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帝都の郊外、湖のそばの森の中に、鎌倉という屋敷がある。そこに住んでいる老人は、帝国の影の支配者であり、皇帝の首すらすげかえるほどの絶大な権力をもつ。
庶民たちのあいだで、伝説的に語られるエピソードである。
ハンナ・フォン・グレッツナーはその後、70年の長きにわたって全人類の頂点に君臨した。ヴァイデンライヒ皇帝が代わること4度、4人の皇帝はすべて、ハンナからその地位を認められて初めて皇帝を名乗ることができたという。
ハンナは幾度も帝国の支配構造を変革したが、いずれの体制も、鎌倉の影響から逃れられない構造につくられていた。だがそこに、近代国家の息吹を感じることができるのだと、後世の歴史家は語る。
封建制から絶対君主制へ。そして立憲君主制へと━━70年間、帝国は流れるような変化を続けた。時の流れの中で、やがて貴族の特権は失われていく。
アルフォンス・フォン・ラングハイムは、最後の特権貴族と呼ばれるべき老人になった。70歳で生涯を終えるまで、彼はラングハイム領の支配権を明け渡さなかった。アルフォンスは長く鎌倉に逆らい続け、抗い続けた。その器量はハンナをして賞賛せしめたとも言われる。
多くの貴族は領地の支配権を失い、代わりに1代かぎりの年金を支給されることとなった。コンラート・フォン・グレッツナーは、愛する妻と妹と、多くの子どもや孫に看取られ、77歳で幸福な天寿をまっとうした。最期まで彼の身辺には笑い声がたえなかった。
帝室はその命脈を今日まで保った。実権力を失い、最後には政治に関わる権利すら帝国議会に奪われたが、それでも皇帝の座は失われなかった。
皇族としての権利を失くしたディートハルト・ヴァイデンライヒは、平民に落ちて5年後に帝都追放の処分を解かれたが、最後まで皇族に復帰することはなかった。彼は20代で鎌倉に登用され、30代で幹部になった。69歳で亡くなるまで、そのそばには、つねにケヴィンという名の護衛の騎士が付き従っていたという。
帝国の変化にともない、軍の改革もすすんだ。改革の中で頭角を現したのは、魔道の存在だった。より積極的な魔道研究がおこなわれ、帝国の軍事力は飛躍的に強化される。
そのとき中心的な役割を果たしたのが、100年に1度の天才と呼ばれたエルマー・フォン・シュレンドルフである。彼は多くの戦略魔法を編み出し、魔王国との間に軍事的均衡を生み出すことに成功した。35歳で大将に昇進し、56歳で元帥に叙された。だが政治的野心はなく、それどころか軍事にもさほど興味を示さなかったと伝えられている。
教会の変革も進んだ。積極的な治癒術師育成が行われ、地方や亜人種まで、誰もが高レベルの治癒を受けることができるようになった。改革の旗手は若きクライド・ユルゲンである。彼は鎌倉からの支援を受けて、18歳で司祭、22歳で司教、25歳で帝国国教会取締役に就任し、28歳で大司教になった。これらの人事は、すべて最年少記録であり、いまなお破られてはいない。クライドは積極的な改革を推し進め、志を遂げたが、33歳のときガンで亡くなった。治癒術は怪我を治せても病気を治療することはできなかった。
財界にも変革の波は及んだ。帝国に憲法が制定された年を前後して、人類社会には10の財閥が生まれた。歴史用語でいう、10大財閥である。彼らは金銭をもって、人類を支配しようと目論んだが、そこで当然、鎌倉と衝突することになる。10大財閥の雄、マルコ・シェーンハイトは、長く続いた鎌倉との協力関係を破り、ハンナに戦いを挑んだ。世界の権益を巡る、血の流れない戦争である。しかし政治と民衆を味方につけたハンナは強く、財閥は解体されてマルコは失意の晩年を過ごした。それでも彼は62歳で亡くなるまで、3つの大企業で会長職を兼任し、その財産は帝国の国家予算と同じ桁数だったという。
鎌倉は組織として強化され続けた。ハンナの死後、その遺言によって解体されるまで、常に世界の中心は鎌倉だった。その強大さは、知るものをして国家という存在の意味を考えさせるものがあった。
それほどの権力を、受け継ぐことを遺言されたカリーナ・フォン・グレッツナーは、しかしハンナよりも先に、66歳で病死した。夫であるコンラートの死後、わずか1年のことである。財閥との闘いで活躍した鎌倉の幹部は、その手腕を惜しまれながらこの世を去った。
フーゴ・クレッチェマンは意外にも最期まで鎌倉に所属し、102歳の長寿で亡くなるまで、忠誠を保った。
