あの夜をもう一度~不器用なイケメンの重すぎる拗らせ愛~

sae

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続編/高宮過去編

心と向き合える時(燈子)―1

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 寝室を開けたら起きていた彼を見て私がまだ寝ているのかしら、と錯覚しそうだった。朝の眩しい光の中で起き上がっていた彼は光の中で消え入りそうなほど綺麗でただ目を奪われた。
 目覚めた理由はお母さんの夢を見たからだという。そう言った彼が一番驚いている風だった。

 彼の中で少しづつ変化が起きているのかもしれない、そう思った。長く閉ざしていた心の蓋を開けるのは勇気がいる、それを他人にこじ開けられるのは本意じゃないだろう。それは私でもそれなりにわかる気持ちだから。


 でも、蓋を開ける用意が出来たら一緒にその蓋を外してあげたい。
 開けるときは一人じゃない、それがどんなに心強くて救われるか、それを私に教えてくれたのは彼ではないか。


「どんな夢みたんだろう……」

 私でもたまに母を夢で見ることはある。ハッキリと中身を覚えていないことが大半だけど、目覚めたらどこかボーっとする。非現実な気持ちになる、夢はそういうものだ。
 だからその時自分に問いかけた方がいい、なぜこんな夢を見たのか。自分がこの夢を見た意味はなんだろう、誰が何を伝えようとしているのだろう、答えがもらえるわけでもないし、正解もない。

 でも、自分の心に向き合えるチャンスだと私は思うから――。


 ――ガチャ。


 玄関の鍵が開いて時計を見ると19時半、だいたい定刻。帰宅した彼のもとにいつも迎えに行ってしまうのはいい加減ウザがられるかもしれないがもう性分、開き直って迎えに行く。


「おかえりなさい」
「ただいま」
 にこっと微笑んではくれるけど疲れたような表情。


「どうかした?忙しかった?」
「んーん、そーでもないよ……たださぁ……」
 歯切れの悪い彼の言葉。今朝もすごく言葉を選んで話そうとしてくれていたから内容はきっと家族のことなんだろう。彼は本当に家族のことだけはわかりやすくテンションが下がる。


「燈子さん、本気で電話する?」
「え!」
「今日かかってきたよ、多分母親から」
「え!!」
 はあーぁ、とすごく大きなため息を吐いてリビングまで向かうからそれについていく。聞きたいような焦って聞いてはダメだと言い聞かせながらも知りたい気持ちが先走って彼の後に密着するように後ろにつくと苦笑いをされた。


「そんなついてこなくても良くない?」
「だって……ごめん、でも、だって……はな、話したの?」
「話すわけないじゃん」


(え)


「怖くてかけ直してないし。いきなりかけてこられても困る」
 まさかの彼の言葉に思わず声を荒げてしまった。

「えー?なにそれぇ」

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