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白鹿視点⑤☆
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「なんで……白鹿さんは、しないの?」
真っ赤な顔して、目なんか波打つほどに潤ませて……見上げてきて言うセリフの破壊力。
なんで? できるわけない。
俺がしたいことなんか……理性なんかない動物的な思考しかないんだが。
「どうして、私だけなの?」
だからな? 聞いてくるな、そんなことを。
「俺がする必要ある? みゅーちゃんが満たされて、眠れてるならそれで十分」
「でもそれじゃあ……私だけが……」
「……自分が何言ってるかわかってる?」
本当にわかっているのか? わかっていて聞いてる?
でも彼女はなにもわからないような抜けた感じもなければ鈍そうな感じもしない。それなりに恋愛して経験もありそうだ。天然みたいな感じもあまりしない。だからこれは真面目に言っているのだろうとわかるからこそ。
「一緒が……いい」
「……」
「一緒に、しよ?」
この時のこのセリフでもう脳内の血管は何本か一気に切れた。
背後から抱きしめる、基本はこの体勢でこれは彼女を取り込めそうな錯覚がしてとても好きだ。
身体をやわやわと腹から胸にかけて手を這わせると上半身は逃げるように捩るのに下半身は擦り寄るように俺に押し付けてくる。だから逃げようとしてるなんて嘘だってわかるんだ。
首筋裏から耳朶を舐めて気づいたら甘噛みしてた。食べたくなるほどの衝動がもう湧いてきている。どんな風に触れたってまだ触れているだけ、という言い訳をし続けていたのに彼女がそのギリギリのボーダーを許してくる。脳内の興奮が身体中の神経に伝わり鼓動を早め理性を奪いそうなほど下半身に注がれて行く。
「んあっ……」
彼女の口からこぼされるこの声も日毎甘さを増して、こんな声を自分が出させているのだなと感じたらそれだけで嬉しくなってもっとその声が聞きたいと思う。声が甘くなるほど香りが濃く舞って、俺を狂わせていくから。
一緒に感じる方法とはどんな手法があるだろうかと、なけなしの理性の中で考えていた。
やりたいことなんか考え出したら山ほど出てくるし、知識はバカみたい持っていても実体験がない。恋愛したくてもこの体質が邪魔をして好きになる前に距離をとってしまう。言い寄ってくる子たちは大抵人工的香料をふんだんに身体に纏い匂いがキツイ。だからより女の子に対しての香りの抵抗は意識的に強まっていた。
大した恋愛もしてない、そもそも外面ばかりで人付き合いの距離感もよくわからない。年追うごとにそれもどうでも良くなって、当たり障りなくうまく思考を閉ざせば一定の距離感で人と付き合っていける。そうなったらわざわざ新しい何かを手にしたいなんか思わなくなった。性欲は多分人並みにあるのだろうけど、そういう行為をする前に突破しないとならない案件が重すぎて結果……俺はこの歳になっても童貞のまま。
(一緒にできる擬似セックス……)
彼女の放つ香りに狂わされながら必死で脳内で考えている。そもそもゴムがないのだ。絶対に最後の一線はこえられない。そういったリスクも避けてできる行為。
「足、軽く開けて?」
彼女は小柄で細身だけれど、ちゃんと肉肉しくて。張りのあるモチッとした身体付きをしている。片足を持ち上げると恥ずかしそうにはしていてもされるがまま。
本当に俺のしたいことを許すのか。
「んあ!」
「太ももぎゅって閉めて?」
「んっ……」
足と足の間に挟まれてぎゅっと締め付けるように抑えられたらそれだけで射精しそうになる。
気持ちいい、素直にその言葉が漏れたら彼女は高揚した声で聞いてくる。
「え、ぁ、ほんとに?」
「うん。みゅーちゃんの太もも柔らかいのにムチッてしてるし閉められたら気持ちいい。ちょっと動いていい?」
ダメだ、全然理性が保てないかもしれない。もう本能的に動かしたくてたまらなくなる。こんなことは予想していなかった。彼女に対して性的興奮があるかないかだと後者だ。興奮はどこまでいっても香り……けれど触れ合いだして彼女の身体から放つ香りがどんどん変わり出して……変わったのはきっと彼女だけではない。
俺もだ。
真っ赤な顔して、目なんか波打つほどに潤ませて……見上げてきて言うセリフの破壊力。
なんで? できるわけない。
俺がしたいことなんか……理性なんかない動物的な思考しかないんだが。
「どうして、私だけなの?」
だからな? 聞いてくるな、そんなことを。
「俺がする必要ある? みゅーちゃんが満たされて、眠れてるならそれで十分」
「でもそれじゃあ……私だけが……」
「……自分が何言ってるかわかってる?」
本当にわかっているのか? わかっていて聞いてる?
