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蛇足③
親子 4
って言うか、色々思い出してきたけど。
どちらにしろこの娘ってもう新人ちゃんではないんよな。
少しあやふやな部分もあるが。
確か、獣っ娘が新しく入る事になったから。
これからは先輩さんだな。
なんて。
そんなくだらない事を考えてた気がする。
獣っ娘連れて、一緒に俺の部屋掃除しに来たりしてて。
立派に先輩やっていた記憶。
歳も近そうだし、多分一番お世話になる事になるんだろうなとか。
勝手にそんな感想を抱いていたっけ。
これで忘れかけてたとか。
……うん。
我ながら酷い。
まぁ、今更どうしようもないのだけれど。
前世からの話で。
どうも、俺は人の名前を覚えるのが苦手だったのだ。
改善しようと思ったからって。
そう簡単に改善できる物でもない。
それに……
俺自体、別にいっかなと思いつつあったり?
ほら、この世界に来てからまともに組織に所属したりもしてないからね。
冒険者はほぼ個人事業主だし。
学園だってすぐ辞めちゃったし。
あまり困ってもないのだ。
そりゃ、こんな状態じゃ良くなりようもないわな。
そうこう考え事をしてる間に。
数分も立たず、スタッフの娘が戻って来た。
「ロルフ様、申し訳ございません」
「?」
「普段、ご利用頂いてる部屋が埋まってしまっていまして」
「あ、全然他の部屋でいいよ」
「すみません、ありがとうございます」
一瞬、ドキッとした。
急に謝られたから。
何か予期せぬトラブルでもあったのかと。
出禁って文字が頭の隅を過る。
いやさ、心当たりが無いとは言えないからね。
うん。
違かったっぽいから良いのだが。
別段その部屋にこだわりがある訳でもない。
そもそも、予約もしていないのだ。
一応、常連客のつもりではあるが。
普段来てる時期でもないのに、ふらっと訪れて。
それでいつもの部屋が空いてないから文句とか。
害悪クレーマーでしかない。
これで満室とかだったらちょっと困ったかもだけど。
でも、まぁ。
だとしても文句を言うのは違うだろう。
それなりに客が入っているって事だ。
良い事じゃないか。
個人的にも、この宿に潰れてもらっちゃ困るからね。
スタッフの話を聞いて少し安心していたり。
冬場空いてるのは良いとしても、この時期ガラガラは本格的に心配になっちゃうし。
「どこか希望されるお部屋などありますでしょうか?」
「おまかせで」
「では、ご案内させていただきます」
彼女の案内に従い宿を歩く。
必然的に、その後ろ姿を眺める事になる訳で。
いや、本当しっかりしてるよな。
この間が初対面で……
それ以前から働いてたどうこうってのは俺の勘違い。
つまり去年は新人だった訳だから。
雇われたのは冬以降。
2年目に入るかどうかって所か。
たった一年で、もうちゃんと戦力って感じだな。
成長のお早いこと。
……まぁ、前世の基準で考えても。
中小やらバイトとかならそんなもんかって気もするけど。
こっちきてずっとのんびりしてるからかね?
余計そう見えるのだと思う。
「こちらのお部屋でよろしいでしょうか?」
「ありがとね」
「いえ、ごゆっくり」
2階の、中央やや左よりの部屋だろうか。
そこに通された。
多分、初めて泊まる部屋だ。
普段は2階の角部屋。
他の部屋に泊まることもない訳ではないが、そう多くはないし。
と言っても何が変わるってこともなく。
軽く室内を見回す。
まず、内装は普段泊まってた部屋とほぼ同じ。
広さもそう。
唯一の相違点といえば、景色か。
ただ、それも。
角度がちょっと変わったかなってぐらいだ。
うん、問題なさそうだな。
昨日は一日中馬車に揺られて。
テントでの寝泊まり。
今日も、朝早くから馬車に乗って来たのだ。
肉体的には問題ないが。
精神的に結構疲れが溜まっているっぽい。
やっと、ゆっくり出来る。
そんな事を思いつつ。
一休みしようと、腰を下ろした所。
「あ、あの……」
後ろから声をかけられた。
なんだ?
振り返るとさっきのスタッフの娘。
客の案内も終わったし。
中断させてしまった清掃業務にでも戻ったのかと思っていたのだけど。
まだ何か残っていたのだろうか?
「これは、個人的なお願いにはなるのですが」
「……はぁ」
「少しだけお時間頂いてもよろしいでしょうか?」
「まぁ、はい」
「本当ですか? 良かった……」
いや、別にそれは良いんだけど。
しかし、会うの自体今回で2回目。
ほぼ関わりもない。
ただの客相手に個人的なお願いってなんだ?
「しばらくこの部屋でお待ちください!」
頭に色々と疑問符は浮かんだものの。
それを口に出す前に、駆け足気味に何処かへ行ってしまった。
……えぇ。
にしても、何がそんなに嬉しいのか。
さっきまでの営業スマイル。
それが崩れて、自然な笑顔を浮かべていた様に見えた。
声のトーンも上がっていた気がする。
何故?
