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蛇足③
親子 13
……このまま、時間の許す限り獣っ娘と戯れていたいところ。
そんな抗いがたい欲求に襲われつつも。
流石にと思いとどまる。
せっかくの休憩時間。
それを、こうやって消費させてしまうのは酷な気がした。
女将さんが気を利かせて、早めに休憩入れてくれた訳だし。
確か、思いっきりかまってあげて欲しいだっけ?
俺としてもそのつもりである。
そう考えると、これはちょっと違うんじゃないかなって。
俺に突撃してきたまま、抱きついてる獣っ娘。
少しばかり表情を伺う。
さっきまで抗議の目を向けられていたのだけど……
いつの間にかその先が変わった様で、突然なでまわされるという蛮行の責任を今度は俺の手に求めているご様子。
俺の右手に睨みを利かせている。
「いて」
……噛まれた。
声を出すと、その反応に満足したのか。
ニヤニヤとした笑みを浮かべる。
この悪戯っ娘め。
獣っ娘の突撃を甘噛みみたいな物とか言っていたが。
まさか、本当に噛まれるとは。
色んな意味で驚きである。
こいつ、猫の獣人どころかまんま猫みたいだけどちゃんと働けているのだろうか?
変な心配を覚えつつ、なんだかんだ楽しそうだし。
このままでも良い気もしてきた。
「よし! 休憩中、どこか行きたい場所とかあるか?」
けれど、一応そう聞いてみる事にした。
いや、ね。
獣っ娘の休憩時間が終わるまでなでまわしていたい。
そんな抗いがたい欲求に揺れてはいたのだが。
その思いを押し込めての提案。
まぁ、本来抵抗する理由もないと言われればそう。
別にこのまま部屋で遊んでても実際の所は何の問題もない訳で。
ただ、さ。
俺の個人的な感覚の話。
職場で遊ぶのは違うんじゃないかなって……
いくら休憩時間とは言っても、会社にいると気が休まらない。
突然仕事を振られかねないし。
何なら、当たり前のように電話とれって言われそうだし。
冷静に考えれば、全部違法なんだけどね。
ブラック企業に法律は関係ない。
守る気があるなら。
そもそも、あそこまで黒くは染まらないはずで。
そんな環境だったから、昼食は毎回外でとる事にしていた。
なるべく会社を離れたくて。
それに、この理由抜きにしても残業三昧でただでさえ会社にいる時間長かったからね。
多分、俺だけじゃないはず。
こういう人、結構多かったんじゃないかな?
何となくだけど。
……
ま、獣っ娘の場合は楽しく働いてそうだし。
俺の前世での常識を当てはめるのは違う気もするが。
一種の自己満ってやつかね。
「お出かけですか?」
「そう。何かやりたい事とかある?」
「やりたい事……」
とは言え、自己満足で何が悪いって話ではある。
別に相手に不都合がある訳でもないのだし。
自己満足万歳!
その方が、お互い幸せになれるって物よ。
何なら、せっかくの春な訳だし。
冬閉まってる様な店に連れて行くのも良いかもしれない。
思いっきり俺の都合ありきではあるけど。
それがどうした。
獣っ娘だって、宿のスタッフになったの去年の冬だからね。
つまり温泉街の春は初めてなのだ。
給料はもらってる様だから。
ここ数ヶ月でこの街のお店にもそこそこ行き慣れたかもしれないが。
その手の店は、俺と同じく行った事ないだろう?
「……狩」
「え、狩がしたいの?」
俺の問いに、獣っ娘が小さくそう呟いた。
そうか、狩か。
1人脳内で勝手に盛り上がっていた所に。
ちょっと予想外の言葉である。
「してみたい、です!」
聞き返した俺の言葉に、今度ははっきりとした返事が返って来た。
そ、そうか。
どうやら何となく言ったって訳ではなさそう。
てっきり、何々を食べたいとか。
何々を買って欲しいとか。
そういう方向性のものだと思っていたのだが……
にしても、してみたいねぇ。
こう言うって事は。
獣っ娘は狩をした事はないってことなのだろう。
獣人といえば皆して狩が得意なイメージがあったけど。
……これ、偏見だったのか。
特に獣っ娘なんて猫系だし。
草食ならともかく、さっきの噛まれた時の感覚から言っても思いっきり肉食獣より。
まさか、経験が無いとは思わなかった。
獣人の文化について詳しくは知らないが。
畜産でも始めて、そもそもあまり狩をしなくなっているのか。
それとも、女だからとか。
まだ小さかったからとかの理由なのか。
何となく後者な気がする。
根拠?
その方が、なんかロマンあるし。
で、本能由来か。
もしくは、親や周りの大人の狩でも見たとか聞き齧ったとかでいつかやりたいとは思っていたと。
なるほどね。
そういや、獣っ娘の事を買った時の事。
初め勘違いされてた気がする。
狩猟のお供にでも使うのかって。
人に比べ嗅覚が鋭いやらのメリットも大きいし。
普通はそう使うよねって類いの話かと思っていたのだけれど。
それもあるのかもしれないが。
プラス、自分の希望もあっての事だったのかも。
ちゃっかりした娘である。
いや、本当のところは知らないけどね。
しかし、狩か。
まぁ良いんじゃないか?
