落ちこぼれの精霊使いは最強を夢見る

reki/zero

文字の大きさ
1 / 3
プロローグ

精霊召喚

しおりを挟む
「レン!もうみんな行ってるわよ!早く起きて行きなさい!」
母の怒鳴り声で布団から飛び起きる。
そうだった、今日は朝6時に起きないといけないんだった!
「レン!早くしなさい!」
「今急いで着替えてるから待って!」
急いで服を着替えて玄関で靴を履く。
「これ荷物ね。しっかりするのよ?」
「わかった、行ってくるね」
母から渡された荷物の入ったリュックを背負い、全速力で目的の場所に向かう。
今日は今年16歳になる子供の体に精霊を宿す、精霊召喚の儀を行う日だ。
精霊召喚の儀は集落から少し離れた場所にある聖域で行われる。
聖域とは精霊の世界につながっているといわれている、聖水で出来た池のことだ。
そして俺は今年で16歳なので精霊召喚の儀を行う対象年齢に当てはまるのだが、朝6時に行われる事をすっかり忘れて5時まで寝ていたのだ。
儀式の時間に遅れてしまうと、精霊を体に宿す価値無しと採られてしまい、精霊召喚の儀を受けることが出来なくなってしまう。
家から聖域までは歩いて2時間、全力で走ったとしても間に合うかどうかは微妙だ。
「あれ?確か今日は儀式がある日だよな?なんでレンがこんな所にいるんだ?」
村の市場を走り抜ける途中、買い物をしていた隣の家の親父に声を掛けられた。
「ちょっと寝坊しちゃって、じゃあ急いでるから行くね」
「ちょっと待て、今から走っても間に合わないだろ。俺が馬車を出してやるから乗ってけよ」

――親父に馬車で送って貰ったおかげで何とか儀式に間に合ったが、着くのが遅かったため儀式を行う列の最後尾に並ぶことになってしまった。
そして俺の番がやってきた。
「レンさん、お進みください」
聖域を管理している役人の方に言われ、聖域を囲む外壁の門をくぐる。
そのまま進むと円形の池が見えてきた。
池の周りには白く小さい球体の光が空中を漂っていた。
池の水は水色の光を発している、これがきっと聖域なのだろう。
聖域の目の前に立つと、水色の光がより強く光りだした。
空中に漂っていた光が池の上で集まっていく。
しばらくすると池の上には手のひらサイズの精霊が3匹いた。
赤、白、薄緑にそれぞれ輝く精霊達は俺の右手の甲に宿っていった。
右手の甲を見ると、そこには精霊紋せいれいもんが描かれていた。
これで儀式は終了。
門をくぐって外に出て、役人の方に終わったことを伝えた。
「レンさん、召喚した精霊のサイズと色を教えてもらってもいいですか?」
「えーと、3匹とも手のひらサイズで赤、白、薄緑でした」
「赤、白、薄緑ですか。今回レンさんが召喚した精霊の属性は炎、光、風のようですね。それにしても手のひらサイズ…そうですか、3匹とも低級精霊でしたか。落ち込まなくてもいいですよ、精霊はレベルアップで階級が上がりますから」
そう、同情したように教えてくれた。
もしかして俺の精霊たちは弱いのだろうか?
「教えてくれてありがとうございます。じゃあ、引っ越しの準備があるので。さようなら!」
この国では精霊を身に宿した子供は、その翌日に国が運営する魔法学校に通うように義務付けられている。
その学校は王都にあるため引っ越さないといけない。
引っ越しの荷物は親がやってくれるだろう。
儀式も終わったから、そのまま歩いて家に帰ろうと歩いていると、行きに馬車で送ってくれた親父さんが馬車とともに止まっていた。
「儀式終わったのか、帰りも乗せてやるよ」
どうやら俺の儀式が終わるまで待ってくれていたようだ。
その後、親父の馬車に乗って家に帰った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

豚公子の逆襲蘇生

ヤネコ
ファンタジー
肥満体の公爵令息ポルコは婚約者の裏切りを目撃し、憤死で生涯を終えるはずだった。だが、憤怒の中に燃え尽きたはずのポルコの魂は、社内政争に敗れ命を落とした男武藤の魂と混じり合う。 アニメ化も決定した超人気ロマンスファンタジー『婚約者の豚公子に虐げられていましたが隣国皇子様から溺愛されています』を舞台に、『舞台装置』と『負け犬』落伍者達の魂は、徹底した自己管理と泥塗れの知略で再点火する。 ※主人公の『原作知識』は断片的(広告バナーで見た一部分のみ)なものとなります。 己の努力と知略を武器に戦う、ハーレム・チート・聖人化無しの復讐ファンタジーです。 準備を重ねて牙を剥く、じっくり型主人公をお楽しみください。 【お知らせ】 第8話「復讐はロゴマークに寄せて」は2026/02/11 08:00公開予定です。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...