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十五章
平常 7
……次のお酒は、あぁこいつか。
適当に買って来たから。
自分で持って来た酒のくせに、さっきから利き酒みたいな事をしている訳だが。
これは分かる。
多分、ワインだろう。
この世界、前世で見たような見た目の物も案外多く。
それ自体は環境に適応した結果のいわゆる収斂進化なのだろう。
ただし、味も一致するかといえばそうでもない。
前世の記憶を持ってるが故に。
チグハグに感じる。
そんな、見た目と中身が一致しないなんて現象も多いのだけど。
こいつは別。
異世界にブドウに似た果物があって。
それを発酵させ、ワインに似たお酒を作っているのだ。
前世と同じ意味でのワインであると言い切れる。
口をつけた瞬間から、ワイン特有の香りが口内に広がる。
ただ、前世で飲んだものと比べてしまうと少し濃厚さに欠ける気がする。
それに味としても酸味が強めかな。
これ、多分古いんだろうな。
値段も安かったし。
前世の感覚だとそのほうが高くなりそうな物だが。
この世界、保存技術も未熟だし。
醸造時の環境も前世と比べてしまえば劣悪と言わざるをえないだろう。
熟成以前に、そもそも長期間味を保つのが大変なのだ。
それでも、何年物とかいって高価で取引されるものはあるらしいけど。
かなりの少数。
貴族ぐらいしか飲まないし、それですら結構当たり外れが激しいとか何とか。
まぁ、これは聞いた話。
俺は飲んだ事ないから詳しいことは知らないんだが。
酸味が強いだなんだと、文句は言いつつ。
つまみも、癖強めの干し肉にかなり漬かった漬物だからね。
これと合わせる分には。
酒にある程度のパンチはあった方がいいしな。
うん、十分に美味いワインである。
こっちは、エールだな。
地ビールである。
ってか、量産体制も輸送網も未熟だから。
大体どこで飲んでも地ビールなんだけど。
この街の物より。
随分とあっさりとした味わい。
これはこれでいいな。
そんな調子で、散々酒を飲んだ。
昼間っから3人で。
結構な量の酒を空け気がする。
普段からギルドの片隅で飲んだくれてる俺ではあるが。
ここまで飲んだのは久々かもしれない。
やっぱ良いよな。
酒って。
知り合いと飲んでこそである。
途中、受付嬢がハゲに怒られたりと。
多少のトラブルはありつつも。
楽しい時間だった。
あ、ハゲってのはこのギルドのギルド長である。
例のノアに再開した時、そこの隣にいたあいつ。
多分、見回りにでも来たのだろう。
ギルドにいくら活気がないとは言っても、冒険者はぱらぱらとまばらに数人ずつ来てはいたし。
それに、職員が受付嬢1人ってこともなく。
彼らからの視線も感じては居た。
ただ、受付嬢に何か言う様子も無くどうも見て見ぬ振りされてるっぽかったから。
それなりに権力があって。
誰にも文句言われないから好き勝手してるのかなと。
そう解釈して。
だから、勤務中に酒飲み始めるなんて大胆なサボり方しても大丈夫なのかと思ってたのだけど。
ギルド長いるのに酒飲んでたとか、びっくりなんだけど。
怖くないんか?