フリッツ・ギンスターは41歳で事故死するまで、鎌倉を護り、情報を集め続けた。彼の死に際して、ハンナは「神は鎌倉を滅ぼしたもう」と嘆いたという。だがハンナは、フリッツの能力を見誤っていた。彼の才覚は、人材の育成と組織の創成にも発揮されていたのである。
裏影はハンナへの忠誠を誓う、宗教的組織へと変貌を遂げた。その2代目教祖を、ミア・ギンスターという。フリッツの養女となったミアは、初代以上に狂信的であり、初代と比肩しうるほど有能だった。ミアの活躍によって、ハンナは亡くなるまで、情報に不自由しなかったという。
クラウス・フォン・ベッケラートは43歳で鎌倉を引退。子爵に叙されて帝国政府内に要職を得る。彼は領地を持たない貴族で、はじめて大臣職に任命された人物である。法務大臣として辣腕をふるい、帝国内部からハンナの改革を手助けした。
クラウスは58歳で亡くなったが、その意志は彼の孫が継いだ。鎌倉における幹部、『辣腕』の2代目である。名をドミニク・フォン・ベッケラートという。ドミニクはハンナに側近として仕えた最後の人物である。死の直前まで秘書に近い役割をも担っており、ハンナに深く畏敬の念を抱いていた。
ドミニクの手記にはハンナを賞賛する言葉が溢れている。彼はハンナを讃えて書き残す。
『ハンナ・フォン・グレッツナーは、近世史上の一大傑物にして、その融通変化の才に富める、その識見、議論の高き、その他人を誘説、感得するの能に富める、同時の人、よく彼女の右に出るものあらざりき。
ハンナは一方においては公侯伯の間にわだかまりたる恩怨を融解せしめて、財閥に対抗する一大勢力を起こさんとすると同時に、門閥貴族を解体し、もってその領地を朝廷に奉還せしめ、皇帝のもとに国民を統合し、事実上、すべての人類を平等の臣属たらしめ、これをもって無血の革命を成し遂げぬ。彼女、もとより伯爵家のいち令嬢のみ』
ハンナ・フォン・グレッツナーは90歳で亡くなるそのときまで、妻であるエリーゼを愛し、ともに生き、ともに泣き、ともに笑った。エリーゼはハンナのあとを追うように、3ヶ月後に天寿を全うしたという。
かくして近代ヴァイデンライヒ国を創った無冠の革命児は、その名を後世に残し、多くの物語の題材となって、不朽の名声を長く讃えられることとなったのである。
庶民たちのあいだで、伝説的に語られるエピソードである。
ハンナ・フォン・グレッツナーはその後、70年の長きにわたって全人類の頂点に君臨した。ヴァイデンライヒ皇帝が代わること4度、4人の皇帝はすべて、ハンナからその地位を認められて初めて皇帝を名乗ることができたという。
ハンナは幾度も帝国の支配構造を変革したが、いずれの体制も、鎌倉の影響から逃れられない構造につくられていた。だがそこに、近代国家の息吹を感じることができるのだと、後世の歴史家は語る。
封建制から絶対君主制へ。そして立憲君主制へと━━70年間、帝国は流れるような変化を続けた。時の流れの中で、やがて貴族の特権は失われていく。
アルフォンス・フォン・ラングハイムは、最後の特権貴族と呼ばれるべき老人になった。70歳で生涯を終えるまで、彼はラングハイム領の支配権を明け渡さなかった。アルフォンスは長く鎌倉に逆らい続け、抗い続けた。その器量はハンナをして賞賛せしめたとも言われる。
多くの貴族は領地の支配権を失い、代わりに1代かぎりの年金を支給されることとなった。コンラート・フォン・グレッツナーは、愛する妻と妹と、多くの子どもや孫に看取られ、77歳で幸福な天寿をまっとうした。最期まで彼の身辺には笑い声がたえなかった。
帝室はその命脈を今日まで保った。実権力を失い、最後には政治に関わる権利すら帝国議会に奪われたが、それでも皇帝の座は失われなかった。
皇族としての権利を失くしたディートハルト・ヴァイデンライヒは、平民に落ちて5年後に帝都追放の処分を解かれたが、最後まで皇族に復帰することはなかった。彼は20代で鎌倉に登用され、30代で幹部になった。69歳で亡くなるまで、そのそばには、つねにケヴィンという名の護衛の騎士が付き従っていたという。
帝国の変化にともない、軍の改革もすすんだ。改革の中で頭角を現したのは、魔道の存在だった。より積極的な魔道研究がおこなわれ、帝国の軍事力は飛躍的に強化される。