でも彼女はなにもわからないような抜けた感じもなければ鈍そうな感じもしない。それなりに恋愛して経験もありそうだ。天然みたいな感じもあまりしない。だからこれは真面目に言っているのだろうとわかるからこそ。
「一緒が……いい」
「……」
「一緒に、しよ?」
この時のこのセリフでもう脳内の血管は何本か一気に切れた。
背後から抱きしめる、基本はこの体勢でこれは彼女を取り込めそうな錯覚がしてとても好きだ。
身体をやわやわと腹から胸にかけて手を這わせると上半身は逃げるように捩るのに下半身は擦り寄るように俺に押し付けてくる。だから逃げようとしてるなんて嘘だってわかるんだ。
首筋裏から耳朶を舐めて気づいたら甘噛みしてた。食べたくなるほどの衝動がもう湧いてきている。どんな風に触れたってまだ触れているだけ、という言い訳をし続けていたのに彼女がそのギリギリのボーダーを許してくる。脳内の興奮が身体中の神経に伝わり鼓動を早め理性を奪いそうなほど下半身に注がれて行く。
「んあっ……」
彼女の口からこぼされるこの声も日毎甘さを増して、こんな声を自分が出させているのだなと感じたらそれだけで嬉しくなってもっとその声が聞きたいと思う。声が甘くなるほど香りが濃く舞って、俺を狂わせていくから。
一緒に感じる方法とはどんな手法があるだろうかと、なけなしの理性の中で考えていた。
やりたいことなんか考え出したら山ほど出てくるし、知識はバカみたい持っていても実体験がない。恋愛したくてもこの体質が邪魔をして好きになる前に距離をとってしまう。言い寄ってくる子たちは大抵人工的香料をふんだんに身体に纏い匂いがキツイ。だからより女の子に対しての香りの抵抗は意識的に強まっていた。
大した恋愛もしてない、そもそも外面ばかりで人付き合いの距離感もよくわからない。年追うごとにそれもどうでも良くなって、当たり障りなくうまく思考を閉ざせば一定の距離感で人と付き合っていける。そうなったらわざわざ新しい何かを手にしたいなんか思わなくなった。性欲は多分人並みにあるのだろうけど、そういう行為をする前に突破しないとならない案件が重すぎて結果……俺はこの歳になっても童貞のまま。
(一緒にできる擬似セックス……)
彼女の放つ香りに狂わされながら必死で脳内で考えている。そもそもゴムがないのだ。絶対に最後の一線はこえられない。そういったリスクも避けてできる行為。
「足、軽く開けて?」
彼女は小柄で細身だけれど、ちゃんと肉肉しくて。張りのあるモチッとした身体付きをしている。片足を持ち上げると恥ずかしそうにはしていてもされるがまま。
本当に俺のしたいことを許すのか。
「んあ!」
「太ももぎゅって閉めて?」
「んっ……」
足と足の間に挟まれてぎゅっと締め付けるように抑えられたらそれだけで射精しそうになる。
気持ちいい、素直にその言葉が漏れたら彼女は高揚した声で聞いてくる。
「え、ぁ、ほんとに?」
「うん。みゅーちゃんの太もも柔らかいのにムチッてしてるし閉められたら気持ちいい。ちょっと動いていい?」
ダメだ、全然理性が保てないかもしれない。もう本能的に動かしたくてたまらなくなる。こんなことは予想していなかった。彼女に対して性的興奮があるかないかだと後者だ。興奮はどこまでいっても香り……けれど触れ合いだして彼女の身体から放つ香りがどんどん変わり出して……変わったのはきっと彼女だけではない。
俺もだ。
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