あの夜をもう一度~不器用なイケメンの重すぎる拗らせ愛~

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続編/燈子過去編

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 しばらく無言。見つめあっていたら辛抱切れたのは彼女の方だ。彼女がフッと笑って言うのだ。


「駿くんの一番そばにいれる人になってもいいですか?」


(なんだそのめちゃくちゃ可愛い逆プロポーズは)


「……もう、そんな気持ちなくなっちゃった?」
「――そんなわけないでしょ」

 自然に待ちたいと思っていた。
 いつか彼女がその時を望んだら、喜んで受け入れようと決めていた。彼女の願いだけをきいて生きていこうと思っていた。


 その時が来たのか?
 俺を望んで、手を差し出してくるのか。


 ――だったら……。


「一生離さない」


 その言葉と一緒に彼女の体を引き寄せて抱きしめた。


「……私も、ずっと駿くんのそばにいたい」
「一生そばにいて」
「――はい」
 その声が震えているから抱きしめていた体をソッと離すと彼女の瞳が潤んでいて今にも涙がこぼれ落ちそうになっている。


「泣かないでよ」
「ダメ……もう、私、駿くんの事だと泣いちゃうんだから……駿くんだけなんだから、私を泣かせるの……」
「へぇ?それは知らなかったんだけど」
「そうなの!もう……あなただけ……泣くのも支えたいのも守りたいのも、あなただけなの。私は駿くんがいたら幸せなの。駿くんがいなきゃ幸せになれないの。だからこれからもそばに居させて」


 頬を涙が伝い落ちて、それを拭ってもまたこぼれ落ちて……彼女の流す涙は気持ちを通わせた時から何一つ変わらず綺麗な雫で、ただ見惚れてしまう。


 泣かせたくない。
 大切な彼女を泣かしたいわけじゃないのに、俺のことで泣いてる涙ほど、愛しいものはない。

 この涙さえ俺のものだ。
 彼女の気持ちのどれももう取りこぼしたりはしない。

 これから先、どんな未来があったって彼女の手を離したりはしないとこの涙に誓おう。


「結婚しよう、燈子さん」
「……はい」
「俺と……ずっと一緒にいてくれる?」
「ずっと、一緒にいたい」
 そんな言葉と共に抱きしめる俺の体を抱きしめ返してくれるから――。


「好きだよ」
「私も大好き」
 ああ、どうしようか。もう夢みたいだ。

「ねぇ、どうしよう。嬉し過ぎる……もうすぐ籍入れる?」
「私も嬉しい、幸せ……でもその前にご挨拶に行かないとね」


(え、挨拶?)


「誰に?」
「駿くん、どうしてさっきから誰とか聞くの?どうしてわからないの?」
「俺たちが結婚するのに誰に何を言うの?」
「……ご両親に。駿くんのご家族に挨拶に行かないとダメでしょ?」


(……え?)


「それ、しないとダメなの?」
 真面目に聞いた俺にまた目を見開いて驚いた表情で見つめてくる彼女。


「ダメでしょ、しないと」
「……えーー」

 俺たちの未来はまだまだ前途多難のようだ。


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