肝が座ってると言うか、なんと言うか。
俺はてっきり。
冬は見ての通り冒険者も少ないし、比例して職員の数も少ないから。
ギルド長は居ないものかと。
それが、どうやら思いっきり出勤してたらしい。
頭引っ叩かれて、大説教である。
当然だ。
こんな堂々としたサボり行為なんて。
怒られない訳がない。
ちなみに俺とおばちゃんはお咎めなしである。
こちらも当然。
俺がここで飲むの怒ったら誰のための酒場なんだって話だし。
酒場の店主が客と飲むのもコミュニケーションの一部。
自分から進んでってのは頂けないけど。
客に勧められて、その客の奢りで飲む分には何の問題もない。
潰れたらアレだが。
飲んでるだけならなんの文句もないのだろう。
庇って欲しそうな視線を向けられつつも。
仕事中に飲んでるバカが悪い。
俺に期待出来ないと思ったのか、次はおばちゃんにターゲットが移すが。
ギルド長の手前。
受付嬢のサボりを流してたのが気まずいのかさっと目を逸らされる。
絶望する受付嬢。
説教をBGMに酒をクイっと流し込む。
ただまぁ、あんまり怒られるのも可哀想か。
俺が誘って……
はないか。
勝手にこっち来た訳だし。
アレだ。
説教をずっと聞いてるのもそれはそれで飽きるからね。
しゃーない、助け舟を出してやろう。
ギルド長も酒好きなのだろう。
受付嬢に説教しつつも、チラチラと酒瓶に視線を向けているし。
どうも言葉の端々に。
サボってたことより昼間っから飲んだくれてる事への嫉妬を感じる。
受付嬢が受付嬢ならギルド長もギルド長である。
ま、ギルド内に酒場作ってるぐらいだ。
商業的な意味もありつつ。
多分、個人的な趣味でもあるご様子。
グラスをすっと差し出すと、思わずといった感じで受け取り。
そのまま、滅多に見ない酒に釣られたのか。
ついさっきまで説教していたとは思えないほどスムーズに宴会の仲間入り。
逆に受付嬢がキレていた。
すごいな、直属の上司相手ににそこまで言えるなんて。
怖い物無しである。
いや、ギルド長の行動もどうかと思うけどね。
さっきまで怒ってたのに。
ただ、受付嬢がサボってたのは事実ではあるし説教も真っ当ではあるのだ。
はてさて、明日酔いが覚めた頃にどうなってるか見ものだな。
ま、もし仮にギルドの受付嬢クビになったら。
ここの酒場で雇ってもらえ。
多分、おばちゃんならこの流れでクビ切られたら雇ってくれそうな気がする。
隣どころか同じ建物。
俺なら絶対に無理な状況だが。
こんな心臓強い受付嬢ならきっと大丈夫でしょ。
適当に買って来たから。
自分で持って来た酒のくせに、さっきから利き酒みたいな事をしている訳だが。
これは分かる。
多分、ワインだろう。
この世界、前世で見たような見た目の物も案外多く。
それ自体は環境に適応した結果のいわゆる収斂進化なのだろう。
ただし、味も一致するかといえばそうでもない。
前世の記憶を持ってるが故に。
チグハグに感じる。
そんな、見た目と中身が一致しないなんて現象も多いのだけど。
こいつは別。
異世界にブドウに似た果物があって。
それを発酵させ、ワインに似たお酒を作っているのだ。
前世と同じ意味でのワインであると言い切れる。
口をつけた瞬間から、ワイン特有の香りが口内に広がる。
ただ、前世で飲んだものと比べてしまうと少し濃厚さに欠ける気がする。
それに味としても酸味が強めかな。
これ、多分古いんだろうな。
値段も安かったし。
前世の感覚だとそのほうが高くなりそうな物だが。
この世界、保存技術も未熟だし。
醸造時の環境も前世と比べてしまえば劣悪と言わざるをえないだろう。
熟成以前に、そもそも長期間味を保つのが大変なのだ。
それでも、何年物とかいって高価で取引されるものはあるらしいけど。
かなりの少数。
貴族ぐらいしか飲まないし、それですら結構当たり外れが激しいとか何とか。
まぁ、これは聞いた話。
俺は飲んだ事ないから詳しいことは知らないんだが。
酸味が強いだなんだと、文句は言いつつ。
つまみも、癖強めの干し肉にかなり漬かった漬物だからね。
これと合わせる分には。
酒にある程度のパンチはあった方がいいしな。