そのとき中心的な役割を果たしたのが、100年に1度の天才と呼ばれたエルマー・フォン・シュレンドルフである。彼は多くの戦略魔法を編み出し、魔王国との間に軍事的均衡を生み出すことに成功した。35歳で大将に昇進し、56歳で元帥に叙された。だが政治的野心はなく、それどころか軍事にもさほど興味を示さなかったと伝えられている。
教会の変革も進んだ。積極的な治癒術師育成が行われ、地方や亜人種まで、誰もが高レベルの治癒を受けることができるようになった。改革の旗手は若きクライド・ユルゲンである。彼は鎌倉からの支援を受けて、18歳で司祭、22歳で司教、25歳で帝国国教会取締役に就任し、28歳で大司教になった。これらの人事は、すべて最年少記録であり、いまなお破られてはいない。クライドは積極的な改革を推し進め、志を遂げたが、33歳のときガンで亡くなった。治癒術は怪我を治せても病気を治療することはできなかった。
財界にも変革の波は及んだ。帝国に憲法が制定された年を前後して、人類社会には10の財閥が生まれた。歴史用語でいう、10大財閥である。彼らは金銭をもって、人類を支配しようと目論んだが、そこで当然、鎌倉と衝突することになる。10大財閥の雄、マルコ・シェーンハイトは、長く続いた鎌倉との協力関係を破り、ハンナに戦いを挑んだ。世界の権益を巡る、血の流れない戦争である。しかし政治と民衆を味方につけたハンナは強く、財閥は解体されてマルコは失意の晩年を過ごした。それでも彼は62歳で亡くなるまで、3つの大企業で会長職を兼任し、その財産は帝国の国家予算と同じ桁数だったという。
鎌倉は組織として強化され続けた。ハンナの死後、その遺言によって解体されるまで、常に世界の中心は鎌倉だった。その強大さは、知るものをして国家という存在の意味を考えさせるものがあった。
それほどの権力を、受け継ぐことを遺言されたカリーナ・フォン・グレッツナーは、しかしハンナよりも先に、66歳で病死した。夫であるコンラートの死後、わずか1年のことである。財閥との闘いで活躍した鎌倉の幹部は、その手腕を惜しまれながらこの世を去った。
フーゴ・クレッチェマンは意外にも最期まで鎌倉に所属し、102歳の長寿で亡くなるまで、忠誠を保った。
フリッツ・ギンスターは41歳で事故死するまで、鎌倉を護り、情報を集め続けた。彼の死に際して、ハンナは「神は鎌倉を滅ぼしたもう」と嘆いたという。だがハンナは、フリッツの能力を見誤っていた。彼の才覚は、人材の育成と組織の創成にも発揮されていたのである。
裏影はハンナへの忠誠を誓う、宗教的組織へと変貌を遂げた。その2代目教祖を、ミア・ギンスターという。フリッツの養女となったミアは、初代以上に狂信的であり、初代と比肩しうるほど有能だった。ミアの活躍によって、ハンナは亡くなるまで、情報に不自由しなかったという。
クラウス・フォン・ベッケラートは43歳で鎌倉を引退。子爵に叙されて帝国政府内に要職を得る。彼は領地を持たない貴族で、はじめて大臣職に任命された人物である。法務大臣として辣腕をふるい、帝国内部からハンナの改革を手助けした。
クラウスは58歳で亡くなったが、その意志は彼の孫が継いだ。鎌倉における幹部、『辣腕』の2代目である。名をドミニク・フォン・ベッケラートという。ドミニクはハンナに側近として仕えた最後の人物である。死の直前まで秘書に近い役割をも担っており、ハンナに深く畏敬の念を抱いていた。
ドミニクの手記にはハンナを賞賛する言葉が溢れている。彼はハンナを讃えて書き残す。
『ハンナ・フォン・グレッツナーは、近世史上の一大傑物にして、その融通変化の才に富める、その識見、議論の高き、その他人を誘説、感得するの能に富める、同時の人、よく彼女の右に出るものあらざりき。
ハンナは一方においては公侯伯の間にわだかまりたる恩怨を融解せしめて、財閥に対抗する一大勢力を起こさんとすると同時に、門閥貴族を解体し、もってその領地を朝廷に奉還せしめ、皇帝のもとに国民を統合し、事実上、すべての人類を平等の臣属たらしめ、これをもって無血の革命を成し遂げぬ。彼女、もとより伯爵家のいち令嬢のみ』
ハンナ・フォン・グレッツナーは90歳で亡くなるそのときまで、妻であるエリーゼを愛し、ともに生き、ともに泣き、ともに笑った。エリーゼはハンナのあとを追うように、3ヶ月後に天寿を全うしたという。
かくして近代ヴァイデンライヒ国を創った無冠の革命児は、その名を後世に残し、多くの物語の題材となって、不朽の名声を長く讃えられることとなったのである。
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