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十二章
騒動 10
死体ってアレか、倉庫にいた不審者。
闘技場を吹き飛ばされるわけにも行かないと不意打ちで殺して。
そのまま放置してきたやつだ。
場所的に言っても違和感はない。
闘技場の地下。
魔力辿って行ったから詳しい道筋は覚えてないが。
階段は降りた気がするし。
おそらく地下だったのだろう。
間違いない。
俺が殺したやつだ。
それが見つかったのか。
そして、俺が暴動の容疑に加担した証拠として提示されてると。
要はそのどさくさで人も殺してるだろって主張。
元々、王都中で暴動が起こって。
不審だったという一点のみで拘束されてたっぽいけど。
明確な何かは無かったはず。
それが、ちょうど俺が起こしてそうな犯罪。
あと、その証拠が見つかったと。
なるほど、ね。
学園じゃ何も起こっていないのだから。
このまま待ってれば。
勝手に捜査が進んで解放されるかもという淡い期待を抱いたりなんかしたが。
それが消し飛んだわけか……
これ、無罪は無理じゃね?
「さっきまでの自信はどうした?」
ニヤニヤとした笑み。
憎たらしい。
この場で殴り飛ばしてやりたいぐらいだ。
と言っても、それは最終手段だ。
ここで下手に手を出して見ろ。
詰所で衛兵に手を出す。
その意味。
とことんまでやらなきゃいけなくなる。
面倒この上ない。
あんまり。
積極的にやりたいとは思えない。
しかし、隊長は完全に俺の事を犯人だと決め込んでる様子。
このまま時間が解決してくれるとも思えない。
何と言うか、この隊長。
事件が進展して良かったってより。
どちらかと言えば、自分が犯人を捕らえられて良かったといった感覚なのだろう。
俺の手柄だと。
完全な憶測ではあるが。
でも、彼の視線がその事を雄弁に語っている。
目は口ほどに物を言うなんて言葉もあるぐらいだし。
強引に連行してきたのからいっても。
この憶測、あながち見当違いということもないはず。
他に取られる前にと。
疑惑の段階で強行したのだ。
おそらく貴族ではない中での、隊長という地位。
庶民にしてはそこそこ出世している方。
野心家と見た。
そして、その地位も相待って。
出世欲とは別に。
犯人の1人でも捕まえないと首が切らかねない現状。
どうしたものか。
面倒なことに、こればっかりは殺したの俺ではあるからな。
冤罪と混ざって厄介な事に……
いや、ここはストレートにいくか。
「実はその死体の方が今回の事件の協力者なんじゃないか?」
「は?」
「闘技場の地下にあったんだろ」
「らしいな」
「しかも、ついさっきまで見つかってなかった」
「あぁ」
「おそらく、目立たない場所か使ってない部屋にでも転がってたんだろうが。普通そんな場所に用事あるんかね」
「さぁね」
「そもそもの話。その遺体、学園の関係者の物か? それとも客か?」
部下と顔を見合わせる。
知らないらしい。
まぁ、今見つけた所だろうしな。
当然ではある。
そもそも。
身元不明とか言ってたし。
そんな物を証拠として使うなって話だが。
これを言って引き下がるなら。
冤罪で拷問される人間が後を経たないなんて事にはならないだろう。
残念な事に。
むしろ、証拠になりそうな物を持ってきた事自体が予想外ではあった。
てっきり、拷問で証言だけ取って。
捜査もそれで終わりにするかと思っていたのに。
流石にそこまで無能ではなかったらしい。
まぁ、めんどくさい証拠持ってこられたせいで。
無駄な苦労をする羽目になっているのだけど。
「俺は招待受けて学園に来てる、それは把握してるな?」
「そうでもなきゃ入れないだろうからな」
「そいつ、学園に侵入したのがバレて殺されただけなんじゃないのか?」
「何の根拠があって」
「身元知らないんだろ、今からでも調べてみろよ」
「……」
行けるか?