初心者なら、この時期はちょうどいいでしょ。
「そんじゃ、一狩り行くか」
「ほんと!? ご主人様大好き!」
そんな抗いがたい欲求に襲われつつも。
流石にと思いとどまる。
せっかくの休憩時間。
それを、こうやって消費させてしまうのは酷な気がした。
女将さんが気を利かせて、早めに休憩入れてくれた訳だし。
確か、思いっきりかまってあげて欲しいだっけ?
俺としてもそのつもりである。
そう考えると、これはちょっと違うんじゃないかなって。
俺に突撃してきたまま、抱きついてる獣っ娘。
少しばかり表情を伺う。
さっきまで抗議の目を向けられていたのだけど……
いつの間にかその先が変わった様で、突然なでまわされるという蛮行の責任を今度は俺の手に求めているご様子。
俺の右手に睨みを利かせている。
「いて」
……噛まれた。
声を出すと、その反応に満足したのか。
ニヤニヤとした笑みを浮かべる。
この悪戯っ娘め。
獣っ娘の突撃を甘噛みみたいな物とか言っていたが。
まさか、本当に噛まれるとは。
色んな意味で驚きである。
こいつ、猫の獣人どころかまんま猫みたいだけどちゃんと働けているのだろうか?
変な心配を覚えつつ、なんだかんだ楽しそうだし。
このままでも良い気もしてきた。
「よし! 休憩中、どこか行きたい場所とかあるか?」
けれど、一応そう聞いてみる事にした。
いや、ね。
獣っ娘の休憩時間が終わるまでなでまわしていたい。
そんな抗いがたい欲求に揺れてはいたのだが。
その思いを押し込めての提案。
まぁ、本来抵抗する理由もないと言われればそう。
別にこのまま部屋で遊んでても実際の所は何の問題もない訳で。
ただ、さ。
俺の個人的な感覚の話。
職場で遊ぶのは違うんじゃないかなって……
いくら休憩時間とは言っても、会社にいると気が休まらない。
突然仕事を振られかねないし。
何なら、当たり前のように電話とれって言われそうだし。
冷静に考えれば、全部違法なんだけどね。
ブラック企業に法律は関係ない。
守る気があるなら。
そもそも、あそこまで黒くは染まらないはずで。
そんな環境だったから、昼食は毎回外でとる事にしていた。
なるべく会社を離れたくて。
それに、この理由抜きにしても残業三昧でただでさえ会社にいる時間長かったからね。
多分、俺だけじゃないはず。
こういう人、結構多かったんじゃないかな?
何となくだけど。
……
ま、獣っ娘の場合は楽しく働いてそうだし。
俺の前世での常識を当てはめるのは違う気もするが。
一種の自己満ってやつかね。
「お出かけですか?」
「そう。何かやりたい事とかある?」
「やりたい事……」
とは言え、自己満足で何が悪いって話ではある。
別に相手に不都合がある訳でもないのだし。
自己満足万歳!
その方が、お互い幸せになれるって物よ。
何なら、せっかくの春な訳だし。
冬閉まってる様な店に連れて行くのも良いかもしれない。
思いっきり俺の都合ありきではあるけど。
それがどうした。
獣っ娘だって、宿のスタッフになったの去年の冬だからね。
つまり温泉街の春は初めてなのだ。
給料はもらってる様だから。
ここ数ヶ月でこの街のお店にもそこそこ行き慣れたかもしれないが。
その手の店は、俺と同じく行った事ないだろう?
「……狩」
「え、狩がしたいの?」
俺の問いに、獣っ娘が小さくそう呟いた。
そうか、狩か。
1人脳内で勝手に盛り上がっていた所に。
ちょっと予想外の言葉である。
「してみたい、です!」
聞き返した俺の言葉に、今度ははっきりとした返事が返って来た。
そ、そうか。
どうやら何となく言ったって訳ではなさそう。
てっきり、何々を食べたいとか。
何々を買って欲しいとか。
そういう方向性のものだと思っていたのだが……
にしても、してみたいねぇ。
こう言うって事は。
獣っ娘は狩をした事はないってことなのだろう。
獣人といえば皆して狩が得意なイメージがあったけど。
……これ、偏見だったのか。
特に獣っ娘なんて猫系だし。
草食ならともかく、さっきの噛まれた時の感覚から言っても思いっきり肉食獣より。
まさか、経験が無いとは思わなかった。
獣人の文化について詳しくは知らないが。
畜産でも始めて、そもそもあまり狩をしなくなっているのか。
それとも、女だからとか。
まだ小さかったからとかの理由なのか。
何となく後者な気がする。
根拠?
その方が、なんかロマンあるし。
で、本能由来か。
もしくは、親や周りの大人の狩でも見たとか聞き齧ったとかでいつかやりたいとは思っていたと。
なるほどね。
そういや、獣っ娘の事を買った時の事。
初め勘違いされてた気がする。
狩猟のお供にでも使うのかって。
人に比べ嗅覚が鋭いやらのメリットも大きいし。
普通はそう使うよねって類いの話かと思っていたのだけれど。
それもあるのかもしれないが。
プラス、自分の希望もあっての事だったのかも。
ちゃっかりした娘である。
いや、本当のところは知らないけどね。
しかし、狩か。
まぁ良いんじゃないか?
初心者なら、この時期はちょうどいいでしょ。
「そんじゃ、一狩り行くか」
「ほんと!? ご主人様大好き!」
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