うん、十分に美味いワインである。
こっちは、エールだな。
地ビールである。
ってか、量産体制も輸送網も未熟だから。
大体どこで飲んでも地ビールなんだけど。
この街の物より。
随分とあっさりとした味わい。
これはこれでいいな。
そんな調子で、散々酒を飲んだ。
昼間っから3人で。
結構な量の酒を空け気がする。
普段からギルドの片隅で飲んだくれてる俺ではあるが。
ここまで飲んだのは久々かもしれない。
やっぱ良いよな。
酒って。
知り合いと飲んでこそである。
途中、受付嬢がハゲに怒られたりと。
多少のトラブルはありつつも。
楽しい時間だった。
あ、ハゲってのはこのギルドのギルド長である。
例のノアに再開した時、そこの隣にいたあいつ。
多分、見回りにでも来たのだろう。
ギルドにいくら活気がないとは言っても、冒険者はぱらぱらとまばらに数人ずつ来てはいたし。
それに、職員が受付嬢1人ってこともなく。
彼らからの視線も感じては居た。
ただ、受付嬢に何か言う様子も無くどうも見て見ぬ振りされてるっぽかったから。
それなりに権力があって。
誰にも文句言われないから好き勝手してるのかなと。
そう解釈して。
だから、勤務中に酒飲み始めるなんて大胆なサボり方しても大丈夫なのかと思ってたのだけど。
ギルド長いるのに酒飲んでたとか、びっくりなんだけど。
怖くないんか?
肝が座ってると言うか、なんと言うか。
俺はてっきり。
冬は見ての通り冒険者も少ないし、比例して職員の数も少ないから。
ギルド長は居ないものかと。
それが、どうやら思いっきり出勤してたらしい。
頭引っ叩かれて、大説教である。
当然だ。
こんな堂々としたサボり行為なんて。
怒られない訳がない。
ちなみに俺とおばちゃんはお咎めなしである。
こちらも当然。
俺がここで飲むの怒ったら誰のための酒場なんだって話だし。
酒場の店主が客と飲むのもコミュニケーションの一部。
自分から進んでってのは頂けないけど。
客に勧められて、その客の奢りで飲む分には何の問題もない。
潰れたらアレだが。
飲んでるだけならなんの文句もないのだろう。
庇って欲しそうな視線を向けられつつも。
仕事中に飲んでるバカが悪い。
俺に期待出来ないと思ったのか、次はおばちゃんにターゲットが移すが。
ギルド長の手前。
受付嬢のサボりを流してたのが気まずいのかさっと目を逸らされる。
絶望する受付嬢。
説教をBGMに酒をクイっと流し込む。
ただまぁ、あんまり怒られるのも可哀想か。
俺が誘って……
はないか。
勝手にこっち来た訳だし。
アレだ。
説教をずっと聞いてるのもそれはそれで飽きるからね。
しゃーない、助け舟を出してやろう。
ギルド長も酒好きなのだろう。
受付嬢に説教しつつも、チラチラと酒瓶に視線を向けているし。
どうも言葉の端々に。
サボってたことより昼間っから飲んだくれてる事への嫉妬を感じる。
受付嬢が受付嬢ならギルド長もギルド長である。
ま、ギルド内に酒場作ってるぐらいだ。
商業的な意味もありつつ。
多分、個人的な趣味でもあるご様子。
グラスをすっと差し出すと、思わずといった感じで受け取り。
そのまま、滅多に見ない酒に釣られたのか。
ついさっきまで説教していたとは思えないほどスムーズに宴会の仲間入り。
逆に受付嬢がキレていた。
すごいな、直属の上司相手ににそこまで言えるなんて。
怖い物無しである。
いや、ギルド長の行動もどうかと思うけどね。
さっきまで怒ってたのに。
ただ、受付嬢がサボってたのは事実ではあるし説教も真っ当ではあるのだ。
はてさて、明日酔いが覚めた頃にどうなってるか見ものだな。
ま、もし仮にギルドの受付嬢クビになったら。
ここの酒場で雇ってもらえ。
多分、おばちゃんならこの流れでクビ切られたら雇ってくれそうな気がする。
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俺なら絶対に無理な状況だが。
こんな心臓強い受付嬢ならきっと大丈夫でしょ。
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