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十二章
騒動 9
そのまま、衛兵に囲まれ詰所まで連行される。
あそこでやり取りしててもね。
埒が明かないし。
その前に、ノアが暴発しかねなかったから。
仕方がない。
我ながらいい判断だと思う。
しかし、ここ本当に詰所か?
いや、何と言うか。
空気がどんよりしてると言いますか。
名ばかりでは?
刑務所と言われた方がしっくりくる。
それぐらいの雰囲気だ。
ここで勾留されるらしいが。
容疑者の事を長期間置いておく気満々である。
数日で出られるとか。
そんな甘い期待はしない方が良さそうだ。
何でこんな事になってるんだか。
不運としか言いようがない。
暴れてた奴らも、暴動するのは勝手だけどさ。
俺に迷惑を掛けないで欲しい。
「さて、これから捜査が終わるまでの間勾留させてもらう訳だが……」
このまま、牢にでも放り込まれるのかと思っていたのだけど。
連れて行かれた部屋は予想外にまともだった。
椅子まで用意して、普通に取り調べでも始めようって感じ。
俺に罪を押し付ける気満々だと思ってたのだが。
もしかして違うのか?
解決する気ある?
まぁ、今回の事件。
王都の中心部で大規模な魔法の暴発とかかなりの大事ではあるし。
こいつらなりに、犯人は捕まえたいのか。
俺に罪押し付けた所でもう一度同じ様なこと起きたら。
それこそメンツも何もないし。
上の人の首が結構飛びそう。
すでにいくつかは飛んでそうだろうが、比にならないぐらい。
にしても、捜査が終わるまでってのは変わらないからなぁ。
真面目にやったとて。
一体いつ捜査が終わるんだか。
無能な事に変わりはないし。
とてもすんなり解決出来る様には思えない。
「一応聞いておくが、罪を認めるつもりはあるか?」
「何を?」
「話を聞いていなかったのか、先の暴動への関与の話だ」
「んなことしてねぇよ」
「嘘を吐いた所でお前が苦しむ事になるだけだぞ?」
嘘ね。
やっぱり、都合のいい証言が欲しいだけにしか見えん。
正直に話してるっての。
めんどくさいったらありゃしない。
本当に解決する気あるのか?
俺に聞いたって何も出ないからさっさと足で稼いで来いや。
このまま拷問コースだろうか?
あーあ。
腐ってやがる。
仮に、それやって証言とれた所でねぇ。
冤罪にしかならんぞ?
冷静になってみれば、多少疑わしいかもしれないけど。
そんな俺と言い切れる証拠あります?
酒飲んでただけでしょ?
後は、身元が低ランク冒険者で怪しいって事ぐらい。
そもそも、学園では何も起こっていないのだ。
いや、闘技場が吹っ飛びかけたけど。
そこは俺が事前に防いだし。
魔力が噴出して違和感は抱かれただろうが、自然現象としても起こり得るもの。
今回の暴動と結びつけるのはいささか乱暴がすぎると思う。
何も見つけられないから。
とりあえず誰か捕まえて、お上の溜飲でも下げようってか?
邪推ではあるが。
正直、そうとしか見えない。
これほどの大事件、発生した時点で何人か首切られるのは確定。
でも、どこまで責任が降りてくるかわからない。
上から下まで、自分の首かが掛かっているのだ。
そりゃ、必死にもなる。
出来ればその労力はかかしの用意ではなく犯人逮捕に注ぎ込んで欲しいところだが。
そこが衛兵クオリティーなのだろう。
そして、その対象に俺がちょうど良かったと。
酔っ払ってて、身元が怪しくて、相応しく無い場所にいた俺が。
まぁ、仮に本気で事件の解決目指してたとしても。
この時代の捜査だ。
足で稼ぐしかないなんて言葉は前世でも耳にしたが。
この世界じゃよりそうなのだろう。
警備員ってのは、その業務の性質上一般人より周りをよく見てるものだし。
聞き込み対象としては持ってこい。
王都の中心付近、貴族街がメインで起こったこの暴動。
学園の警備員が聞き込みの対象に入るのは当然。
怪しい人物は見なかったか、と。
その聞き込みで誰が出てくるかと言えば、俺である。
酒の入った、低ランクの冒険者。
招待状は持っていたが、それが怪しまない理由にはならないだろう。
王都でここまで大胆な事をしたのだ。
偽装、もしくは盗品。
いくらでも考えようはある。
警備がどこまで詳細に覚えていて、どこまで話したか知らないが。
メスガキの件も。
子供が取り込まれるのはあり得る話だ。
そもそも、酔っ払いってだけで怪しい。
犯罪者が酔ってるのなんてあるあるだろうし。
それは酔って揉めるのも勿論だが。
やらかす前に酒を飲んで緊張ほぐそうとか。
最後の一杯だとか。
十分有り得る思考回路だ。
……まぁ、疑われるのはしゃーなしか。
押し付けられてるにしても、真面目に捜査してるにしても。
どっちみち、容疑者ではある。
TPO、これ結構大事な物らしい。
変に目立ったからこんな事になってる訳だし。
浮いてる事はわかっていたのだ。
ケチらず。
ちょっと高めの服ぐらい用意すれば良かった。
正味、勾留されるだけなら構わないのだ。
短期間なら。
それこそちょっと興味はあったし。
衛兵の行為も。
別に理解できなくはない。
要は、怪しい奴を公務執行妨害で一旦しょっぴくみたいな物だろ?