そんなテンションが上がるような事でもない、よな。
何を考えてるんだか全く分からん。
どちらにしろこの娘ってもう新人ちゃんではないんよな。
少しあやふやな部分もあるが。
確か、獣っ娘が新しく入る事になったから。
これからは先輩さんだな。
なんて。
そんなくだらない事を考えてた気がする。
獣っ娘連れて、一緒に俺の部屋掃除しに来たりしてて。
立派に先輩やっていた記憶。
歳も近そうだし、多分一番お世話になる事になるんだろうなとか。
勝手にそんな感想を抱いていたっけ。
これで忘れかけてたとか。
……うん。
我ながら酷い。
まぁ、今更どうしようもないのだけれど。
前世からの話で。
どうも、俺は人の名前を覚えるのが苦手だったのだ。
改善しようと思ったからって。
そう簡単に改善できる物でもない。
それに……
俺自体、別にいっかなと思いつつあったり?
ほら、この世界に来てからまともに組織に所属したりもしてないからね。
冒険者はほぼ個人事業主だし。
学園だってすぐ辞めちゃったし。
あまり困ってもないのだ。
そりゃ、こんな状態じゃ良くなりようもないわな。
そうこう考え事をしてる間に。
数分も立たず、スタッフの娘が戻って来た。
「ロルフ様、申し訳ございません」
「?」
「普段、ご利用頂いてる部屋が埋まってしまっていまして」
「あ、全然他の部屋でいいよ」
「すみません、ありがとうございます」
一瞬、ドキッとした。
急に謝られたから。
何か予期せぬトラブルでもあったのかと。
出禁って文字が頭の隅を過る。
いやさ、心当たりが無いとは言えないからね。
うん。
違かったっぽいから良いのだが。
別段その部屋にこだわりがある訳でもない。
そもそも、予約もしていないのだ。
一応、常連客のつもりではあるが。
普段来てる時期でもないのに、ふらっと訪れて。
それでいつもの部屋が空いてないから文句とか。
害悪クレーマーでしかない。
これで満室とかだったらちょっと困ったかもだけど。
でも、まぁ。
だとしても文句を言うのは違うだろう。
それなりに客が入っているって事だ。
良い事じゃないか。
個人的にも、この宿に潰れてもらっちゃ困るからね。
スタッフの話を聞いて少し安心していたり。
冬場空いてるのは良いとしても、この時期ガラガラは本格的に心配になっちゃうし。
「どこか希望されるお部屋などありますでしょうか?」
「おまかせで」
「では、ご案内させていただきます」
彼女の案内に従い宿を歩く。
必然的に、その後ろ姿を眺める事になる訳で。
いや、本当しっかりしてるよな。
この間が初対面で……
それ以前から働いてたどうこうってのは俺の勘違い。
つまり去年は新人だった訳だから。
雇われたのは冬以降。
2年目に入るかどうかって所か。
たった一年で、もうちゃんと戦力って感じだな。
成長のお早いこと。
……まぁ、前世の基準で考えても。
中小やらバイトとかならそんなもんかって気もするけど。
こっちきてずっとのんびりしてるからかね?
余計そう見えるのだと思う。
「こちらのお部屋でよろしいでしょうか?」
「ありがとね」
「いえ、ごゆっくり」
2階の、中央やや左よりの部屋だろうか。
そこに通された。
多分、初めて泊まる部屋だ。
普段は2階の角部屋。
他の部屋に泊まることもない訳ではないが、そう多くはないし。
と言っても何が変わるってこともなく。
軽く室内を見回す。
まず、内装は普段泊まってた部屋とほぼ同じ。
広さもそう。
唯一の相違点といえば、景色か。
ただ、それも。
角度がちょっと変わったかなってぐらいだ。
うん、問題なさそうだな。
昨日は一日中馬車に揺られて。
テントでの寝泊まり。
今日も、朝早くから馬車に乗って来たのだ。
肉体的には問題ないが。
精神的に結構疲れが溜まっているっぽい。
やっと、ゆっくり出来る。
そんな事を思いつつ。
一休みしようと、腰を下ろした所。
「あ、あの……」
後ろから声をかけられた。
なんだ?
振り返るとさっきのスタッフの娘。
客の案内も終わったし。
中断させてしまった清掃業務にでも戻ったのかと思っていたのだけど。
まだ何か残っていたのだろうか?
「これは、個人的なお願いにはなるのですが」
「……はぁ」
「少しだけお時間頂いてもよろしいでしょうか?」
「まぁ、はい」
「本当ですか? 良かった……」
いや、別にそれは良いんだけど。
しかし、会うの自体今回で2回目。
ほぼ関わりもない。
ただの客相手に個人的なお願いってなんだ?
「しばらくこの部屋でお待ちください!」
頭に色々と疑問符は浮かんだものの。
それを口に出す前に、駆け足気味に何処かへ行ってしまった。
……えぇ。
にしても、何がそんなに嬉しいのか。
さっきまでの営業スマイル。
それが崩れて、自然な笑顔を浮かべていた様に見えた。
声のトーンも上がっていた気がする。
何故?
そんなテンションが上がるような事でもない、よな。
何を考えてるんだか全く分からん。
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