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世界を越えてもその手は 続6章おまけ 慰労会 1
◆ブロキオンの出口(ブロキオン周回中)
「神獣様がダンジョンに入られた。最下層のドロップ品をお持ちになるだろうから、出口で待っていろ。なんとしても、魔剣を手に入れるんだ」
「交替で詰めさせましょう」
「貴方は、ヨコドリ家の……」
「これはカッサライ家の家令ではありませんか。みな考えることは同じですか」
「あちらはネコババ家の者ですね」
「あ、神獣様です!」
「あんなに大きなお姿にもなれるのですね」
「たくさんの剣をお持ちですね。是非一本だけでも」
『はいこれ』
「ヴィゾーブニル様、お帰りなさいませ。こちらは最下層のドロップ品ですか?」
((まさか、司教様が直々にいらっしゃっているとは……))
『うん。全部あげる。アルが渡せって言うから持ってきたよ。馬がいっぱいいて楽しかったから、また行ってくる』
「お気に召すものはなかったのですね。ダンジョンに戻られる前に、甘いものはいかがですか? ユウさんから預かっていますよ」
『いる!』
「どうぞ。明日からも教会の者がおりますので、お声がけ下さいませ」
「神獣様、ダンジョンをお楽しみのようで何よりです」
『アルの友だちもダンジョン?』
「私は地上でやることがあるため、手下の者をここに詰めさせます。何かございましたらお申し付けください」
『ふーん。ねえ、これもう一個ちょうだい』
((王子殿下まで……))
((神獣様に話しかけることは許さない、ということでしょうね……))
◆ブロキオンの出口(ブロキオン周回中)
「ヴィゾーブニル様、お帰りなさいませ」
『甘いのちょうだい』
「すぐにご用意いたしますね。今回はいかがでしたか?」
『全部あげる』
「今回もお気に召すものがなかったのですね。残念です」
『光ればいいってものじゃないのに。ここのダンジョンの主、センス悪いよね』
「次はお気に召す剣が出るといいですね」
『次こそは、出るはず!』
「デザートはどちらになさいますか?」
『うーん、これにしよ。もぐもぐ』
◆あふれたダンジョン「キリヌス」の入り口(ブロキオン周回中)
「殿下、神獣様がダンジョン内に火を送り込んだといううわさが広がり、兵士が恐れから尻込みしています。戦闘奴隷を連れてくることを進言します」
「時間がかかる。魔剣部隊を先に行かせろ」
「それはさすがに……。ここは報酬を積んで冒険者に任せてはいかがですか?」
「アレックスが物資を届けてくれなければ、国軍への補給は遅れ、苦しい戦いになったはずだ。冒険者には借りがある」
「入って大丈夫なのか?」
「先に動物を行かせて、安全かどうか見るってのはどうだ?」
「神獣様は動物に好かれるらしいから、バレたらヤバくないか?」
「ここは、軍に頑張ってもらおう」
「そうだな。俺たち冒険者は後ろからついていこうぜ」
「俺は魔剣を持ってしんがりだな」
「いや、ポール、お前は先頭だろ」
「じゃあ、魔剣は貸す。また順番な」
「借りたくはないが、触らせてくれ」
「俺も俺も!」
「ほお、これが魔剣の手触りか」
「振ってみてもいいか?」
「いいが、人に向けるなよ」
「よし、離れててくれ」
『見つけたー。もうダンジョンの中の火は消えたから。ユウが大丈夫なのかってうるさいから、ちゃんと伝えたよ。じゃねー』
「ありがとうございます! 神獣様が、俺の頭に……。感激だー!」
「ブロキオンからわざわざ伝えに来てくれたのか? お前のために?」
「どんな菓子を渡したんだ? 教えろ!」
「渡してない」
「嘘をつくな。あの神獣様に覚えられるなんて、甘いもので釣ったに違いない!」
「俺の実力が認められたんだ!」
「んなわけないだろ」
「あー、魔剣持ってたから、ポールに間違われた?」
「「それだ!」」
