただの想像なので実際のところは本当に何も知らない。
にしても、飛竜がこうやって店で出てくるのはすごいなと。
ドラゴンほどじゃないにしてもだ。
そう簡単に狩れる魔物でもないのは確か。
王都には飛竜を狩れる冒険者がいて。
それを買える人間がいる。
だからこれが商売として成り立っているのだろう。
港町なんかじゃ。
水竜はただの脅威、厄介者でしかなかったし。
味は結構いけたんだけどね。
街としての力の差とでも言うのか、それをひしひしと感じた。
腹もそこそこ満たされ、最後にデザート。
果物だ。
メロン的な何か。
まぁ、メロンと比べると少し酸味が強めか。
品種改良もそこまで進んでないだろうしな。
前世のが甘すぎるのだ。
でも、これもこれで悪くない。
あっさりしてて。
口の中もさっぱりするからね。
コースの締めとしては適してた気がする。
ただ、どこかで食べた覚えあるんだよな。
何だっけ?
メロンどうこうではなくて。
いや、味としては熟し切ってないメロンとかそんな感じなんだけど。
もっと分かりやすいのが。
……あぁ、これほぼイチジクだわ。
総じて、かなり満足のいく内容だった。
特に飛竜なんて初体験だったし。
味としても良かった。
こういう店じゃなければ。
それこそ自分で狩りでもしないと、食べる機会なかったのだろうな。
王都にいた頃。
まだ学園に通っていた時の話。
幼かったのもあったが、この手の店に全く足を運ばなかった。
幼いと言っても見た目だけ。
実際は前世も合わせてアラフィフのおっさん。
こんな面白いものがあったのかと。
ちょっと後悔。
普通に、食べに来てればよかった。
まぁ、ノアとの兼ね合いもあって。
これから王都にもちょくちょく来ることになるだろうし。
謎に避ける意味もない。
貴族街のお店も少しずつ開拓していっても面白いかもな。
あくまで値段次第ではあるが。
多少ぐらいなら、ね。
食のためだ。
面倒事もやむなしと思っている自分もいる。
ミスリルとかも……
いや、あくまで臨時でならの話だけど。
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