「いや、関係がない」
「え?」
「聞いていればペラペラと、随分口が回るものだ」
「何を言って」
「そんなの時間の無駄だ」
「?」
「犯罪者ってのはどいつもこいつも口が上手いらしい」
こりゃ、ダメそうだな。
犯罪者の話を聞く気はないと。
何のための取り締まりだよとは思うが。
結果ありきの。
ポーズだけって事か。
「俺はただ矛盾点を……」
「仮に侵入者だったとして、それを処理した報告が上がってないのはどう説明する」
「それは、」
「混乱があったとはいえ、死体もそのまま放置だぞ?」
「っ」
「警備ならお手柄だし、それ以外の人間でも賞賛に値すると言うのに」
「……」
「とても国側の人間のやることとは思えないな」
正論ではある。
そして、本音でもあるのだろう。
冤罪を押し付けようというより、普通に手柄を立てたいだけ。
そんな風に感じた。
良い人間には見えないが、それはそれ。
悪人が毎回悪事を働く訳ではない。
彼の中では、俺は疑いようもなく犯人らしい。
そして、都合の悪いことに。
暴動の件は別として。
これは俺のやらかしだからな。
その直感はそこまで間違ってる訳でもないと言うのが、何とも。
「それに、だ。お前の言い草だと騒動前に犯人が殺されてるような言い方だが」
「実際学園じゃ暴動は起こっていないはずだ」
「いや、確実に騒ぎは起こってる」
「は?」
「魔力の噴出。あれは、魔法が使われたがうまく発動しなかったって事の証明ではないのか?」
「いや、あれは自然現象で」
「お前のような底辺が、何を分かったような事を言っている」
犯人だと決めつけてかかって。
まったく、俺の話を受け入れてくれそうにない。
仕方ないか。
本当は話すつもりはなかったのだが。
多少譲歩すれば……
どうせ、無罪は無理だと察してはいたのだ。
ま、余計な罪まで被せられるよりはマシか。
「……確かに、そいつを殺したのは俺だ」
「やっと認める気になったか」
「違う、あいつは暴動を起こした奴らの仲間だ」
「証拠は?」
「これ」
「何だそれ」
「学生証。昔、あの学園にに通ってた」
「ほぉ」
「母校を守っただけだ」
「母校、ね」
「そして自然現象だと唱える根拠でもある」
どうだ?
「おい、罪状に書類の偽装も追加しておけ」
どうにもなりそうにないな。
正攻法は諦めた方が良さそう。
仕方ない。
もともと望み薄ではあった。
どうしたものか。
これ、殺人の容疑に加えて学園でのテロ未遂だろ?
やばいな。
普通に一生牢の外に出られなさそうな罪状である。
どんなストーリーになってるんだか。
学園に侵入し。
魔法を発動しようとして失敗。
撤退しようとした所で人に会い。
殺害し、逃走。
捕らえられるも。
被害者に罪を擦りつけようとしているって所か。
そういうことになった様子。
「どうしても認めないと?」
「あぁ」
「おい、このバカを特別室に回せ」
「はい!!」
?
どこかに連れて行かれるらしい。
「素直に吐けば良いものを。せいぜい地獄で後悔するんだな」
闘技場を吹き飛ばされるわけにも行かないと不意打ちで殺して。
そのまま放置してきたやつだ。
場所的に言っても違和感はない。
闘技場の地下。
魔力辿って行ったから詳しい道筋は覚えてないが。
階段は降りた気がするし。
おそらく地下だったのだろう。
間違いない。
俺が殺したやつだ。
それが見つかったのか。
そして、俺が暴動の容疑に加担した証拠として提示されてると。
要はそのどさくさで人も殺してるだろって主張。
元々、王都中で暴動が起こって。
不審だったという一点のみで拘束されてたっぽいけど。
明確な何かは無かったはず。
それが、ちょうど俺が起こしてそうな犯罪。
あと、その証拠が見つかったと。
なるほど、ね。
学園じゃ何も起こっていないのだから。
このまま待ってれば。
勝手に捜査が進んで解放されるかもという淡い期待を抱いたりなんかしたが。
それが消し飛んだわけか……
これ、無罪は無理じゃね?