ドラマなんかでしか見ないし。
実際にやってるのかは知らないけど。
ただ、そのハードルがとんでもなく低いせいで。
怪しい行動をしたってだけで。
無期の勾留くらいそうになってる訳だが。
一応、こいつらが真面目に捜査するなら別に。
黙ってればそのうち解放されそうではある。
普通の犯罪だったらアレだけど。
これだけ大規模にやってるのだ。
黒幕はともかくとして、犯人はいくらでも捕まる。
俺は仲間でもないし。
いくら捜査したところで証言など出てこない。
案外簡単に解放されるかもしれない。
まぁ、俺の絵でも見せて。
拷問の上、仲間かなんて聞けばその限りではないが。
完全な楽観視でしかない。
と言っても、特に出来ることもないし。
「もう一度言うぞ? 今ここで全てを話すならお前のことは見逃してやってもいい、これは最後のチャンスだ」
どうだか。
それに知らないものは知らないのだ。
話すも何もない。
黙秘が吉。
「隊長実は……」
そのまましばらくの間膠着。
いいかげんどっか行ってくれませんかね。
お前らも暇じゃないんだろ?
さっさと捜査に行けよと。
そんな事を思ってる所に誰かが入ってきた。
隊長、ね。
偉そうにしてはいたが。
一応上役ではあったらしい。
まぁ、自ら取り調べなんてやってるのを見るに。
そこまで地位は高くないのだろう。
貴族とかそういう感じではなさそう。
部下の報告を聞き、ニヤニヤしている。
進展があったのだろうか。
出来れば、さっさと俺のこと解放してくれるとありがたいのだけど。
「おい、証拠が出てきたぞ。良かったな」
「開放してくれるんか?」
「は? 何をふざけたことを」
あれ?
雲行きがちょっと……
「事件発生当時、学園の闘技場にいたらしいな」
「あぁ、それがどうした」
「地下から身元不明の死体が出てきたそうだ」
……なるほど?
あそこでやり取りしててもね。
埒が明かないし。
その前に、ノアが暴発しかねなかったから。
仕方がない。
我ながらいい判断だと思う。
しかし、ここ本当に詰所か?
いや、何と言うか。
空気がどんよりしてると言いますか。
名ばかりでは?
刑務所と言われた方がしっくりくる。
それぐらいの雰囲気だ。
ここで勾留されるらしいが。
容疑者の事を長期間置いておく気満々である。
数日で出られるとか。
そんな甘い期待はしない方が良さそうだ。
何でこんな事になってるんだか。
不運としか言いようがない。
暴れてた奴らも、暴動するのは勝手だけどさ。
俺に迷惑を掛けないで欲しい。
「さて、これから捜査が終わるまでの間勾留させてもらう訳だが……」
このまま、牢にでも放り込まれるのかと思っていたのだけど。
連れて行かれた部屋は予想外にまともだった。
椅子まで用意して、普通に取り調べでも始めようって感じ。
俺に罪を押し付ける気満々だと思ってたのだが。
もしかして違うのか?
解決する気ある?
まぁ、今回の事件。
王都の中心部で大規模な魔法の暴発とかかなりの大事ではあるし。
こいつらなりに、犯人は捕まえたいのか。
俺に罪押し付けた所でもう一度同じ様なこと起きたら。
それこそメンツも何もないし。
上の人の首が結構飛びそう。
すでにいくつかは飛んでそうだろうが、比にならないぐらい。
にしても、捜査が終わるまでってのは変わらないからなぁ。
真面目にやったとて。
一体いつ捜査が終わるんだか。
無能な事に変わりはないし。
とてもすんなり解決出来る様には思えない。
「一応聞いておくが、罪を認めるつもりはあるか?」
「何を?」
「話を聞いていなかったのか、先の暴動への関与の話だ」
「んなことしてねぇよ」
「嘘を吐いた所でお前が苦しむ事になるだけだぞ?」
嘘ね。
やっぱり、都合のいい証言が欲しいだけにしか見えん。
正直に話してるっての。
めんどくさいったらありゃしない。
本当に解決する気あるのか?
俺に聞いたって何も出ないからさっさと足で稼いで来いや。
このまま拷問コースだろうか?