◆ブロキオンのセーフティーエリア(ブロキオン周回中)
「ティグ君、ごろにゃーん」
「……ぐるる?」
「困ってる顔もかわいいねえ」
「ティグはかわいいもんな」
「ですよねー」
「ウルフはかっこいいぞ」
「ブラン、かっこいいってほめられているんだから、もうちょっと愛想よくしてよ」
『ふん』
(((ティグリスのテイマーがウルフにすごく気をつかってるのに、テイマー、ウルフの扱いが雑すぎだろう)))
◆ブロキオンの出口(ブロキオン周回中)
「やっぱり無理。一度お風呂に入りたい」
「ユウ、ここでは無理だ」
「ブラン、王都まで連れていって」
『(約束の五周が終わったらな)』
「あと三周なんて、やだ」
「クリーン。ほら、きれいになったぞ」
「俺もかけてやる。クリーン」
「なってない。あったかいお風呂がいい」
「ユウ、もう一周頑張ったら、俺の尻尾で遊んでいいぞ」
「あの騎士に近づいた尻尾は嫌」
『(ティグリス、行け)』
「ぎにゃ」
「ティグ君しか味方がいないなんて。むぎゅー」
「グフッ」
「ティグ!」
「ユウ、ティグの首が締まってるぞ」
「苦しそうだから、ちょっと腕を緩めてあげて」
『(仕方がない。クリーンを全員にかけてやろう)』
「かけるんだったら、僕じゃなくてあの首なし騎士にかけてよ」
((モンスターにクリーンって効くのか?))
「ユウさん、おかえりなさい。温かいタオルをお持ちしましたので、こちらでお身体を拭いてください。みなさまもどうぞ」
「司祭様、ありがとうございます。でもお風呂に入りたい……」
「教会に避難してきている貴族を今すぐ追い出しますので、もう少々お待ちくださいね」
「あ、いえ、そこまでしなくてもいいです。ごめんなさい」
「では、次に帰られるときまでに、こちらに足湯を用意しておきます」
「お風呂は我慢できます! 大丈夫です! わがまま言ってすみません!」
((司祭様、ありがとうございます))
「さあ行こう。さっさと終わらせて、温泉行こう」
「神獣様がダンジョンに入られた。最下層のドロップ品をお持ちになるだろうから、出口で待っていろ。なんとしても、魔剣を手に入れるんだ」
「交替で詰めさせましょう」
「貴方は、ヨコドリ家の……」
「これはカッサライ家の家令ではありませんか。みな考えることは同じですか」
「あちらはネコババ家の者ですね」
「あ、神獣様です!」
「あんなに大きなお姿にもなれるのですね」
「たくさんの剣をお持ちですね。是非一本だけでも」
『はいこれ』
「ヴィゾーブニル様、お帰りなさいませ。こちらは最下層のドロップ品ですか?」
((まさか、司教様が直々にいらっしゃっているとは……))
『うん。全部あげる。アルが渡せって言うから持ってきたよ。馬がいっぱいいて楽しかったから、また行ってくる』
「お気に召すものはなかったのですね。ダンジョンに戻られる前に、甘いものはいかがですか? ユウさんから預かっていますよ」
『いる!』
「どうぞ。明日からも教会の者がおりますので、お声がけ下さいませ」
「神獣様、ダンジョンをお楽しみのようで何よりです」
『アルの友だちもダンジョン?』
「私は地上でやることがあるため、手下の者をここに詰めさせます。何かございましたらお申し付けください」
『ふーん。ねえ、これもう一個ちょうだい』
((王子殿下まで……))
((神獣様に話しかけることは許さない、ということでしょうね……))
◆ブロキオンの出口(ブロキオン周回中)
「ヴィゾーブニル様、お帰りなさいませ」
『甘いのちょうだい』
「すぐにご用意いたしますね。今回はいかがでしたか?」
『全部あげる』
「今回もお気に召すものがなかったのですね。残念です」
『光ればいいってものじゃないのに。ここのダンジョンの主、センス悪いよね』
「次はお気に召す剣が出るといいですね」
『次こそは、出るはず!』
「デザートはどちらになさいますか?」