「さっきまでの自信はどうした?」
ニヤニヤとした笑み。
憎たらしい。
この場で殴り飛ばしてやりたいぐらいだ。
と言っても、それは最終手段だ。
ここで下手に手を出して見ろ。
詰所で衛兵に手を出す。
その意味。
とことんまでやらなきゃいけなくなる。
面倒この上ない。
あんまり。
積極的にやりたいとは思えない。
しかし、隊長は完全に俺の事を犯人だと決め込んでる様子。
このまま時間が解決してくれるとも思えない。
何と言うか、この隊長。
事件が進展して良かったってより。
どちらかと言えば、自分が犯人を捕らえられて良かったといった感覚なのだろう。
俺の手柄だと。
完全な憶測ではあるが。
でも、彼の視線がその事を雄弁に語っている。
目は口ほどに物を言うなんて言葉もあるぐらいだし。
強引に連行してきたのからいっても。
この憶測、あながち見当違いということもないはず。
他に取られる前にと。
疑惑の段階で強行したのだ。
おそらく貴族ではない中での、隊長という地位。
庶民にしてはそこそこ出世している方。
野心家と見た。
そして、その地位も相待って。
出世欲とは別に。
犯人の1人でも捕まえないと首が切らかねない現状。
どうしたものか。
面倒なことに、こればっかりは殺したの俺ではあるからな。
冤罪と混ざって厄介な事に……
いや、ここはストレートにいくか。
「実はその死体の方が今回の事件の協力者なんじゃないか?」
「は?」
「闘技場の地下にあったんだろ」
「らしいな」
「しかも、ついさっきまで見つかってなかった」
「あぁ」
「おそらく、目立たない場所か使ってない部屋にでも転がってたんだろうが。普通そんな場所に用事あるんかね」
「さぁね」
「そもそもの話。その遺体、学園の関係者の物か? それとも客か?」
部下と顔を見合わせる。
知らないらしい。
まぁ、今見つけた所だろうしな。
当然ではある。
そもそも。
身元不明とか言ってたし。
そんな物を証拠として使うなって話だが。
これを言って引き下がるなら。
冤罪で拷問される人間が後を経たないなんて事にはならないだろう。
残念な事に。
むしろ、証拠になりそうな物を持ってきた事自体が予想外ではあった。
てっきり、拷問で証言だけ取って。
捜査もそれで終わりにするかと思っていたのに。
流石にそこまで無能ではなかったらしい。
まぁ、めんどくさい証拠持ってこられたせいで。
無駄な苦労をする羽目になっているのだけど。
「俺は招待受けて学園に来てる、それは把握してるな?」
「そうでもなきゃ入れないだろうからな」
「そいつ、学園に侵入したのがバレて殺されただけなんじゃないのか?」
「何の根拠があって」
「身元知らないんだろ、今からでも調べてみろよ」
「……」
行けるか?
「いや、関係がない」
「え?」
「聞いていればペラペラと、随分口が回るものだ」
「何を言って」
「そんなの時間の無駄だ」
「?」
「犯罪者ってのはどいつもこいつも口が上手いらしい」
こりゃ、ダメそうだな。
犯罪者の話を聞く気はないと。
何のための取り締まりだよとは思うが。
結果ありきの。
ポーズだけって事か。
「俺はただ矛盾点を……」
「仮に侵入者だったとして、それを処理した報告が上がってないのはどう説明する」
「それは、」
「混乱があったとはいえ、死体もそのまま放置だぞ?」
「っ」
「警備ならお手柄だし、それ以外の人間でも賞賛に値すると言うのに」
「……」
「とても国側の人間のやることとは思えないな」
正論ではある。
そして、本音でもあるのだろう。
冤罪を押し付けようというより、普通に手柄を立てたいだけ。
そんな風に感じた。
良い人間には見えないが、それはそれ。
悪人が毎回悪事を働く訳ではない。
彼の中では、俺は疑いようもなく犯人らしい。
そして、都合の悪いことに。
暴動の件は別として。
これは俺のやらかしだからな。
その直感はそこまで間違ってる訳でもないと言うのが、何とも。
「それに、だ。お前の言い草だと騒動前に犯人が殺されてるような言い方だが」
「実際学園じゃ暴動は起こっていないはずだ」
「いや、確実に騒ぎは起こってる」
「は?」
「魔力の噴出。あれは、魔法が使われたがうまく発動しなかったって事の証明ではないのか?」
「いや、あれは自然現象で」
「お前のような底辺が、何を分かったような事を言っている」
犯人だと決めつけてかかって。
まったく、俺の話を受け入れてくれそうにない。
仕方ないか。
本当は話すつもりはなかったのだが。
多少譲歩すれば……
どうせ、無罪は無理だと察してはいたのだ。
ま、余計な罪まで被せられるよりはマシか。
「……確かに、そいつを殺したのは俺だ」
「やっと認める気になったか」
「違う、あいつは暴動を起こした奴らの仲間だ」
「証拠は?」
「これ」
「何だそれ」
「学生証。昔、あの学園にに通ってた」
「ほぉ」
「母校を守っただけだ」
「母校、ね」
「そして自然現象だと唱える根拠でもある」
どうだ?
「おい、罪状に書類の偽装も追加しておけ」
どうにもなりそうにないな。
正攻法は諦めた方が良さそう。
仕方ない。
もともと望み薄ではあった。
どうしたものか。
これ、殺人の容疑に加えて学園でのテロ未遂だろ?
やばいな。
普通に一生牢の外に出られなさそうな罪状である。
どんなストーリーになってるんだか。
学園に侵入し。
魔法を発動しようとして失敗。
撤退しようとした所で人に会い。
殺害し、逃走。
捕らえられるも。
被害者に罪を擦りつけようとしているって所か。
そういうことになった様子。
「どうしても認めないと?」
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