ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上

文字の大きさ
119 / 277
十二章

騒動 7

 つい、勢い余ってしまった。
 前のめりになりすぎたらしい。
 笑われた。
 童貞でもあるまいに。

 でも、断られたりはしなさそうな様子。
 良かった。
 これでにべもなく振られたりしたら。
 1週間ぐらいは引きずるかもしれない。

 にしても……、本当に同い年だよね?
 クラスメイトらしいし。
 それは間違いないと思うんだけど。
 なんと言えば良いのか。
 年上の余裕を感じる。
 俺が成長してないってのも有るんだろうが。
 それにしてもだ。
 むしろ。
 俺の場合転生までしてるし。
 二倍以上歳食ってるはずなんだが。
 まぁ、冷静に考えて35歳は十分大人か。
 これ以降は老成とかそんなん。
 あれだな。
 大人って、年齢じゃないんだな。

 教師やってるからってのもあるのだろうか?
 子供を相手にしてるからね。
 自然と……
 ん?
 つまりは俺が子供扱いされてるって事なのでは?
 まぁ、別に。
 それが嫌ってことは無いのだけど。

「本当にいいのか?」

 確認してしまった。
 無粋だというのは分かりつつも。
 一応。
 3人って、ねぇ。
 普通ではないし。

 それに、俺としてもこれ本当に大丈夫なだろうか。
 別に美人局とかを疑ってる訳ではなく。
 相手は貴族だし。
 俺から体使ってまで取るような物なんて存在しないだろう。
 ただ、普通に。
 これぐらいの歳だと普通に結婚してる可能性あるよね?

 ……既婚者相手、か。
 いや、あくまで可能性の話だけど。
 これは聞けないな。
 聞いた上でヤるのはちょっと。
 面倒事でしかない。
 今ですらうっすらその匂いは感じてはいるが。
 引き返せと。
 声が聞こえてくる様な気がする。
 しかし、たわわな果実の誘惑には勝てない。
 シュレディンガーの猫だ。
 確認するまでは夫は存在しないって事で。

「むしろ、ありがとうございます」
「え?」
「恥ずかしながら、ノアさんには前に一度振られてしまったので」

 ……なるほど?

 まぁ、本当にビッチならノアに行かない理由はないわな。
 貴族相手は面倒なことになりかねないが。
 冒険者だからね。
 そういった事もないだろうし。
 最低限の理性はある様だ。
 久々に再開したクラスメイト相手にナンパするって行為が理性的かは置いておくとして。
 ん?
 やっぱり理性はないのでは?
 なんか生徒にも手を出してそうな予感。
 そもそも、ノアだって学園で講師初めて数ヶ月しか経ってないし。
 手が早いというか、なんというか。
 ただ、そういうことしをつつも保身はしっかりしてそうではある。
 生徒に手を出しつつも、貴族ではなく。
 商人とか貴族でも下級貴族とかそういう子を狙ってそう。

 うん、理性じゃないな。
 こういうのは悪知恵と呼ぶのだ。

 にしてもノア、モテモテだな。
 メスガキといい。
 教師といい。
 学園でフェロモンばら撒いてるらしい。
 ま、イケメンだしね。
 上級冒険者だし。
 そりゃ、モテもするか。

 ここまでくると、俺はおまけなのでは?
 って気もしてくるが。
 声掛けられたのも。
 思い返してみれば、ノアと別れた直後だったし……
 いや、ここ考えてもいいことはないな。
 無視だ無視。
 それに覚えててくれたのは本当っぽいし。
 俺を逆ナンした。
 たまたまノアもついて来た。
 そう言うことで。

 それに、どっちにしろ彼女が期待したようにはならないだろう。
 なんたってノアは童貞である。
 未経験では無いが。
 男2人に女1人ではありつつも、タチは1人しか居ないのだ。
 いや、嬢に奪われてる可能性もあるか。
 でも、妹分言ってたし。
 おそらく、そういう事はしていないと思われる。

 店を出る。
 会計を払おうとしたが、いりませんと。
 断られてしまった。
 奢りは悪いと思ったのだけど。
 これからそういうことする訳だし。
 流石に。
 と思ったら、どうもここ彼女の店らしい。
 店員さんにお金を渡すも。
 普通に受け取ってくれなかった。
 出資してるとかなんとか。
 本当優秀だな。

 そのままホテル街へ。
 明か浮いている。
 ノアを連れてこういう場に来た時もそうだったが。
 1人で来る時とは周りの視線が違う。
 今回はさらにもう1人増えてる訳だからね。
 そりゃこうもなるか。

 まだいまいち実感はないのだが。
 どうしてこうなった。
 いや、文句はないのだけど。
 むしろ今の状況万々歳と言いますか。

 幼馴染の貴族の女の子。
 現役の教師で、清楚系ビッチ。
 しかも人妻(推定)
 ……いや、エロ過ぎでは?

 と言うか、今更の話ではあるが。
 男2人、貴族を宿に連れ込むのは絵面やばい気がしてきた。
 犯罪の匂い。
 実情とは違うのだけど。
 俺は逆ナンされた側だし、ノアも声掛けられてたらしいし。
 むしろ俺らが連れ込まれてるまである。

 覚悟を決め、さぁ行くぞ!

 ホテルに入る直前。
 肩を叩かれた。
 2人のどちらかかと思ったら……

 誰だ?
 衛兵?

「詰所までご同行願います」
感想 69

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。