『うーん、これにしよ。もぐもぐ』
◆あふれたダンジョン「キリヌス」の入り口(ブロキオン周回中)
「殿下、神獣様がダンジョン内に火を送り込んだといううわさが広がり、兵士が恐れから尻込みしています。戦闘奴隷を連れてくることを進言します」
「時間がかかる。魔剣部隊を先に行かせろ」
「それはさすがに……。ここは報酬を積んで冒険者に任せてはいかがですか?」
「アレックスが物資を届けてくれなければ、国軍への補給は遅れ、苦しい戦いになったはずだ。冒険者には借りがある」
「入って大丈夫なのか?」
「先に動物を行かせて、安全かどうか見るってのはどうだ?」
「神獣様は動物に好かれるらしいから、バレたらヤバくないか?」
「ここは、軍に頑張ってもらおう」
「そうだな。俺たち冒険者は後ろからついていこうぜ」
「俺は魔剣を持ってしんがりだな」
「いや、ポール、お前は先頭だろ」
「じゃあ、魔剣は貸す。また順番な」
「借りたくはないが、触らせてくれ」
「俺も俺も!」
「ほお、これが魔剣の手触りか」
「振ってみてもいいか?」
「いいが、人に向けるなよ」
「よし、離れててくれ」
『見つけたー。もうダンジョンの中の火は消えたから。ユウが大丈夫なのかってうるさいから、ちゃんと伝えたよ。じゃねー』
「ありがとうございます! 神獣様が、俺の頭に……。感激だー!」
「ブロキオンからわざわざ伝えに来てくれたのか? お前のために?」
「どんな菓子を渡したんだ? 教えろ!」
「渡してない」
「嘘をつくな。あの神獣様に覚えられるなんて、甘いもので釣ったに違いない!」
「俺の実力が認められたんだ!」
「んなわけないだろ」
「あー、魔剣持ってたから、ポールに間違われた?」
「「それだ!」」
◆ブロキオンのセーフティーエリア(ブロキオン周回中)
「ティグ君、ごろにゃーん」
「……ぐるる?」
「困ってる顔もかわいいねえ」
「ティグはかわいいもんな」
「ですよねー」
「ウルフはかっこいいぞ」
「ブラン、かっこいいってほめられているんだから、もうちょっと愛想よくしてよ」
『ふん』
(((ティグリスのテイマーがウルフにすごく気をつかってるのに、テイマー、ウルフの扱いが雑すぎだろう)))
◆ブロキオンの出口(ブロキオン周回中)
「やっぱり無理。一度お風呂に入りたい」
「ユウ、ここでは無理だ」
「ブラン、王都まで連れていって」
『(約束の五周が終わったらな)』
「あと三周なんて、やだ」
「クリーン。ほら、きれいになったぞ」
「俺もかけてやる。クリーン」
「なってない。あったかいお風呂がいい」
「ユウ、もう一周頑張ったら、俺の尻尾で遊んでいいぞ」
「あの騎士に近づいた尻尾は嫌」
『(ティグリス、行け)』
「ぎにゃ」
「ティグ君しか味方がいないなんて。むぎゅー」
「グフッ」
「ティグ!」
「ユウ、ティグの首が締まってるぞ」
「苦しそうだから、ちょっと腕を緩めてあげて」
『(仕方がない。クリーンを全員にかけてやろう)』
「かけるんだったら、僕じゃなくてあの首なし騎士にかけてよ」
((モンスターにクリーンって効くのか?))
「ユウさん、おかえりなさい。温かいタオルをお持ちしましたので、こちらでお身体を拭いてください。みなさまもどうぞ」
「司祭様、ありがとうございます。でもお風呂に入りたい……」
「教会に避難してきている貴族を今すぐ追い出しますので、もう少々お待ちくださいね」
「あ、いえ、そこまでしなくてもいいです。ごめんなさい」
「では、次に帰られるときまでに、こちらに足湯を用意しておきます」
「お風呂は我慢できます! 大丈夫です! わがまま言ってすみません!」
((司祭様、ありがとうございます))
「さあ行こう。さっさと終わらせて、温泉行こう」
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