あの碧は、私を見ていたか

篠原水面

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プロローグ

思えば

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 初夏の空気を閉じ込めたような、碧。

 何を思い出そうとしても、その色ばかりが頭に浮かんで他のものは滲んでいく。学校という喧騒の中、あの碧が私の全てを奪った。何よりも大切で、他のものは要らなくて、彼女にも私を大切に思ってほしかった。

 その笑顔のためなら何でもできると、安い小説のようなことばかり考えていた。笑ってしまうような青春劇だ、誰に言えたものでもない。珍しい色に惹かれたのか、彼女だったからなのか、私には分からない。

 ――ただ一つ、私が彼女を愛したことだけが確かだ。
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