あーあ。
腐ってやがる。
仮に、それやって証言とれた所でねぇ。
冤罪にしかならんぞ?
冷静になってみれば、多少疑わしいかもしれないけど。
そんな俺と言い切れる証拠あります?
酒飲んでただけでしょ?
後は、身元が低ランク冒険者で怪しいって事ぐらい。
そもそも、学園では何も起こっていないのだ。
いや、闘技場が吹っ飛びかけたけど。
そこは俺が事前に防いだし。
魔力が噴出して違和感は抱かれただろうが、自然現象としても起こり得るもの。
今回の暴動と結びつけるのはいささか乱暴がすぎると思う。
何も見つけられないから。
とりあえず誰か捕まえて、お上の溜飲でも下げようってか?
邪推ではあるが。
正直、そうとしか見えない。
これほどの大事件、発生した時点で何人か首切られるのは確定。
でも、どこまで責任が降りてくるかわからない。
上から下まで、自分の首かが掛かっているのだ。
そりゃ、必死にもなる。
出来ればその労力はかかしの用意ではなく犯人逮捕に注ぎ込んで欲しいところだが。
そこが衛兵クオリティーなのだろう。
そして、その対象に俺がちょうど良かったと。
酔っ払ってて、身元が怪しくて、相応しく無い場所にいた俺が。
まぁ、仮に本気で事件の解決目指してたとしても。
この時代の捜査だ。
足で稼ぐしかないなんて言葉は前世でも耳にしたが。
この世界じゃよりそうなのだろう。
警備員ってのは、その業務の性質上一般人より周りをよく見てるものだし。
聞き込み対象としては持ってこい。
王都の中心付近、貴族街がメインで起こったこの暴動。
学園の警備員が聞き込みの対象に入るのは当然。
怪しい人物は見なかったか、と。
その聞き込みで誰が出てくるかと言えば、俺である。
酒の入った、低ランクの冒険者。
招待状は持っていたが、それが怪しまない理由にはならないだろう。
王都でここまで大胆な事をしたのだ。
偽装、もしくは盗品。
いくらでも考えようはある。
警備がどこまで詳細に覚えていて、どこまで話したか知らないが。
メスガキの件も。
子供が取り込まれるのはあり得る話だ。
そもそも、酔っ払いってだけで怪しい。
犯罪者が酔ってるのなんてあるあるだろうし。
それは酔って揉めるのも勿論だが。
やらかす前に酒を飲んで緊張ほぐそうとか。
最後の一杯だとか。
十分有り得る思考回路だ。
……まぁ、疑われるのはしゃーなしか。
押し付けられてるにしても、真面目に捜査してるにしても。
どっちみち、容疑者ではある。
TPO、これ結構大事な物らしい。
変に目立ったからこんな事になってる訳だし。
浮いてる事はわかっていたのだ。
ケチらず。
ちょっと高めの服ぐらい用意すれば良かった。
正味、勾留されるだけなら構わないのだ。
短期間なら。
それこそちょっと興味はあったし。
衛兵の行為も。
別に理解できなくはない。
要は、怪しい奴を公務執行妨害で一旦しょっぴくみたいな物だろ?
ドラマなんかでしか見ないし。
実際にやってるのかは知らないけど。
ただ、そのハードルがとんでもなく低いせいで。
怪しい行動をしたってだけで。
無期の勾留くらいそうになってる訳だが。
一応、こいつらが真面目に捜査するなら別に。
黙ってればそのうち解放されそうではある。
普通の犯罪だったらアレだけど。
これだけ大規模にやってるのだ。
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俺は仲間でもないし。
いくら捜査したところで証言など出てこない。
案外簡単に解放されるかもしれない。
まぁ、俺の絵でも見せて。
拷問の上、仲間かなんて聞けばその限りではないが。
完全な楽観視でしかない。
と言っても、特に出来ることもないし。
「もう一度言うぞ? 今ここで全てを話すならお前のことは見逃してやってもいい、これは最後のチャンスだ」
どうだか。
それに知らないものは知らないのだ。
話すも何もない。
黙秘が吉。
「隊長実は……」
そのまましばらくの間膠着。
いいかげんどっか行ってくれませんかね。
お前らも暇じゃないんだろ?
さっさと捜査に行けよと。
そんな事を思ってる所に誰かが入ってきた。
隊長、ね。
偉そうにしてはいたが。
一応上役ではあったらしい。
まぁ、自ら取り調べなんてやってるのを見るに。
そこまで地位は高くないのだろう。
貴族とかそういう感じではなさそう。
部下の報告を聞き、ニヤニヤしている。
進展があったのだろうか。
出来れば、さっさと俺のこと解放してくれるとありがたいのだけど。
「おい、証拠が出てきたぞ。良かったな」
「開放してくれるんか?」
「は? 何をふざけたことを」
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