ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上

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十一章

学祭 7

 カフェで紅茶をひとしきり楽しみ、退店。
 メイド服を着た生徒が頑張って接客をしていた。
 それを見るだけで結構面白い。
 別に変な意味ではなく。
 上流階級が頑張ってんなぁと。
 ま、俺以外は客も大抵そっち側の人間なのだろうけど。
 微笑ましそうに見ていた。
 そりゃ、基本そういう視線になるか。
 むしろ学園祭に部外者が来ることが珍しいのだ。
 最後はお見送りまでしてくれたし。
 十分、値段に見合う価値はあったかな。

 メイド喫茶にハマる人間がいるのも理解出来る。
 俺は行った事ないけど。
 まぁ、性質としては多少違う気もするが。
 オタクが手の届かない女の子に接客されて良い気分になるのと。
 本質的には大差ない。
 貴族様が労働してる姿というのは悪くはなかった。

 捻くれた見方だという自覚はあるが。
 そう思ってしまったのだから、仕方がない。

 そこから、また。
 生徒を遠巻きに眺めながら校舎を歩く。
 なんだかんだ時間が潰れた。
 高級品だからね。
 一杯を無駄にちびちび飲んでしまった。
 貧乏性と言うか、何と言うか……
 そろそろだろうか?
 廊下に貼ってあった予定表を確認する。
 劇だなんだと書いてあったが。
 そっちではない。
 トーナメント。
 もう少しで初戦が始まるらしい。

 これを見に来たのだ。
 ノアに招待された訳だし、流石に初めから見る予定ではある。
 学園祭の中でも一番デカいイベントだしね。
 仮にその事情がなかったとしても見るべきではあるだろう。
 性質上時間がかかるせいだろうか?
 結構早くからやってるらしい。
 まだお昼前の時間帯。

 校舎を出て、少し歩く。
 闘技場へ。
 学園の地図なんてすっかり頭から抜け落ちてしまってはいるが。
 これに関しては迷うことはない。
 なんたって目立つし。
 ここに来たのは3度目だろうか?
 確か、入試で一回。
 授業か何かで一回。
 今回ので三回目である。

 学園の内部にある施設のくせに、なかなか立派な外見をしてやがる。
 ハリボテということもなく。
 当然、その中身も外見通りの豪華さ。
 コロッセオ的な?
 石造りの巨大な円形の建造物だ。
 結構な収容人数を誇り、押し込めば学園の生徒が全員入るかもしれない。

 王都には他にも闘技場があるのだけど。
 そこよりよほど綺麗。
 流石に規模だけで言えば向こうのほうがデカいだろうけど。
 こっちの方が格は高い。
 向こうは汗臭いとでも言えば良いのか。
 機能優先。
 無論、そこから機能美的なものは感じるけどね。
 どちらかと言えば、庶民の施設なのだ。

 学園の施設を、一般公開なんて当然しない訳で。
 ここを使うのは学園の関係者のみ。
 そこにこんなに金使って。
 無駄では? と思わなくもない。
 誰に見せる訳でも。
 いや、生徒の親は見に来るのだけど。
 それだけ。
 まぁ、そっちの方が重要ってことなんだろうな。
 庶民用の娯楽施設なんかよりも。

 国の威信をかけた施設ではあるからね。
 同盟国とか。
 そこまで行かなくても仲の良い国の貴族が視察に来たりもするし。
 なんなら、学園に留学してきたりとか?
 そんなんも別にあり得なくはない。
 そういう意味でも。
 この豪華さにもある程度意味はあるのだろう。

 学園関係者の見栄っ張りとか。
 利権とか。
 そっちの方が強そうな気もするけどね。
 貴族だけじゃなく商人も通う学校だし。
 どこに建設をお願いしたんだか。
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