あの夜をもう一度~不器用なイケメンの重すぎる拗らせ愛~

sae

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続編/高宮過去編

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 鼻元がなにかくすぐったくてうっすらと目をあけたらフワッとした髪の毛が視界に入る。ぼんやりした意識の中でくすぐったいような感覚と生暖かい違和感、ピチャッとした音やチュッと鳴る音が耳に響き始めて意識がいきなりはっきりした。


「な、なん、駿くん?!」
「あ、起きた?ごめんね、燈子さん……」
「なに、ん!」
 謝りながら肌を舐めることをやめないから体を押しのけようとするのにビクともしないから結局されるがまま。舐められているところが心なしかヒリヒリするのはなぜなのか……そんなことを思っていると徐々に昨夜の行為が思い出されて彼の髪の毛をかきあげる様にして顔を見ようと覗き込んだら、色気のあるその瞳とぶつかった。


「真っ白な肌に……傷つけちゃった」
 赤い舌で舐めあげながらそんなセリフを吐く。


(い……犬どころじゃなくてもう猛獣……)


 噛みつかれて皮膚が少しはがれた場所は胸だけれど二の腕が触れそうな位置で胸でもなんだか絶妙な位置。なんというか齧り付きやすい場所だね……みたいな部分だ。
 皮膚もなんとなくたるんで胸の中でも一番柔らかそうだ。彼が無意識にそこを噛んだとは思えなくて狙ったんだろうな、とさえ思える。


「痛かったよね、ごめんね。染みる?」
 ぺろぺろ舐める姿はやはり犬みたいで……言いたいことはいろいろあってもそんな姿を見ていたらだんだん呆れてきた。


「染みないけど……痛かったからもうやめてほしい……」
「ごめん、噛みたくなって止まんなかった。噛みたいことは今までに何回もあったけど、昨日はなんか理性が働かなかったなぁ」
「え!?」
 シレッと言うから思わず声を上げた。


「燈子さんに指噛まれたときになんか糸が切れた」
「わ、私も噛んでごめんだけど……私のせいにしないでよぉ」


(噛むつもりはなくて噛んだのと、噛みたくて噛むのは全然違うと思う!!)


「ほんとにごめんね」
 そう言って吸い付いて舐めてを繰り返している。拘束されてる腕の中ではもはや身動きさえ取れない。


(めちゃくちゃに抱いてもいいかって聞いてきたけど……ほんとにめちゃくちゃだし……)


 これからこの噛み癖がついてきたらどうしようと内心は冷や冷やしつつもきつく怒れない私はやはりもう彼に麻痺してしまっている。


 二回目の洗濯機を回してリビングまで戻ったら彼に声をかけられた。

「燈子さん、来週末って仕事休みって言ってたよね?」
「うん、麻里奈がカウンセラーの勉強会行きたいからってお店はお休みするって……」
「だったよね。ならうちの実家ね」
「え!?」
 驚いて固まった私に、フッと笑う。


「連絡……取ったの?」
「約束したでしょ?予定、あけといてね」


(い、いつのまに――)

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