ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上

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十三章

清算 2

 自称、俺の元同級生。
 本部の奴らとこんな所に来て、一体なんの用だろうか?

 いや、心当たりはあるのだけど。
 どう考えても俺だ。
 目の前で衛兵達に連れてかれた訳だし。
 様子を見にきた説が有力。

 何たって、お茶しに行くぐらい暇してたのだ。
 時間的にそんな経ってないし。
 あの後予定があったってのも考え難い。
 隊長の様子から見ても。
 ここの詰所に来たのは急遽って感じ。
 そもそも、さっきまで一緒にホテル行こうとしてたんだぜ?
 むしろこれ以外心当たりが皆無である。

 しかし、よくこんなこと出来たな。
 いや、俺がどこに連れてかれたかぐらいは早々に検討つくかもしれないが。
 本部の兵士連れてきたって事は、それなりに話を付けて来たはずで。

 助けてくれないかな、なんて淡い期待はあったけど……
 わざわざ正式な手順踏んで来るとは。
 完全に予想外。
 流石は貴族様ってところか。

 世襲ではありつつも、いやだからこそ幼少期から英才教育施される訳だからね。
 無論、例外も多くいるのだろうが。
 これがエリートってやつか。

 まぁ、ここまで早く本部を動かそうと思ったら。
 本人の能力以前に、結局権力が物を言う部分もありそうだけど。
 どのレベルの人かは知らないが。
 学園で委員長なんてやってたぐらいだもんな。
 ただの貴族ではなくそれなり以上の家柄もありそうな予感。

 ……淫乱女教師の癖に。

 彼女は数人の兵士を引き連れ部屋に入って行った。
 俺はそのまま見張の兵士に連れられ、普段使ってるであろう控室へ。
 今すぐ帰りたいところだが。
 この格好で帰る場所なんて分からないし。
 話も中途半端だったし。
 何より、この後呼び出されるのは分かりきってるからね。
 このまま待機以外の選択肢はない。

 ただ、本部から使いが来るという予定外の出来事。
 その対応に困ったのか。
 結構な数の兵士が、この狭い部屋に押し込められる事になったらしく。
 おしくらまんじゅうってほどではないが座る椅子はないぐらい。

 それに、ほとんどの兵士が俺の現状を把握していないのだろう。
 周囲からの視線が痛い。
 なぜお前がここにいるんだ的な。
 気まずいったらありゃしない。
 おのれ……
 それもこれも、元拷問官が孤立していたせいである。

 それからしばらく。
 例の一団から一旦解放されたのだろう。
 隊長に呼ばれさきの部屋に戻る。
 元気なさげ。
 どうやら、引き渡し要求を受けたらしい。
 対象は……
 当然、俺の身柄。

 話を聞くにまだ捕らえたと言う報告もあげてなかった様子。
 が、情報が何処からともなく伝わっていたと。
 隊長がめちゃくちゃ焦っている。
 まぁ、十中八九女教師経由で入ったのだろう。
 目の前で捕まった訳だからな。
 って、お前もその場にいなかったか?
 会話してたやんけ。
 どうも焦りすぎてそこらへんの記憶が吹っ飛んでるっぽい。

 さて、どうしたものか。
 完全なイレギュラーではあるが、逆に辞めるきっかけにはなりそうな気も。

 とりあえず俺の事は誤魔化して追い返したらしいけど。
 あまり持たないだろうな。
 これで、はい分かりましたと素直に引き下がるなら本部の連中がわざわざ出向いてくる理由もない。
 そこは理解しているのだろう。
 隊長は見るからに項垂れていて、かなり悲観してそうな雰囲気。

 俺を庇った、……訳ではないのだろうな。
 それもあってもおかしくはないが。
 拷問中に死亡したとなったら当然隊長の方も管理責任問われるだろうし。
 責任の所在を誤魔化す方法を探しているのだ。

 ふと、目があった。
 言いたいことはなんとなく分かる。
 でも、さっきああ言った手間。
 言い出しにくいのだろう。
 プライド。
 まぁ、人間そんなものだ。
 損だと分かっていても。
 言葉に出来ない。
 俺としてはそこまで嫌いではない。

「やっぱり、俺が責任とりますよ」

 俺の言葉に、隊長は俯いたまま。
 でも、多少は安心した様子だ。

 まぁ、仮に俺が責任を取ると言ったところで。
 普通に隊長も同罪。
 連帯責任であの世行き、って説もあるが。
 まぁ、そこは自業自得って事で。
 知らん。
 俺を捕まえたお前が悪い。
 後、拷問が違法なのに拷問官なんて雇ってるのもギルティー。

 一応、好都合ではあるか。
 これで辞めて。
 そのまま、二度と顔を出さなくなってもおかしくはない。
 別の意味で捕まる気もするが。
 こっちは逃げていいのだ。
 一生追われる羽目になるけど、追われるのは俺じゃない。
 拷問官が追われる分にはね。
 別になんの問題もない。
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